Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

結局「電力不安」は人災だ

2022-06-28 15:05:24 | 社会・経済

予想外に早い梅雨明け、そして猛暑の到来となった。歴史上有数の早さで 今日までに東北地方を除く全国の梅雨が明けてしまった様だ。「明けてしまった」の表現を用いたのは、それに伴い 我国のライフ・ラインの相当分が危機的状況に陥る可能性があるからだ。

その一つは電力不安。東京電力担当の首都圏などは、昨日から発電余力の低下に伴なう 電力需給逼迫(ひっぱく)注意報が日中などに出され、一般国民向けにもできる所での節電協力要請が行われている様だ。その一方、やはりこの時季の社会問題と化した 熱中症対策もあって、余り空調使用を我慢すべきでないとの告知もされている所。何やら論理面でも整合性を欠く「二重基準・ダブスタ」の印象も付き纏う感もあるが、要するに電力企業も行政も、熱中症の犠牲被害を増やさない様牽制の意図と、そうなる場合の責任を負いたくない想いから そうした情報発出となるのだろう。

申したくはないが、これは岸田現政権を含む歴代政権の失策が積み重なった所も大きいだろう。中国大陸他由来の新型コロナ・ウィルス感染症の世界的流行以前には、特に欧州において「脱炭素」志向が強く、我国経済に影響のある企業向け出資でも 脱炭素への取り組みが重視されてきている様だ。それを踏まえる一方で、欧州などは その「脱炭素」による再生エネが主流になるまでの繋ぎともいえる、原子力再利用や 火力発電向け天然ガスLNGの国家的確保にも抜かりがなかったとされる。今春来のウクライナ危機がある程度予想されていた所もあるらしい。

「それに引き替え我国は」という所も大きいだろう。同じ「脱炭素」への動きにしても、欧州の様な「有事」を視野に入れた進め方ではなかったという事だろう。ウクライナ危機勃発など夢にも思わぬ「平時だけ思考」だから いざという時の代替熱源など用意されるはずもない。我国内原発も再稼動へ向け、安全審査などが進んでいる事は認めるが、実際の稼働はまだ 4基。安全審査途上のが後数機はあるはずなので、最低でも「次の危機」が指摘される今冬辺りでの再稼動が叶う様 速やかな審査進行が望まれる。それと、原発休止期間中に安値で利用できたとされる 再エネ各社の送電線利用のあり方も、原発再稼働後を見据えた 各方面が得心する整合性のある取り組みを願いたいものだ。

原発がいずれ使えなくなる事は理解するが、とに角 安定した再エネ発電が主流となるまでの「繋ぎ」の役割りは果たせなければならない。昨日の日本経済新聞にも、こうした「確かな安全を担保した上での」条件付再稼動へ向けた議論を早く始めて進めるべき」との記事があったが当然の主張だろう。

原発再稼動の議論は、事ある毎に 左派野党や同勢力が後ろ盾の市民勢力によって妨害されたりしてもきた。複数の地方で、再稼動差し止め訴訟を起こされてもいる様だ。同じ議論でも「電力不安」をひとまずでも回避する為の、再稼動を是とする方向での議論が健全は論を待たないだろう。拙者も決して 安全を疎かにした再稼動審査を望んではいないし、原発はいつまでも運転できない事も分かっている。要は大都市圏他の送電が予告なく急停止する「ブラック・アウト」やその影響で 病院などの命を預かる施設に悪影響が及ばない事を祈念するからだ。

そうして見てくると、やはり此度の電力不安は「人災」のイメージが付き纏う。脱炭素は確かに重要な人類的テーマの一方、直ぐに実現が叶わないのは これも自明の事。やはり原子力や天然ガス LNGなど「繋ぎのエネルギー」の確保が必要という事だ。我国はこの面でも失態の履歴があり、中東カタールにての LNG輸入契約更新が叶わなかった所があるなどの情報を聞いている。

こうした分野を輸入に頼らざるを得ない以上、こうした失態を犯してはならないはずで、関係各所は こういう事象を徹底して調べ、再発させぬ様検証と総括を願いたい。同時に政府を初め行政側としても、再エネ関連だけの助成に偏らず、それに到達するまでの「繋ぎ役」関連の助成も抜かりなく行って頂きたいものだが。もう一つの懸念「渇水」は紙面都合もあり、又近く触れるつもり。今回画像も以前ので恐縮。当地北郊、稲沢市内にて目撃の 三重県下から長野県下へと向かう燃料列車の様子を。以下に 関連記事を 2件リンク致します。➀「JB press 6/10付 電力危機を作り出したのは誰か(JBpress) - Yahoo!ニュース」 ➁「私的憂国の書様 国民民主党の「再エネ賦課金の徴収停止」は「節電ポイント」より百倍マシな政策だ - 政治 (fc2.com)


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2 コメント

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人災です (onecat01)
2022-06-28 23:27:14
 HAKASEさん。

 テレビの報道に、混乱させられています。

 「電力が逼迫しています。節電してください。」

 「熱中症に注意し、クーラーは我慢しないでください。」


 うだるような暑さの中で、この矛盾した報道に戸惑います。じっとしていても、汗が流れるのに、政府はどうしろと言うのか。怒り心頭です。

 あなたのご意見通り、これは人災です。政治家は現実を見ながら、現実的な決断をしなければダメですね。
共有したい 現実志向 (HAKASE(jnkt32))
2022-06-29 11:09:29
onecat01さん、猛暑の折のご見解を有難うございます。

本当に、此度の電力不安は人災とのお言葉を賜り、改
めての実感と共に、是非共有したく思う所です。

広報のあり方も問題ありですね。熱中症など命に関
わる状況が認められるなら、まず「節電は二の次で
良いから」の意が分る表現ができるはずで、結局は
事態の対処に関する責任を負いたくない本音からと
みられても仕方がないでしょう。

どっちつかずの広報なら初めから行わない方がマシ
で、そうした問題からも、政治家は現実を直視の上
、実情に見合った決断ができなければと 拙者も思
う所です。まずは お礼まで。猛暑の折、どうかご
自愛下さる様。

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