極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

消えた釣り人

2011年08月20日 | びわこ環境


 




妹は これが最後と 泣き崩れ 長旅帰る 桧皮の香り


My aunt came to visit my mother, never see again and cried.
And returned home over long distances.
Leaving their scent on the skin of cypress at home.

我的姑姑來看望、再也看不到再次哭了起來。
回家長距離。
在家裡、留在皮膚上的氣味的柏樹


【消えた鮎】


毎年に かくも見てしか み吉野の 清き河内の 激つ白波  
    
山高み 白木綿花に 落ちたぎつ 滝の河内は 見れど飽かぬかも

                                                                笠金村
             

20年前は盛んだった鮎釣りだったがいまでは釣り人の姿が消えてしまったという。
なぜかというと、放流した稚鮎が増殖した川鵜や鷺に食い尽くされれるというの
だ。裏の池に金魚を入れたがそれも餌食にされたので、急遽金網で覆ったのだと
いう。吉野川の鮎ずしは天皇にも献上されたのだがととりあえず合いの手をいれ
る。考えてみれば、琵琶湖の竹生島も川鵜の繁殖で森林枯れというから直接的に
は川鳥の繁殖にあるのだが人間が生態系を変えてきたことによるのだ。
 




昭和初年頃まで吉野川は、本流を下る筏は年間五千筋あったといわれ、戦後、木
材の輸送はトラックや鉄道に代わり、やがて筏流しは消える。1960年頃牧の渡し、
黒駒の渡しがこの頃まで五條市で運営されていた。1962年には津風呂ダムが竣工
し、1973年には大迫ダムが竣工し、1987年吉野川分水が完成する。夏休みに母の
帰郷には製材所が競い合うように稼働し活況を呈していた。それが、過疎、少子
化でバブル崩壊以降の集落の収縮の早さというものは半端じゃなかった。元々国
の林業政策に振り回わされ、外国木材に国産木材駆逐される運命にあったのだが
ら長い間留守にできぬくらいに物騒で、夜ともなれば明かりが消え漆黒の集落地
帯となるという。



近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ   柿本人麻呂



人類の欲望充足は、生態系を乱し止まることを知らないかのようだが、世界遺産
に決まった小笠原諸島もいずれ外来種により一旦は壊滅状態になるだろう。その
後どうするのかそれが問題となる。これも進化の必然性なのだから覚悟はしてい
るが、実際にふる里がこのように荒れていくの眼のあたりにすることは、哀愁と
いうよりもむしろ苦痛だ。‘近江の海’とはじまめ‘古思ほゆ’と結べた時代か
ら千余年、‘悲嘆にくれぬ’とは結びまじ、と心に刻む。^^;

 

【脱原発異論】



「科学に後戻りはない:原発 完璧な安全装置を;8・15からの眼差し―震災5ヶ
月」( 2011.8.5 日本経済新聞) での発言が波紋を投げていることを知る。
以下はインタビュー記事からの抜粋。


Q:復興への道は。

「労働力、技術力をうまく組織化することが鍵を握る。規模の拡大を追求せず、小
さな形で緻密に組織化された産業の復興をめざすべきだ。疲れずに能率よく働くシ
ステムをどうつくっていくか、が問われるだろう。それには、技術力のある中小企
業を大企業がしっかり取り込む必要がある。外注して使い捨てるのではなく、組織
内で生かす知恵が問われている
。この震災を、発想転換のまたとない機会ととらえ
れば、希望はある」

Q:事故によって原発廃絶論が出ているが。

「原発をやめる、という選択は考えられない。原子力の問題は、原理的には人間の
皮膚や硬いものを透過する放射線を産業利用するまでに科学が発達を遂げてしまっ
た、という点にある。燃料としては桁違いに安いが、そのかわり、使い方を間違え
ると大変な危険を伴う。しかし、発達してしまった科学を後戻りさせるという選択
はあり得ない。それは、人類をやめろ、というのと同じです。だから危険な場所ま
で科学を発達させたことを人類の知恵が生み出した原罪と考えて、科学者と現場ス
タッフの知恵を集め、お金をかけて完璧な防禦装置をつくる以外に方法はない。今
回のように危険性を知らせない、とか安全面で不注意があるというのは論外です」


「(原発は)燃料としては桁違いに安い」という発言以外、引っかかるところは何
もない。彼は常に評論家として原則論を展開してきたから運動に参画しているもの
として彼の発言は常に注視してきた。そして、反インフレ論、湾岸戦争時の憲法改
定論、バブル時の土地総量規制法論、などその都度、真っ向から対立してきたもの
だったし尊重に値すものだった。今回も特に目くじらを立てるものでもないと思っ
ている。



つまり『エネルギー政策を議論しよう。』でも掲載したが、スタンフォード大学の
ジャコブソン教授らの指摘の通り、エネルギーペイバックや二酸化炭素排出量やコ
ストぺイバック(生涯コスト負荷評価:LCA)の試算によれば安くないという、
試算条件あるいは前提条件を変えると推進派とは真逆の結論、つまり非常にコスト
が高くなるのだから、そこまで踏み込んでの発言でない以上、どうってことないの
だ。それじゃ、日本共産党などが言っているような‘原発廃止派’ではないのねと
彼女が反質するように、わたしは、マークⅠ型は廃止、安全性強化した上、商業用
原発4~5基程度にバックアップ電源に専用化し縮小(配置場所、配置数は要再検
討)、再処理工場は、研究開発専用に位置付け縮小という立場だと答えるだろう。
つまり、吉本隆明のいう原則とは対立するものではないのだ。





【他人事の為替政策】



それにしても、血税を注入し輸出産業を保護育成してきたというのに、この円高で
も政府は放ったらかしの無作為を続けるというのだろうか。外国為替保険制度の導
入をこのブログで掲載してきたが
政治家の腹は痛まないからか、ポスト管で現を抜
かしているというのだろうか。真剣さが足らないよね。  

                                

                       



国内最大の太陽光発電計画 三井化学など、愛知県に

三井化学や東芝、三井物産などが大規模太陽光発電所(メガソーラー)の共同建設
を計画していることが20日、明らかになった。出力は5万キロワットと国内最大で、
投資額は約200億円。2013年からの電力販売を目指す。電力会社に対し、太陽光など
自然エネルギーの買い取りを義務付ける再生エネルギー特別措置法が成立する見通
しであることから、売電の採算が向上すると判断した。発電所は愛知県田原市に三
井化学が所有する土地(約80万平方メートル)に建設する予定で、発電した電力の
全量を中部電力に販売する方針(「産経ニュース」2011.8.20 13:51 )。

 

 


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