井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・ミヤマホツツジ1

2023年04月30日 | 日記

ミヤマホツツジの樹形。ツツジ科ミヤマホツツジ属。
ミヤマホツツジは本州北部~北海道の亜高山帯に生育する落葉低木、大きいものは100cmにもなるが、多くは30~60cmほどの樹高。ミヤマホツツジ属は小さな属で、日本に1種、カナダ・アラスカに1種で、日本のミヤマホツツジは固有種である。
ミヤマホツツジの冬芽。
長さ4~5mmの楕円形。芽鱗は赤褐色を帯び、葉痕は細長い心形で維管束痕は1個。
亜高山帯植物の冬芽はアマチュアには出会うこと自体が難しく、この写真は「樹木に咲く花(山と渓谷社9)からの借用。

ミヤマホツツジの葉。
ミヤマホツツジの葉、葉身は倒卵形で先は丸く、基部はくさび形で次第に細くなって葉柄に流れる。
縁は全縁、両面とも無毛。葉脈は表面凹み、裏面では突出する。側脈は湾曲する。
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北海道の樹木ウォッチング・サラサドウダン2

2023年04月28日 | 日記

サラサドウダンの花序。ツツジ科ドウダンツツジ属。
サラサドウダンは枝先に総状花序を垂れ下げ、5~15個の花をつける。
サラサドウダンの花。
花冠は淡紅白色で紅色の縦筋が入る。それが「更紗模様(さらさもよう)」に似るというので「更紗ドウダン」と呼ばれる。「更紗」は室町時代以降インドやペルシャなどから輸入された人気の高い織物であるが、現代は更紗のことを知らない人が多くなっている。
ドウダンツツジの花は壷形で花冠裂片の先端が反曲する(反り返る)が、サラサドウダンの花は鐘形で花冠裂片の先は反曲しない。
サラサドウダンの果穂。
サラサドウダンの果実は蒴果で上向きつける。ドウダンツツジの場合は果柄ごと上向きにするが、サラサドウダンの場合は果柄は吊りさげたままで果実の部分のみ上向きにする。
熟すと上部が裂開して小さい種子をこぼす。大きい果実は受粉に成功したもので、小さいのは受粉に失敗したものと考えられる。それでも果実は上向きにしている。
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北海道の樹木ウォッチング・サラサドウダン1

2023年04月27日 | 日記
サラサドウダンの樹形。ツツジ科ドウダンツツジ属。
深山の林内~林縁、岩場などに自生もある(北海道では南西部のみ)落葉低木、樹高は2~5mで、ドウダンツツジより若干大型。園芸樹としても多くつくられ、公園や個人の庭などで多く見られる。
サラサドウダンの冬芽。
サラサドウダンの冬芽、頂芽は長さ6~10mmの卵形で芽鱗は5~8個、側芽は発達しない。
芽鱗の色も変わり、膨らみ始めて芽ぶき寸前の状態。
葉痕は扁平な半円形で枝先に密集する。
サラサドウダンの葉。写真は「樹木の葉(山と渓谷社)」からの借用。
..サラサドウダンの葉は倒卵状楕円形で、ドウダンツツジと比べると明らかに幅広で大きい。縁には細かい鋸歯が多くつく。基部はくさび形だが、ドウダンツツジのように徐々に狭くなり葉柄にながれるような形にはならない。互生であるが枝先にまとまってつく。
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北海道の樹木ウォッチング・ドウダンツツジ4

2023年04月26日 | 日記

ドウダンツツジの花後。ツツジ科ドウダンツツジ属。
ドウダンツツジは受粉後、花柄を下向きから上向きに変える。雄しべは枯れ落ち、花冠は壷形を保ったまま上下反対になり、花柄から抜け落ちるように見える。膨らみかけた緑色の子房とその先の花柱が見えている。子房の基部には先が5裂した萼も見えている。
ドウダンツツジの果実。
ドウダンツツジの果実は蒴果、披針状長楕円形で上向きにつく。熟すと上部から5裂して小さな種子をこぼす。下向きに咲いた花を上向きの果実にする。種子を風に乗せて飛ばすにはその方が有利という理屈なのだろう。
ドウダンツツジの紅葉。
ドウダンツツジは見事に紅葉する。紅葉の美しさではニシキギが良く知られているが、ドウダンツツジもニシキギに引けを取らない。
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北海道の樹木ウォッチング・ドウダンツツジ2

2023年04月24日 | 日記

ドウダンツツジの芽吹き2。ツツジ科ドウダンツツジ属。
芽鱗が開き葉が伸び出すが、周囲に蕾が見られない。これは花をつけない葉芽の展開ということになる。
ドウダンツツジの冬芽、見た目では判別できないが、花芽(混芽)と葉芽の区別がある。
ドウダンツツジの三叉枝。
ドウダンツツジは三叉枝を多くつくり、三叉の先がほぼ同じ高さになる。その様子が、昔の夜間の明かりに用いた灯台(3本の棒を組んだ上に乗せる)に似るところから「灯台つつじ」と呼ばれ、後に変化して「ドウダンツツジ」になったという。
この三叉枝の典型的なのが文字通り「ミツマタ」、和紙の原料となり、紙幣に利用されている。
ドウダンツツジの葉。写真は「樹木の葉(山と渓谷社)」からの借用。
ドウダンツツジの葉は長卵形、広披針形、狭倒卵形など形に変化が多い。
先はとがり基部はくさび形、縁には微細な鋸歯がつく。互生で枝先に集まってつく。
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