蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

C級水道水のお話

2007-05-21 21:03:26 | Weblog
横水栓って今はあんまり見ないですよね。

これです、これ。昔は何処にでも普通にあった水栓で、この口の部分だけが動くのが自在水栓とか万能ホーム水栓とか言われているんですが、構造的にはほとんど一緒です。

今の世の中では、混合栓が当たり前になってしまっているので、パッキン交換とか言う、昔じゃあ、大流行の工事も、今はもうひっそりとなりを潜めていますね。
洗濯機用の蛇口も、外にある散水栓も、単水栓でも、

あ、でも2ハンドル混合水栓だけは、構造が一緒ですね。

でもって、この横水栓。今はこのハンドルを止めるビスの部分が、水用なら水色とか赤、お湯用なら赤とかピンクになっていて判りやすいんですが、今ほど、給湯器の普及が無かった昔は、この頭は本体と同じ銀色のメタル物が多かった気がします。

この時代のこのメタルのビスには伝説があって、ビスの頭に通常刻印されているCがあって、これは『飲料水』だという事を表していて、その品質がC級だという事だと言うことが、蛇口屋の子供の頃にまことしやかに囁かれていました。

B級は国会とか、政治家の自宅にあって、A級はそれ以上の偉い人の自宅にある、と言われていて、それ以外にも、一つの街に必ず一つはあると言われていて、友達を集めて、近所を探した事がありました。

A級の水なんて飲んだ日には、もうC級の水なんて飲めない様になるって噂も流れていて、人によってはB級よりはC級の方が飲みやすいって言う人もいるらしいってリアルな噂もありました。
しかも、A級は直接カリフォルニア(なぜカリフォルニアかは不明)から水道が引かれている、とか言われてました。

公園の蛇口、学校の蛇口、病院やデパートのトイレや化粧室などの蛇口を、何組かに別れてチェックしまくったのを憶えています。

ある大学の構内に侵入して、妙な小学生達が、蛇口を探してると、そこの大学に通うお兄さんが、「大きな神社にあったよ」と教えてくれて、全員で色めきだって、某国際的にも有名な神社の立ち入り禁止になっている境内に侵入して、親や先生を呼ばれたっけなあ。

だから、今でも横水栓を取り付けるとき、「そんな訳ねーじゃん…」などと呟きながら、かつての自分を笑ったりします。

ちなみに、この情報の発信源は、蛇口屋の父親orS吉さんだったりします。
つまり、学校で話を大きくしたのは蛇口屋だったって事ですね。

ホント、なんだかな、って感じです。


フジツボみたいな人生

2007-05-20 20:06:22 | Weblog
ちょっと前の話。

今回、うちの会社を辞めてしまった方が、言っていた事で、『これだけの規模で仕事をしていてパソコンを使わないのは凄いよね』って言う話をしていました。

うちの会社って本当に事務や営業に限らず、例えば趣味としてもパソコンを使うことを嫌がります。
それは間違いなく社長の考え方で、趣味でパソコンを使いますなんて言った日には、その日から「オタク」のレッテルを貼り付けられます。

最初は、社長のことだから腹黒い意志がそこにはあるのだと思っていました。

ホラ、パソコンで、事務なんてやると記録が残るし、中身を誰かに覗かれでもしたら不味いのでは思っていました。

でも、最近の社長を見ていると、そのような考え方は深読みのしすぎで、実は単純に能力が無いだけって言う見方をしています。
良い言い方をすれば、自分という物をよく知っていて、限界をわきまえていると言う言い方も出来るような気がします。
出来もしないのに、やたらと挑みたがる蛇口屋から見れば、落ち着いた大人な判断なのかもしれません。

現状の蛇口屋に取ってみれば、これ一つの例を挙げて見ても、この会社を辞めてしまえる理由になります。

蛇口屋はもっと仕事をしたい~! と言っても、処理できる仕事量というのが頭打ちなら、蛇口屋はこのままなにも変わらず、同じ内容の仕事をただひたすらに処理して行くだけです。
このままこの会社にいれば、何の資格も、何の知識もいらずに、多分、普通に過ごして行ける事でしょう。

