処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

駅路

2009-04-12 13:29:17 | テレビ

フジテレビ 平成21年4月12日放送

松本清張生誕100年記念番組

 

      

 

久し振りに息を詰めてテレビ・ドラマを観た。

まず配役が申しぶんない。よく練られて、他に考えようの無いほどぴったりの役者起用。唐十郎や中島ひろ子がチョイ役とは恐れ入る。レーティング狙いのお笑いやジャリタレの起用も無い。

 

通俗の推理小説における犯人探しと異なる清張の原作をよく汲み、登場人物のバック・グラウンドが丁寧に描かれる。自由を求め、幸せを目指し、富を得んために、もがき苦しみ、人生の暗部に落ちゆく人間の性が、万感胸に迫ってくる。刑事役は役所広司。誰を演じても失敗作品は無い。心温かな刑事が番組を救っている。

 

’脚本・向田邦子’’清張生誕100年’がこの番組の売りとなっている。それだけ局も注力し、スポンサーも集め、番宣に相努めたこととは思うが、いい番組を作るのは当たり前だ。大騒ぎをしなくても視聴者は選ぶべきものは選ぶ。結果は付いてくるものだ。ちなみに演出は杉田成道。

 

                   

            松本清張                    向田邦子

 

「アルハンブラの思い出」「真珠採り」「バーバーのアダージョ」などの挿入曲の使い方も文句ない。あるいは大きくあるいは小さく、二人の絡みには同じ曲と。物語に安定感と奥行きを与えている。ひょっとしてプロデューサーは同じ世代かな。

 

 


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