ここに元禄時代の歌人戸田茂睡のお墓があります。大正8年に東京府の旧跡に指定されて
います。徳川氏の家臣、渡辺忠の六男に生まれ(1629)のちに本多政長に仕えましたが、延
宝年間の末致仕して浅草寺近くに居をかまえました。
「梨本集」を著して和歌の制の無用を説き、世に詠歌の派を立てました。「紫の一本」「御当代
記」などの作品があります。「塵の世をいとう心の積もりては 身の隠れがの山となるらん」と詠
んで、隠れ家の茂睡と時の人に呼ばれていたといいます。
半七の塚 茂睡のお墓の近くに「半七捕物帖」の主人公、神田三河町の目明し半七の塚が
あります。江戸川乱歩ら捕り物作家クラブ同人が、岡本綺堂の業績を記念して昭和24年11月
に建立したものだそうです。茂睡と半七とは面白いですね。
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