そして、後戻り出来ない年齢になって、この会社以外で生きてゆく術を失うって事です。
会社から見れば安心ですよね。他に行くところがない以上、この会社にしがみついても残りたい訳ですから。
多少雇用条件を下げられても、理不尽に八つ当たりの道具にされても、自分にしがみついている社員が好きみたいですね、社長は。

凄いなあ、フジツボみたいな人生ですよね。
もう、岩か? ってくらい一体化していて荒波に揉まれようと、その岩が砕けようと、張り付き続けるフジツボ。

とても蛇口屋には真似出来ないです。

この先、砕けて沈んでゆく、岩とフジツボを横目で見ながら、外海へ泳ぎだしてゆこうと思います。






大変な仕事ですね

2007-05-19 20:21:56 | Weblog
あいにくのパッとしない天気の札幌でした。
今日は土曜日で、通常なら環状線も空いているだろうと車を走らせていると、環状線が国道12号線にぶつかる所くらいで、急な渋滞にぶつかり、先に 何があるのだろうと、ノロノロと流れに乗って、『住まいのクワザワ』の前に、道路すれすれに電柱が倒れ、信号機が落ちていました。そして、その先には多分、クラウンだろうと思うのですが、グシャグシャになった車両が一台、道路に部品を散乱させて全壊させていました。

そしてそれを取り囲むようにパトカーと救急車。

運転していた若者は無事だったようで、最近の車の衝突安全性をまざまざと見せつけられた気がします。

最近、事故は増えても、死亡事故が減っているのは、日本の自動車の安全性が向上しているお陰だとか、今までなら、即死な事故も、骨折くらいにしてくれるそうで、なかなか目には届かない所で、確実に技術の向上は行われている様で、世界にとっても、子供を持つ親としても嬉しい限りな気がします。

これで無謀運転や飲酒運転をキチンと制御出来る装置でもあれば少なくとも、子供の様な交通弱者が守られるのになあ、運転者の安全だけ守られてもなあ、なんて思ってました。

それにしても、そんな朝から、制服の警察官を見て、昨日の立て籠もり発砲事件を思い出していました。

林警部さん、本当に残念です。

テレビを見ていて思ったのですが、林さんの家に押しかけるマスコミを見て、何かが狂っているのかなあ、と思ってしまいます。
あの場所で、あの時に、どうして林さんの親からコメントを貰う必要があったのか?

遺族の心の中を文字通り土足で踏みにじっている様にしか見えません。
あのドアの向こうに、父親を失った11ヶ月の赤ちゃんと、旦那さんを亡くした若い奥さんがいるのかと思うと、胸が張り裂けそうでした。

こんなブログですが、ご冥福を祈らせてください。

事故の処理をする警官の横を急いで車がかすめるように通ってゆきます。
銃弾が当たっても大変ですが、車が当たっても大変な事になります。

警察官って大変な仕事だよなあ、なんて思って見てました。
もしかしたら、彼らこそ、世の中で最も人の下敷きになって、職業的に虐げられている人間なのかと、ふと、考えていました。

とらえ方は色々ですよね。

それはとても大きな会社だね

2007-05-18 20:26:37 | Weblog
今日、会社の人間が一人、会社を辞めてゆきました。
結局、最初に社長が出した条件とは違っていて、これならこの先はやってはいけないだろうって言う判断で、退社に至ったそうです。

元々、現場管理の人間で、営業で入社して来られた方でしたので、度重なる作業の為に、腰痛を併発して、辛い思いをされていました。

社長曰く、『根性が無い』っと言っていましたが、蛇口屋から見れば、彼の言っていることの方が正しくて、今の人あまりの不況の中、人材なんて履いて捨ているくらいいると思っているうちの社長は、そのうちに痛い目にあうでしょう。

蛇口屋から見ると、うちの会社には勿体ないほどの、能力とパーソナリティーを持っていましたので、この会社を退職後も、なんとなく知り合いでいたいと思って連絡先の交換だけはしておきました。

