井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・ヤブガラシ4

2022年12月29日 | 日記

ヤブガラシの花とスズメバチ。ブドウ科ヤブガラシ属。
ヤブガラシは花盤の蜜腺から蜜をだす。不器用なスズメバチでも蜜を舐め易い形なので、ヤブガラシの花にはスズメバチが集まりやすい。ヤブガラシを駆除しようとしてスズメバチに襲われることが良くあるという。
ヤブガラシの果実。
ヤブガラシの花には自家不和合性があり、雌雄異熟ということもあって果実が出来にくいと言われる。
「道内では殆ど結実しない」とする図鑑もあるが、特別「稀」という程でもない。
ヤブガラシの繁殖力。
ヤブガラシとクズの戦い、クズも繁殖力が強いがヤブガラシも負けていない。
ヤブガラシの繁殖力は地下茎を伸ばして繁殖し、駆除しようと曳き抜くと千切れた根から再生する。
種子散布での繁殖力は強くないが、地下茎の再生力、繁殖力が大変大きい。
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北海道の樹木ウォッチング・ヤブガラシ3

2022年12月27日 | 日記

ヤブガラシ各段階の花。ブドウ科ヤブガラシ属。
ヤブガラシの小花は花期をずらすので、花序にはいろんな段階の花が見られる。蕾~雄性期の花~雌性期の花~受粉済みの花。花弁、雄しべを落とした花は雌性期となり、柱頭を伸ばしていく。柱頭の先が黒くなっているのは受粉済み。
朝7時台の花。
ヤブガラシの開花は朝早く、7時台にはまだ花弁、雄しべをつけていて雄性期の花である。
朝9時の花。
9時頃になると花弁、雄しべを残している花は少なくなり、雌性期の花になっていく。普通の花と違ってスタートが少し遅れるときちんとした花の観察が出来ない。雄性期の花から観察しようと思えば7時台にフィールドに立つべきである。
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北海道の樹木ウォッチング・ヤブガラシ2

2022年12月27日 | 日記

ヤブガラシの花序。ブドウ科ヤブガラシ属。
ヤブガラシは扁平な集散花序をつけ小さな花を多くつける。小花は一斉に開花せず、花期をずらす。
雄性期の花。
ヤブガラシの花は両性花であるが、雄しべと雌しべの熟す時期(機能する時期)をずらして自家受粉を回避する、「雌雄異熟の花」。こちらは雄性期の花。
ヤブガラシの花は開花後2時間ほどで花弁も雄しべも落としてしまうので、雄性期の花h朝のうちに終わってしまう。
雌性期の花。
花粉を出し終えた雄しべは花弁とともに早い時期に落としてしまう。花盤(花床)はオレンジ色からピンク色に変わり、柱頭を伸ばして雌性期の花となる。花盤から出す蜜は、雄しべ、雌しべの機能する時期に合わせて量を多くするという。
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北海道の樹木ウォッチング・ヤブガラシ1

2022年12月26日 | 日記

ヤブガラシの樹形。ブドウ科ヤブガラシ属。
道端や空き地などに自生し、分枝を繰り返して拡がって他の植物などに覆いかぶさっていく落葉つる性植物。藪を枯らしてしまうほどの繁殖力ということから「藪枯らし」の名で呼ばれる。
手入れの悪い貧乏人の庭が荒れ易いということで「貧乏かずら」の別名もある。
ヤブガラシのつる。
ヤブガラシのつるは茎の変化したもの、葉と対生する形で出る。(ブドウ属の場合は「巻きヒゲ」と呼ぶが、ヤブガラシ属の場合は何故か「つる」と呼ぶことが多い)。呼び方が変わっても役割は同じ。
 ・ヤマブドウの巻きヒゲ:1節置きに出る。
 ・ノブドウの巻きヒゲ:各節から出る。
 ・ヤブガラシのつる:2節続いて出て1節休む。
ヤブガラシの葉。
ヤブガラシの葉、一見掌状複葉に見えるが5小葉の基部が1ケ所に集まらない。側小葉の柄から更に小葉柄を生じる形で「鳥足状複葉」という。鳥足状複葉、多くはヤブガラシのように5小葉であるが、マムシグサなどには7~17小葉のものもある。
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北海道の樹木ウォッチング・ノブドウ4

2022年12月25日 | 日記

ノブドウの果実1。ブドウ科ノブドウ属。
ノブドウの果実は液果で緑色から紅紫色を経て青色に熟す。表面には黒い点(気孔)がつき、種子は1~4個。本来の果実は帯白色で小さいが、殆どの果実にタマバエの仲間の幼虫が寄生し、全体が大きく膨らみ、紫色や青色など鮮やかに発色する。
ノブドウの果実は液果ながら「食べられない」とされる。
虫こぶが出来やすく、正常な果実は殆ど出来ない。ということでノブドウは「食不適」と言う事になる。
虫こぶの名前;「宿主植物名+形成される部位+特徴+ふし」ということで、「ノブドウ・ミ・フクレ・フシ」。
キレハノブドウの葉。
ノブドウの葉は異形葉性が大きいが、裂け方(切れ込みの入り方)の特に大きいものは「キレハノブドウ」として1品種扱いされる。
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