湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

見事な着地

2017-06-16 09:17:38 | 
神奈川歯科大学のジャカランダが見頃と聞いて、行ってみました。ジャカランダは南アメリカ原産で、世界三大花木のひとつだそうです。

では、先日の合評会で下記の作品について話し合ったことを投稿します。作者は都合により欠席だったので参加者の意見をまとめました。

離れる

離れれば近づきたくなる
離れれば寄り添いたくなる

というのは嘘だ

離れていても気にはしない
離れていても気にならない

近くと遠いの選択は愚問

近いかもしれないし
遠いかもしれない

近いと遠いは同じことかもしれない

考えても意味のないこと
意味のないことを続ける意義

どうでもいい

水曜日の夕暮れに
置いていった一人静が
咲いたか気になる
二人静だっけ


観念的に書き進めていますが、最終連で具体的な描写になっていますね。
その着地の仕方が素晴らしいと思います。
一人静と二人静という二種類の花の名を象徴的にもってきたんですね。
そこに到達するまでの叙述が冷静過ぎる感じもしますが、ちゃんと論を進めています。
 互いに孤独でなければ寄り添えないという逆説的真実を、詩的なうえに納得できる形で表せたいい作品だと思います。

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