今後の活躍に期待しています。

それはさておき、何となく、蛇口屋が他に就職を探していることを知っているK沢くんが、『もっと大きな会社に入れたら良いですね』って事を言っていて、蛇口屋が、K沢くんの言う、大きな所ってどんな所だい?って訪ねてみると、『鹿島』とか『早川』とか、そんな大御所を教えてくれました。
『でも、もっと大きな会社がありますよね 』って言うK沢くんで『それは世界規模で言えばもっと大きな所はあるだろうさ』って蛇口屋が言うと、それは、どうも日本の企業らしく、名前を尋ねると、

K沢くんは『JVって会社です』って言いました。

それに続けて、K沢くんが言うには、『絶対にJVのJってジャパンって意味だと思うんですよ、大きな工事現場の看板には必ず名前がある会社ですからね、きっと、日本を代表する、もの凄い規模の会社なんでしょうね』って、一点の曇りもない、明るい笑顔で、言ってました。

そうか、JVって会社かあ…

なんかそんな話を聞いていながら、最近、殺伐としていた蛇口屋も、なにやらほんわかした気持ちになって来ました。

出来れば、K沢くんは、ずっとこの会社にいて、穢れること無く、ピュアなままでいて貰いたい物だと思いました。

掘って埋めてまた掘って

2007-05-17 20:40:42 | Weblog
今日はあいにくの雨でしたね。
しかも、たまに外の仕事になると、降ります。雨。

最近、北海道の方も、雨の降り方が激しいですね。とっても本州地方の夕立に比べればたいした事ないですけどね。
一回、北海道の霧雨しか知らない蛇口屋の家族に一度体験して貰いたいですね。
北海道に馴染みの無い人にはピンと来ないかもしれませんが、年間降水量のほとんどが雪になってしまうこちらの雨は、本当に、濡れると言うより、滲みるって感じの雨ですよ。

で、北海道の皆さんは、あのバケツをひっくり返した様な雨を一度体験してもらいたいもです。ホラー映画の『ほの暗い水の底から』で、演出されていたあの激しい雨は、決して映画だけの物ではなくて、現実に降ってくるのだと言う事を知って貰いです。

そして、蛇口屋自身も、あの激しい雨と、南の国のスコールは味わってみたい物だと思ってます。

そんな蛇口屋は今日は珍しく散水栓の交換とか言う、地味な工事をしていました。
掘ってましたね、穴。

工事は千歳の向陽台だったので、情け容赦なく、13ミリのポリパイプは、1M以上埋まってました。
工事をするためには体入れなきゃなんないですから、なんか、自分の墓穴掘っている気分でしたよ。あ、文字通り墓穴掘るって奴ですね。

基本的に蛇口屋って住宅設備の器具屋さんに近い物で、あんまり穴を掘ってポリパイプって触らないんですよね。
かつて配管工の試験の当日に初めてポリパイプと冷間継ぎ手を使いました。
それまでは見て知っている程度です。
一応、試験の方は合格しましたが、前に話したように、蛇口屋には主立った先生という
人がいないので、全て独学に基づいて、自分勝手に学んでいます。
それから中堅所と言われる様な年齢になっても、このポリパイプを触った回数は、多分数えられるくらいじゃあ無いかと思います。
お陰で、勘違いしていても是正してくれる人がいないから、寂しい物ですよ。

午前中のうちに散水栓の交換を終わらせると、次はみんなの手伝いで、ガレージとカーポートの基礎工事をしてましたね。

うちの会社、重機ないですから、みんな手堀なんですよね。
社長曰く、『手作りの味』と言ってました。今度、その間抜けに開いた口の中に残土を詰めてやらないとダメですよね。

ホントに、雨だというのに、穴を掘りまくって腰が痛い蛇口屋でした。

それでも家に帰ると、うちの2歳の坊ちゃんが、抱っこ抱っこって、砕けるな、俺の腰!
戦いはまだ続く様です。





あわてて工事、おかしな工事。

2007-05-16 20:29:17 | Weblog
今日の蛇口屋の仕事は、昨日組み立てたTOTOのユニットバスへ、給水給湯を繋いで、照明・換気扇のスイッチ線を繋いで、100のアルミフレキを繋いで、ついでにセミ貯湯の追い炊きボイラーから、壁掛け式の直圧ボイラーに交換した後に、通水して漏れがないかを確認して、配管を保温して、ユニットバスの天上にグラスウール断熱材を入れて、床下で追い炊きの配管を繋いで、『さあ、今日からお風呂が使えます!』って状態にしてきました。
これで明日大工さんが、ユニットバスの開口部と脱衣場の壁を枠で繋いで、完成と言うところになります。全部で4日間でお風呂が新品にマルっと入れ替わるって事になります。

