湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

儚いの詩パート4

2023-05-23 14:12:17 | オリジナル
共通テーマ「儚い」でTが書いた詩を投稿します。

幻燈会
夏の夜
幻燈会が時々開かれた
フィルムに写した像に光を当てて
白い布に映し出す
神社の境内で
子供たちは
身じろぎもしないで
見つめていた
隣の子供の汗のにおい
光の中を飛んでいた小さな虫たち
幾本も流れていた蚊取り線香の煙
六十五年前の情景が浮かぶと
それ自体が幻燈のようで儚い
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする