タカネトウウチソウの群落。バラ科ワレモコウ属。
タカネトウウチソウは「高嶺・唐打草」と書く。「高嶺」は高山性であることを示し、大雪山等高山の草地~礫地に生育する。根茎を伸ばしてしばしば群落をつくる。
この株は大雪山・旭岳産。
タカネトウウチソウの葉。
葉の多くは根生葉で奇数羽状複葉、小葉は長卵形で5~7対、縁には鋭い鋸歯がつき、はっきりした小葉柄がある。
タカネトウウチソウは本州中部の高山にも分布する。十数万年前の寒冷期には南の方へ分布域を拡げたが温暖化で北上する。このとき本州中部の高山に生き残るものが生じ、「遺留植物」と呼ばれる。
タカネトウウチソウの花。
花穂は円柱形で先がやや細くなる。「唐打草」は、花穂の姿が唐から渡ってきた「打紐(うちひも)」に似るから。ナガボノシロワレモコウの花穂は垂れ下がり、タカネトウウチソウの花穂は直立する。
花は花穂の基部から先に向かって咲き上がる。ナガボノシロワレモコウとは逆になる。
小花に花弁はなく、萼片は4個。雄しべは白く長い花糸(先の方が幅広になる)をもち、全体が白っぽくん見える。
この株は大雪山・赤岳産。