順調順調、早いなあ、って思っていると、こんな工程を鼻で笑っているかのような、突貫工事のお業者がいましたよ。
それは、旧浴室解体の当日にユニットバスを組みててしまうという鬼の様な工程です。
一応、予定では、朝の8時に解体開始、で、10時にユニットバス組み立て工事を予定しているそうです。

2時間で解体かあ。フルユニットだったら行けそうですね。
でも、断熱材とか入れ替えないんでしょうか?
2時間じゃあ絶対に断熱材を入れ替えるなんて無理ですよね。ヘタしたら壊す方も怪しいでもの。

一応、うちは、壁の中に断熱材を入れているんですよね。外壁側だけでも十分って言う業者もいますけど、ユニットバスをぐるっと断熱材で囲ってやらないと、北海道は寒いですからね。断熱効果が現れない事もあるんですよ。
隙間があれば、風が通るし、意外なところで配管が凍ったなんて話は良く聞きます。

昨日のユニットの組み立てやさんの話によると、『絶対に無理、多分明日は仕事にならない』と言っていました。
以前も、こんな風なお願いをされて、結局、着工したのが夕方近くだったとか、「何とか今日中に上げて」って拝み倒されたけど、結局、工事は2日に渡り、ユニットバスの組み立てやさんを待たせると、1時間いくらかのお金が発生しますからね、そのお金も請求されて、結局高く付いたみたいですよ。

配管もあわててやるから、保温も掛けないとか言ってました。
これじゃあ、排水管の繋ぎだって怪しいですよね。

ユニットの組み立てさんは、『行きたくないなあ、もう仕事にならないの分かり切っているもの』っていっていましたが、こういう業者じゃあ、お客さんも可哀想だな、って蛇口屋は思いました。

でも、そう思っている蛇口屋の会社だって、多分、もっと精密で正しい業者さんからは、『酷い工事だ』って言われるかもしれませんね。

ひとまず、数年後の自分に笑われない様にだけはしたいと思っている今日この頃です。


TOTO(樹脂)VSタカラ(鉄)

2007-05-15 19:51:20 | Weblog
最近、お風呂の工事が続いている蛇口屋です。

今回のお風呂の工事も無事にユニットバスも入って、順調に進んでいます。やっぱりTOTOは早いですね、お風呂の組み立てやさん、午後の3時には終わって帰っていきましたもん。
最近タカラのお風呂が続いていたからよけいそう感じるんでしょうね。

いえ、別にタカラのお風呂が、重い、とか、ゴツい、とか、加工が大変とか、コーキングが多すぎって言っている訳じゃあなくて、メーカーそのものの考え方っていうか、システムバスとユニットバスとの違いをまざまざと見せつけられた気持ちです。
本当に、タカラスタンダードのシステムバス見た後じゃあ、TOTOのユニットバスってよく言って華奢、悪く言って貧弱に見えてしまいます。
トラックから降ろされた材料を見ると、『少な!』って感じです。

片方はとことん無駄をなくしたシステマティックして行く中に機能美を持たせ、もう片方は有識美の中に機能性を兼ね備え、たぶん、目的は同じたった一つの点の上だというのにここまで違うものかと驚かされます。

カタログやショールームで普通に表面だけ見ていればそうでもないんでしょうけど、こうして生きた現場で目で見て体感してみると、両社会、見えない所の苦労はなかなかのものかと思います。

ここ10年くらいは主に二つの会社を見ていますが、本当にお風呂の組み立てやさんのやることが増える一方な気がします。

TOTOなんて、ゴミ一つ捨てるのを違反しただけで、全国のTOTO専属組み立て業者を集めて再教育するくらいの徹底的な管理がされています。最近、ただでさえ風当たりが強いですからね。でもそれも大きなメーカーとしての当然の風当たりじゃあないでしょうか。
この程度の向かい風なんて、屁とも思わないでいて欲しいと、思っている蛇口屋なんですよね。
今回の横割りの壁パネルと、保温浴槽、そしてカラリ床とTOTOは売りがいっぱいですよね。

