どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

水木しげる氏、出征直前の手記

2015年06月12日 20時22分00秒 | 話題
最近、娘さんによって発見されたと。

芸術が何んだ
哲学が何んだ
今は考へる事すらゆるされない時代だ
画家だろうと
哲学者だろうと
文学者だろうと
労働者だろうと
土色一色にぬられて死場へ送られる時代だ
人を一塊の土くれにする時代だ
こんな所で自己にとどまるのは死よりつらい

文化的な物事よえい最優先しなければならないのは兵士として戦い国を守ることなのだと痛烈です。

全ての価値観を封じ込めてしまわないと、戦場へと足を向けられないのだと、自分に言い聞かせているように強い響きが...。

「今は考へる事すらゆるされない時代だ」はその当時は肯定的な意味合いで用いているワケですが、今の視点で見ると否定的に感じてしまいますね。

でも本音は当時もそこにあったんだと思うし、そういった文化的・芸術的なことにウズウズして堪らなかったと思うんですよ。

”自己にとどまりたくて”しかたなかったはずなんですよね。

水木さんは自身の体験を元にした戦記マンガがあり、私もその内のいくつかは読んだことがあります。

独特の飄々とした性格が、兵士のあるべき姿勢に合わず、制裁をうけることもしばしば...。

そんな水木さんも、何もかも封じ込めてしまわなければならないほど、追い詰められていたと思うと胸が締め付けられそうになります。




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