ぜじろぐ

SAMBATOWN・ゼジの書くブラジル音楽やその他あれこれ

さよならにっぽん

2006-06-23 13:37:13 | 日記

という大友克洋氏の漫画が昔ありましたね。
さて、今日書く日記と言えば話題はもうコレしかございません。いやもうこっぴどくやられちゃいましたね、日本代表。そして当然っちゃ当然なんですが、決勝トーナメント進出おめでとう、ブラジル代表。今朝はヒジョーに複雑な気分で試合の放映を迎えましたが、いざフタを開けてみればやはり一部始終日本を応援してしまいました。ワタクシこんな仕事やってるワリにプロフェッショナルとしては失格です。そして突きつけられた現実に打ちひしがれ、今日も寝不足でサンバタウンに向かいます。極度の睡眠不足によりイライラしており、注意力散漫なのが自分でもわかるので通勤中は車間距離をいつも以上に空けて運転してきました。先日のトピック(豪州戦直後)で「恐らく日本は6月13日が今年上半期で最も暗く、最も国民生産性が低い一日となるのではないでしょうか」と書きましたが、すみません、訂正します。今日がその日です。

今にして思うと、ブラジル戦、やはりジーコの神通力は効いていました。前半の玉田選手の、彼個人としては自らの人生の集大成だったであろうファインゴール(あのディフェンス裏の入り方!)は間違いなくジーコの念力が呼び起こしたものだとワタシは信じています。そしてGK川口選手のこれまた神がかったセービングの連続。彼を数年間飼い殺しにしたポーツマスの首脳陣にどなたかインタビューしてやってほしいもんだと思いました。それにしてもちょっとヨシカツ君どこかおかしいです。あの時ワタシにはカンドンブレでいう鉄の神・オグンが彼に憑依したのかとさえ思えました。これもまたジーコの尋常ならざる念がドイツの地にオグンを召還したのだと受け止めています。ワタシはあえてこの超常現象をこそ「ドルトムントの奇跡」と呼ばせていただきたい。この奇跡の力なくしては、おそらく日本は0-7とか0-8とか、あの「マラカナンの悲劇」よろしく大名古屋ビルヂングの屋上から飛び降り自殺したくなるようなスコアでピッチを去らねばならなかったでありましょう。

しかしながら、現実は残酷なものです。あれだけ奮闘したにもかかわらず(特に中田英寿選手の獅子奮迅ぶりは凄まじかった)、今の日本に、フレッシュなメンバーで臨んだピッチピチに活きのいいセレソンの猛攻を耐え切る力は残っていなかったようです。おお、只今必死でダイエット中とおぼしきホナ"ウド"一瞬見せた切れ味に「ポセイドンのめざめ」というキング・クリムゾンのアルバムタイトルすら思い起こさせた残像の鮮やかさよ。最終兵器ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(日本風にいうと『宮城のジュンちゃん』みたいな感じ?)の無慈悲なまでに美しきミドルシュートの弾道よ。そしてカフー&ホベカル不要論すらこの先湧き起こりそうな「二極神」ことシシーニョ&ジウベルトの徹底的にサディスティックな左右のアタックよ!セレソンの最終調整のための格好の叩き台となった我らが日本代表。かくして前半ロスタイム、右から怒涛の勢いで斬り込んだシシーニョがホナ"ウド"めがけてクロスを放り込んだとき、それまで懸命に凌いできたジーコの神通力が、あの瞬間、プツッと音を立てて事切れたのです。後は周知のとおり。しかし誰がそれを責められるでしょう。

日本代表にとってのW杯ドイツ大会は終わりました。しかしこれでいいのでしょうか。日本代表でなく、日本という国がです。

屈辱的と言っても支障ないほど完膚なきまでに叩きのめされた後でも「感動をありがとう」とかいって無理矢理美談で終わらせようとするトチ狂ったゲロ甘サポーター達。

「あ~あ、終わったよ」と今日を最後にW杯に目もくれず、今後の日本サッカーに思いを馳せることもなく、日常の煩事に埋もれていくお祭り好きのにわかサッカーファン達。

本大会が始まる直前は「オーストラリアには楽勝」「F組1位通過も夢じゃない」とさんざん寝言をたれ流しまくっておいて、いざ負けたらすぐに「敗れた元凶はどこにあったのか」「この結果について日本代表には厳しい言葉をかけなければならない」と手のひら返したようにわめき散らして(松木安太郎サン、アナタのことですよ)犯人探しに躍起になる愚劣極まりないマスコミの連中。

悲しむべきかな、ファナティック・ジャパン。'02年日韓大会から今大会に至るまでの日本サッカーへのあまりに過剰な期待感は、喩えが大げさかもしれませんが、あたかも日露戦争で大国ロシアに対し奇跡的にギリギリの判定勝ちを収めたばかりに一気に自我肥大し、のちの大東亜戦争(あぶねえ呼び方)に狂信的なまでに突入していった当時の大日本帝国とダブるようで薄気味悪いんですけど。

