テレビで再放送があったので録画して観てみた。
そういう作品があることは知っていたが映画館に観に行くことはしなかった。
実写版というのはなかなか難しいものがある。
アニメの設定では主人公格の古代進らは18歳から20歳くらいだ。じゃあ、実際にそれくらいの年齢の子たちを集めてみても何かおかしな感じになるだろう。実際に今までどれくらい新撰組に関するドラマが作られたか。そのたびに土方歳三は50歳くらいの役者がなんとなく一番似合っていた。実際の新撰組は20代から30代前半が多かったがそれだとなんとなくお遊戯会のようになってしまう。これは確かNHKでやった新撰組(三谷幸喜の演出)が当時の年齢と類似した配役でやってみたら「イメージが合わない」という声が多かったということを小耳にはさんだことがある。
配役については別にいろいろとあるがまぁいい。問題はストーリーだ。これだけはヤマトをみてきたものとしてはちょっとうなづけない。
まずは冥王星会戦のところから。ここはおさだまりのストーリー。ここで古代守が盾になって沖田艦長を逃がすというところは必須だね。
ここからはなにかと調子が狂う。森雪が看護・通信班ではなくやけに男勝りだし、なんといっても佐渡先生が高島礼子だ???。
とりあえず乗組員が日本人しかいない状況であっても、たてまえは国際組織だった宇宙戦艦ヤマトだが(このあたりは佐藤健志の「ゴジラとヤマトと僕らの民主主義」が面白い論評をしている)、いくらなんでも「日本国民へ・・・・」と呼びかけるのはなんともはや。
開始15分程度でヤマト発進。とにかく
このあたりで俺の見落としかなにかわからないがストーリーがとびすぎ。民間人だった古代が勝手にヤマトに乗り込み戦闘班長になっても誰も文句言わないし、ヤマト発進のところでミサイルを撃ち落とすところは本来はショックカノン(主砲)なのに、もうここで波動砲を打つの???。
ひでぇ、展開。
ストーリーが進むうちに、どうやら古代はかつては宇宙船に乗っていたようで、乗組員は古代のことはみんな知っている模様。それにしてもあらゆるシーンで緊張感がない。波動砲を使う、となったら1分以内で打ってるし、ワープ実験もやるぞ、となったら1分以内に実験が終了しているし、とにかく緩急の付け方が下手だ。
先に観た「宇宙戦艦ヤマト2199」の出来がよすぎたためにその落差で失笑してしまうほどだ。
あまりにもつまらない。コマーシャルでファイヤーエンブレムの新作が任天堂から出るらしくそっちのほうが気になってしまうほどだった。
地球に残した家族たちと最後の交信(テレビでは17話だったか?)のシーンが唐突に出てきて、たいして長い航海をしているように思えないのにこういうシーンをもってきても感動も何もない。古代がなぜ一時、軍をやめたかとかの謎もとけてくるが、あまりにも多くの情報をつめこみすぎ。原作の要素をとりいれるだけじゃなくて、新しいストーリーを織り交ぜているから当たり前か。
ストーリーの中で空間騎兵隊の「斉藤」が出てくる。
???。
なぜ斉藤が???。
いろいろといちゃもんつけたいことが多すぎるが、とにかくつまらないのは戦闘シーンだ。本来ないストーリーでそれなりの見せ場は古代が艦長代理になったあとで自ら仲間を打たねばならないシーンがあったが、ここも古代の葛藤を描く演出になっていない。
いつの間にか古代と森雪ができちゃうし、とにかく最大の見せ場であるマゼラン星雲会戦がない。ないわけではないがドメル将軍は出てこないし、とにかく何かあるとワープで逃げるか波動砲を打つかでまともな戦闘シーンがない。
後半はテレビ映画ならではの頻繁なコマーシャルで余計にテンポが悪くなる。そして、なんかストーリーが「さらば宇宙戦艦ヤマト」みたいになっている。だから斉藤が出てたのか・・・。
あとはとにかくひたすら観ててむなしくなってきた。仲間がどんどんと死んでいくところが何も響いてこない。最後は「宇宙戦艦ヤマト完結編」の要素もつめこまれている。よくこれだけひどいパッチワークにしたものだ。台詞だけはかつてのヤマトで使われたものが多いが、ストーリーが別物になっている。キムタクをはじめヤマトに思い入れのある役者さんがそれなりにいたらしいが、よくこんなストーリーで出ることを了承したもんだ。
だいたい、この作品を観る人たちってどういう人たちなのだろう。俺のようにヤマトを知っている人もいれば、ヤマトを全く知らない人もいるだろう。知らない人がここからアニメをみることはあるのだろうか。それよりもこの映画自体を楽しめることができるのか?。俺としては全く楽しめないばかりかすごく不快だった。
なぜストーリーは同じだけどそれを実写版で、ということにしなかったのだろう。とにかく二度と観ることはないし、もしかして第二作とかができても観ることはないだろう。
了
追記:いったいこの映画を見た人はどんな感想をもったのだろうということをネットで調べてみたら賛否両論らしい。「あにめの記憶」というサイト以下、好意的な評価をしている人はとても冷静にみているなと思った。しかし、やはり同意はできない。結局のところ「ヤマトはいきあたりばったりでストーリをつみあげていったのだから、これだってありだろ」と言っている。それはそれでかまわない。配役が原作と違うところとかだって俺は全然受けつけられる。ただかつての原作の台詞をパッチワークでつなぎあわせているところが新鮮味がかえってなくなっていることと戦闘シーンのあまりの物足りなさが俺は全く受けつけなかった最大の理由だ。
