井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

センノウ属ではなくマンテマ属のマツヨイセンノウ

2011年11月07日 | 日記
センノウ属とマンテマ属には共通点も多く、違いは果の形に現れる。



マツヨイセンノウの若果実です。ナデシコ科マンテマ属。
花弁は枯れ落ち、萼筒も割れてめくれ落ちていき子房が姿を現す。ただし、この段階ではまだマンテマ属の特徴は現れていない。



マツヨイセンノウの果実です。
果実は果。先端から裂開し、その裂片の先が10個に裂ける(花柱5個の2倍数である)。
裂片の先の裂け方が花柱と同数なのが「センノウ属」で、2倍数となるのが「マンテマ属」とされる。マツヨイセンノウは紛れもなく「マンテマ属」である。
マツヨイセンノウには「「ヒロハマンテマ」の別名があり、そちらの方が標準和名として適当といえる。



マツヨイセンノウの果実と種子です。
果実は先端が裂開するだけで、種子は」黒くて胡麻粒を小さくした形、散布のための特別な仕掛けはない。
強風で揺すぶられて種子を振り出す、Wind Ballists(振り出しタイプ)のようだ。
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1 コメント

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大変勉強になりました。 (ともちゃん)
2022-03-26 13:32:33
我家にもマンテマかセンノウかどちらか不明の植物が居ります。シレネかリクニスかどっちだよってのが。代表はコロナリア、そしてフロスククリ、シレネの可能性の高いピンクパンサーそして先ごろ播種した雑草のシロバナマンテマ。あとの二つはこの方法が正確かどうか確かめるのにも役立つと思います。個体差もあると思いますので5個ないしそれより少し多めにサンプリングして確かめたいです。面白い実験材料ありがとうございました。よくサイトでセンノウ属のあとに()してマンテマ属と書いてある場合がありますがあれは誤りということでしょうか?

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