みんな今夏に全国で上映される「GiNGA(ジンガ)」という映画を観れば、日本がブラジルとタメ張れるようになるには百年早いということを驚愕とともに冷静に受け止められることでしょう。ゆっとくけど別のサッカー映画「GOAL!」なんかとカン違いしないで下さいね。ってなんで名古屋で上映予定がないのだ!(激怒)

どうも店主には今回のW杯で、日本という国は肉体面・精神面で、いわば「人間力」において、スポーツのみならずあらゆる事象においてハナからお呼びでないというレベルにまで凋落してしまっているのではないかという気がしてなりません。その軽佻浮薄さ。相手はなんせ内戦やら凶悪犯罪やらで日頃からドンパチやってる、生と死が隣り合わせの国ばかりなんですから、選手だけでなく我々も、素手ゴロで相手国のサポーターと国の威信をかけて渡り合えるくらいの覚悟でもって応援に臨まない限り、サッカーの国際試合には勝てっこないのではないかと感じたりなんかしちゃったりするわけであります(←もはや支離滅裂)。そんな暴論を吐くワタシはもうパブリックビューイングに出かけて大声張り上げる元気すら残っていない口だけ男です。

いずれにせよ、ジーコの神通力はブラジル代表に乗り移り、6度目の優勝目指してまっしぐらな完調セレソンの背中を押し続けてくれることでしょう。特にホナウドにかなりの配分でパワーが乗り移ったようです。なんせ後半になってからホナ"ウド"のダブルクォーテーション囲みが消えていましたから。我々ブラジルファンにとっては、夢はこれからいよいよ本番スタートなのです。


・・・はっ、今までワタシは何を?・・・うおっ、この脳内麻薬が出まくったような電波系の文章はなんだ?!
そういうわけですので只のいちレトロサッカーファンのたわ言です。右ウイング思想の危ないヤツでもありません。皆さん、あまりお気になさらないよう。
いや、でもちゃんと心の中で叫んでるんですよ。
頑張れニッポン!(フェイスペインティングしてみました)

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3 コメント

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Unknown (情熱のない奴)
2006-06-23 20:31:27
日本代表、サポーターの声援にこたえて持ちうる力を発揮して戦ったと思っています。

みなさんお疲れさまでした。

私はというと朝4時半には起きれず朝のスポーツ

ニュースで結果をみました。

あちゃちゃ~っと結果が想像つくのがたまらなく

耐えられず(非国民と呼ばれるでしょうが)みられませんでした。

それにしてもみなさん元気がありますね。

大きな会場での声援、現地での声援と私ならその

費用でブラジル音楽のCDやコンサート費用に回そうと思います。(ますます非国民)

テレビをみていて思ったことですがみんなで応援

してつながっていることの心地良さや一体感を満喫しているところにある種の信仰宗教みたいなものがみえてすごく違和感を感じてしまいました。(自分が仲間に入れないから?)

見ていて面白い試合なら夜遅くても朝早くても見る気になるのだけどどうも最近は各選手のネーム

バリューの方が一人歩きしているようで疎遠になりがちです。
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Unknown (非国民)
2006-06-23 20:43:10
日本の選手もブラジル人のようにたくさんお肉を食べれば体力的においつくかも?と勝手なことを

思っています。

日本は世界のサッカー界の歴史の中ではまだまだ浅いようだけれどワールドカップに出場できるだけ進歩してきて進化はまだこれからなので末永くおおらかな気持ちで応援しようと思います。

日本もがんばれ!!
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コメントありがとうございます (ゼジ)
2006-06-27 17:29:26
しかしお二方ともコメント返しにくいハンドルネームですね・・・。

>情熱のない奴さん(笑)

>テレビをみていて思ったことですがみんなで応援してつながって

>いることの心地良さや一体感を満喫しているところにある種の信仰

>宗教みたいなものがみえてすごく違和感を感じてしまいました。

同感です。集まり騒ぎ酔いしれるにしても、ドイツのパブリックビューイングの光景と比べると正に「違和感」を覚えます。大切なのは真剣に応援し、見続けること。可哀相で見てられない人もいらっしゃるでしょうから、日本が海外列強に伍するほど強くなるまではあえて無視することもアリだと思っています。



>非国民さん(笑)

ブラジルファンの間では「フェイジョン(豆)を毎日食え!」という声が強まっています。

本当にまだまだこれからなんだからあまり分不相応な夢を見てはいけませんよね。もっともマスコミの催眠術に踊らされた我々国民も反省しないといけません。己を知り、課題を見つけ、それを克服するのはどこの世界でもセオリーです。それを無視して進化なんてありえない。

大らかに、長い目で、大局的に「頑張れニッポン」を叫び続けましょう。なんちて。

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