Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

日本独自の『生きがい』

2009年04月18日 | 異文化

昨年の4月と11月に一緒に旅行した“異端児H”もいよいよ7月初旬には帰国が決まったとのこと。フランクフルトのTも昨年夏に帰国していますが、国内組にしろ、海外組にしろ、私と同世代の仲間達が、現場を離れていくことに少し寂しさを感じています。

まだ彼らは現場を離れるといっても、現役なので良いですが、現役を仲間が引退するようになって来る日もそう遠い話ではない・・・時が経つのは早いものです。

さて、引退といえば、実は私の現在の職場は市のシルバー人材センターです。シルバー人材センターとは、「生きがいのために、高齢者(定年退職者)に仕事をしてもらおうとする団体」で、これは1970年代から全国に広がり、名称は違えど、多くの市町村にあります。

「生きがいのため・・」と言っても、実情はセンターが高齢者のハローワークと化している部分も大きいのですが(年金だけでは食べていけない人も少なくない)、それでもやはり「働いて、自分で稼げるし、そして社会のお荷物にはならないでいられる。」というのが日本の大半のお年寄りにとっての生きがいにもなり、尊厳を持たせるものであることは変わりません。

-前に、フランス人ペンフレンド、アリーネさん(市長秘書)と“(年金や資産で食べていける場合であっても)何かしらの仕事をもっていたい日本の高齢者”の話をしたとき、彼女は「フランスでは大抵の人が退職後まで働こうとは思わない。ほとんどのフランス人は退職後は旅行、趣味、家族と一緒に過ごす時間を大切にしたいと思うだろうから、退職後に仕事をしたがる人の気持ちが理解できないでしょう。」と言っていました。

そこで、このシルバー人材センターの話とともに、アリーネさんの話を紹介してイタリアのペンフレンド、ロビーさん(主婦)と、マルタのペンフレンド、エマンウェルさん(教師)に意見をもとめたところ、

「イタリアでも、アリーネさんと同じような意見を持つ人が大半だと思うわ。ただし、退職後、旅行や趣味に時間を費やされる人ばかりではないから、朝から晩までバールにたむろする高齢者や、孫の面倒を見るくらいしかすることがないような人たちを見てると、複雑だけど・・。」

とロビーさん。

「働くことは金銭だけの為だけでなく、人に尊厳を与えることであるから、高齢者でも仕事をしたがる気持ちも理解し、そういう斡旋機関があることは良いことだと思う。でも、ま、年金受給者が若い人の働く場を奪ってしまう部分もあるから、そこは考え物だけど。」

とエマンウェルさん。

こんな話からも『シルバー人材センター』という発想、これは日本独自のもので、他国ではまず有り得ない、日本はやはり異質(良い悪いではない)な国であるなと実感します。

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