マチンガのノート

読書、映画の感想など  

こころは内臓である:計見一雄著

2018-09-28 23:59:55 | 日記
第十章 心を概念化するメカニズム メタファー経由の理解

ヨーロッパでは伝統的に、言葉は人間が神から与えられたもの、
遺伝子に備わっているものとの先入観があるが、
「肉中の哲学」ジョージ・レイコフ著 計見一雄訳
等や訳者の考えでは様々な抽象的概念は身体に基盤と由来を持つとのこと。
抽象的な概念は、天から降ってきた理性ではなく、我々の五体から
得たのだろうとのこと。
枠組みとしては、身体の機能から、メタファー経由で、概念になったのだろうとのこと。
・「時間」を説明するメタファー
 時間は動くもの。動く時間メタファー。
 流れる時間がその代表。
・「時間の経過」を私がそれに沿って動く位置と理解する、時間・位置メタファー。
 これは前者の動く時間のメタファーのバリエーションと考えられる。
・時間を資源として理解する「時間・資源」メタファー。
 これによって時間の浪費なる表現が可能になる。
・「多いは高いメタファー」:数、量に関する現象を高低で表現する。
 源泉は物を積み上げると高くなるという視覚体験。
 ここから「株の高低」なる表現が可能になる。

子供が臨床において安心感を持つ、絵画や夢などを通して治療者と
関わりを持てるようになると、バラバラでアイコンのような絵から
まとまりのあるものに変化して、「川が立つ」などの段階を経て
抽象化能力を持つようになり、症状が治まったり、適応が良くなったりすることは、
京大の臨床心理などで、よく取り上げられている。
安心感を持つことにより、身体感覚が動きだし、視覚や運動感覚と繋がり、
抽象化概念に繋がるのだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