そういう作品があることは知っていたが映画館に観に行くことはしなかった。
実写版というのはなかなか難しいものがある。
アニメの設定では主人公格の古代進らは18歳から20歳くらいだ。じゃあ、実際にそれくらいの年齢の子たちを集めてみても何かおかしな感じになるだろう。実際に今までどれくらい新撰組に関するドラマが作られたか。そのたびに土方歳三は50歳くらいの役者がなんとなく一番似合っていた。実際の新撰組は20代から30代前半が多かったがそれだとなんとなくお遊戯会のようになってしまう。これは確かNHKでやった新撰組(三谷幸喜の演出)が当時の年齢と類似した配役でやってみたら「イメージが合わない」という声が多かったということを小耳にはさんだことがある。
配役については別にいろいろとあるがまぁいい。問題はストーリーだ。これだけはヤマトをみてきたものとしてはちょっとうなづけない。
まずは冥王星会戦のところから。ここはおさだまりのストーリー。ここで古代守が盾になって沖田艦長を逃がすというところは必須だね。
ここからはなにかと調子が狂う。森雪が看護・通信班ではなくやけに男勝りだし、なんといっても佐渡先生が高島礼子だ???。
とりあえず乗組員が日本人しかいない状況であっても、たてまえは国際組織だった宇宙戦艦ヤマトだが(このあたりは佐藤健志の「ゴジラとヤマトと僕らの民主主義」が面白い論評をしている)、いくらなんでも「日本国民へ・・・・」と呼びかけるのはなんともはや。
開始15分程度でヤマト発進。とにかく
このあたりで俺の見落としかなにかわからないがストーリーがとびすぎ。民間人だった古代が勝手にヤマトに乗り込み戦闘班長になっても誰も文句言わないし、ヤマト発進のところでミサイルを撃ち落とすところは本来はショックカノン(主砲)なのに、もうここで波動砲を打つの???。
ひでぇ、展開。
ストーリーが進むうちに、どうやら古代はかつては宇宙船に乗っていたようで、乗組員は古代のことはみんな知っている模様。それにしてもあらゆるシーンで緊張感がない。波動砲を使う、となったら1分以内で打ってるし、ワープ実験もやるぞ、となったら1分以内に実験が終了しているし、とにかく緩急の付け方が下手だ。
先に観た「宇宙戦艦ヤマト2199」の出来がよすぎたためにその落差で失笑してしまうほどだ。
あまりにもつまらない。コマーシャルでファイヤーエンブレムの新作が任天堂から出るらしくそっちのほうが気になってしまうほどだった。
地球に残した家族たちと最後の交信(テレビでは17話だったか?)のシーンが唐突に出てきて、たいして長い航海をしているように思えないのにこういうシーンをもってきても感動も何もない。古代がなぜ一時、軍をやめたかとかの謎もとけてくるが、あまりにも多くの情報をつめこみすぎ。原作の要素をとりいれるだけじゃなくて、新しいストーリーを織り交ぜているから当たり前か。
ストーリーの中で空間騎兵隊の「斉藤」が出てくる。
???。
なぜ斉藤が???。
いろいろといちゃもんつけたいことが多すぎるが、とにかくつまらないのは戦闘シーンだ。本来ないストーリーでそれなりの見せ場は古代が艦長代理になったあとで自ら仲間を打たねばならないシーンがあったが、ここも古代の葛藤を描く演出になっていない。
いつの間にか古代と森雪ができちゃうし、とにかく最大の見せ場であるマゼラン星雲会戦がない。ないわけではないがドメル将軍は出てこないし、とにかく何かあるとワープで逃げるか波動砲を打つかでまともな戦闘シーンがない。
後半はテレビ映画ならではの頻繁なコマーシャルで余計にテンポが悪くなる。そして、なんかストーリーが「さらば宇宙戦艦ヤマト」みたいになっている。だから斉藤が出てたのか・・・。
あとはとにかくひたすら観ててむなしくなってきた。仲間がどんどんと死んでいくところが何も響いてこない。最後は「宇宙戦艦ヤマト完結編」の要素もつめこまれている。よくこれだけひどいパッチワークにしたものだ。台詞だけはかつてのヤマトで使われたものが多いが、ストーリーが別物になっている。キムタクをはじめヤマトに思い入れのある役者さんがそれなりにいたらしいが、よくこんなストーリーで出ることを了承したもんだ。
だいたい、この作品を観る人たちってどういう人たちなのだろう。俺のようにヤマトを知っている人もいれば、ヤマトを全く知らない人もいるだろう。知らない人がここからアニメをみることはあるのだろうか。それよりもこの映画自体を楽しめることができるのか?。俺としては全く楽しめないばかりかすごく不快だった。
なぜストーリーは同じだけどそれを実写版で、ということにしなかったのだろう。とにかく二度と観ることはないし、もしかして第二作とかができても観ることはないだろう。
了
追記:いったいこの映画を見た人はどんな感想をもったのだろうということをネットで調べてみたら賛否両論らしい。「あにめの記憶」というサイト以下、好意的な評価をしている人はとても冷静にみているなと思った。しかし、やはり同意はできない。結局のところ「ヤマトはいきあたりばったりでストーリをつみあげていったのだから、これだってありだろ」と言っている。それはそれでかまわない。配役が原作と違うところとかだって俺は全然受けつけられる。ただかつての原作の台詞をパッチワークでつなぎあわせているところが新鮮味がかえってなくなっていることと戦闘シーンのあまりの物足りなさが俺は全く受けつけなかった最大の理由だ。