英 題 NADER AND SIMIN,A SEPARATION
制作国 イラン
珍しいイラン国の映画である。
当然ながら、キャスト、スタッフなどのロールはペルシャ語。初めての経験。
昨今の報道による我々の彼の国のイメージは、暴力・内戦・反米・核開発などマイナス。しかし、ここで知るイランという国とその市民生活や家族愛・トラブルなどは、西側諸国と全く変わらない。そのことが新鮮な驚きだった。
それにしても、映画の内容は重い。生きていくことの難渋さ・課題を容赦なく突きつける。
家族とは、夫婦とは、介護、パート・タイム、貧富の差、裁判など、どれも心当たりのある厄介な問題を扱ったことで普遍的になり共感を呼び、ベルリン国際映画祭金熊賞、アカデミー外国映画賞の受賞となったのだろう。
大体が、宿敵アメリカのアカデミーが賞を与えたのだ。それほど鋭く素晴らしい映画ということになる。
観るのにタフネスが要求される。