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プリウスのブレーキ、ABSモードから回生油圧協調モードへの復帰条件

2010年03月22日 20時45分55秒 | その他

結局トヨタさんからは何の回答も無いので、プリウスのブレーキ問題について、モーター駆動自動車ヲタクとして気になっている点に関して、もう1点考察しておこうと思います。

先の日記で、新型プリウスのブレーキ抜けの問題は、「回生油圧協調制御モード」(通常モード)から、「ABSモード」に切り替わった時に発生することは、トヨタ発表の資料より読み取ることができました。
新型プリウスのブレーキ問題の真相は?
新型プリウスのブレーキ問題の真相は?2

では逆に、
「ABSモード」から「回生油圧協調モード」(通常モード)に復帰する
のはどのタイミングなのでしょう?
この論点は、突っ込んだ内容よりも速報性が売りのテレビが指摘しないだけではなくて、雑誌やネットのメディアでも指摘されているのを見かけません。何故なのでしょうか?気になる私が妙かのかと思ってしまいます。

さて、今回のプリウスブレーキ抜けの話が出た時、
「ブレーキが抜けたら踏み直せば止まる」
という話を複数のルートから聞きました。一方、2010年2月4日の横山常務の会見では
「ブレーキが抜けたら踏み増せば止まる」
との説明が有りました。

(“ABSが一瞬作動”・・・って、そんな頻度が低い事例を出されてもねえ~。ABSが働く時は連続して働くもんだと思うが・・・。普通、辺り一面氷ってるんだし。 Car Watch のサイトから引用) 

「踏み直せば止まる」のか?「踏み増せば止まる」のか?正解はどちらなのでしょう?
結論から言えば、私は

どちらも正解 なのだと考えます。
一見矛盾した発言が何故どちらも正解なのか?その謎解きをすることで、今回のプリウスブレーキ抜けの核心の一旦が見えて来るように私は思います。

私の謎解きはこうです。
ZVW30プリウスは「回生油圧協調モード」では、電気モーターで動くブースターでブレーキの油圧を介助しています。それが「ABSモード」になると人力だけの油圧になります。当然踏み応えに対するブレーキの効きはかなり弱くなりますから、それを「ブレーキが抜けた」と一部のドライバーに感じさせたのでしょう。
問題はここからです。一旦「ABSモード」に切り替わったブレーキですが、
永遠に「ABSモード」が続くわけではありません。何らかの条件で通常モードである「回生油圧協調モード」に復帰するはずです。
その条件を私はトヨタに尋ねたのですが解答はありませんでした。
私はその条件(のひとつ)はブレーキペダルを一旦完全に戻すことではないかと考えています。一番一般的な条件だと思います。この条件だと、ABSモードになってブレーキが抜けた後に、
ブレーキを踏み込む→油圧が上がる→制動力が出る となって車両は止まります。横山常務が言っているのはこのことなのでしょう。
また、一旦ブレーキペダルを戻してABSモードを解除し回生油圧協調モードに戻せば、回生油圧協調モードはブーストが効いたモードですから、踏み直した時のブレーキペダルにはブーストが効くことになって、やはりこれでも止まります。
もっとも、上図のように一旦ABSが効いてから停止目標の信号機までの間に、タイヤがスリップする要素が無い状況は、現実にはあまり考えられませんから、実際にはすぐに近くのスリップ路面に乗って、再度ABSモードになってしまうのだとは思いますが・・・。
繰り返しになりますが、どんな電子デバイスを持ってして車両の姿勢を制御しようとも、基本はタイヤが路面にグリップしていることであり、タイヤがスリップすれば、どんな制御をしても無駄です。
そうである以上、ABSはタイヤと路面のグリップを保つことを最優先で設計するべき装置であり、日記
リコール改修後のプリウス、ABSに副作用の可能性。で書いたように、ブレーキ抜けを感じさせない細工をする代償として、ABSモード時のタイヤのグリップが低下するようなら、それを「改善」と呼んで良いのか?は大いに疑問の残るところではあります。

もっとも、私がここで大トヨタさん相手に「ゴマメの歯ぎしり」をしても、この不安が多くのユーザーに伝わって、リコール改修を受けるか受けないか?銘々が銘々の責任で選択する・・・という流れには繋がらないのが残念なところです。


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