それにタカラも、昔から根強いファンがいますよね。
それと、フリーサイズでお風呂の大きさを自在に変えられるのも強みですよね。一昔前に流行った変形一坪(長い浴室な奴です)にそれなりのクラスで対応できるのはもうタカラしかないです。

蛇口屋は、タカラのあの重たい鉄の塊とも言える浴槽はかなり好きです。
あの質感は、多分、どんな所へ行っても、家のお風呂じゃなきゃ味わえない高級感ですよね。
もちろん、こんな仕事をしているから気がついた事で、基本的には、浴槽はタカラ、洗い場はTOTOのカラリ床で、松下電工のスチームサウナとジェットバスを付けてくれないかなあなんて思っていますよ。

全社いいとこ取りで、よろしくお願いします。

うちの会社では良くある日常。

2007-05-14 19:43:27 | Weblog
別にね、あなたがどうって言う問題じゃないの。

ただね、いっつも電話しても、誰も出ないのよ。
昨日もね、夕方の4時ごろに電話したのに、もう5回よ、5回。
誰も出ないの。ああ、他の工事とかで、きっと忙しいのね、って思って、うちの事なんてどうでも良いのかしらって思うじゃない。それはね、みんながみんな思う訳じゃあ無いんだけど、工事が決まってから私が夕方にお宅の会社に電話を掛けると、決まって留守なのよ。本社よ、本社に電話を掛けても誰も出ないってヘンじゃないかしら? いいえ、あなたがヘンだって言っているんじゃないの、なんて言うか、A山さんもたまに電話を掛けて来るけど、いつも出先で、一方的に用件を言って電話を切ってしまうのよね。私たちの話は伺った時に聞きますって言っていたけど、全然来やしない。それじゃあ用件は言えないし、私たちのお願いが出来ないじゃあないですか。
工事の日程とか渡されたけど、この日にどんな人が何人来るかとか、って教えていただけないと、こっちだって、どんな物をどんな風に用意したらいいか判らないじゃない。お茶の好きな人もいればコーヒーの好きな人だっているのよ。いいえ、そうよ、二つ用意すればいいのよね。そうよ、問題にしているのはそんな事じゃなくて、あなたの会社に全く連絡が取れないって事なのよ。社長さんて、会社にいないの? 偉い人だから、もう下の人間に任せているのかしらね。あなたは下請けの人なの? へー社員さんなの。お仕事お忙しいんでしょう? 社長さんってどんな人? あ、そうよね、普通の人よね、ああ、初めて電話に出てくれたあの元気のいい人がそうなのね。本当に元気がいい声で、こっちの耳がおかしくなりそうだったわよ。大きな声でねえ…、いやね、あれが社長さんなの。ふーん、大変ねえ…。
何を聞いても判らないから、専門の人を寄こすから、しか言わなかったわ。
社長さんてなにも知らないの?
知らないでも社長なのね。
それで来たA山さん・・・ 営業の。あの人も、何を聞いても「大丈夫、出来ます、集金はいつにしますか?」しか聞かなかったわね、本当にちゃんと見ているのかしら?って言うふうにパッパって見てお金の事だけ言って帰って行ったわよ。で不安になっても電話しても出ないで、なにも聞けないまま、今日あなたが工事にいらしたのよ。
本当に判るでしょ、私の気持ち!、あなたの会社で工事をする人ってこういう風に文句を言う人っていないの?
私だけなのかしら?


蛇口屋「とっても沢山いらっしゃいますよ」

3時のコーヒーを頂きながら、蛇口屋の横では堰を切ったように奥さん不満を言い続けていました。

ああ、なんか、久しぶりに普通の反応だなあ…
今日から始まったお風呂の工事です。

設備屋さんのジョーク例

2007-05-13 19:42:01 | Weblog
専門職にしか判らない冗談ってあます。

蛇口屋的に面白かったトラップの話。
A「○○の所の排水問題なかった?」
B「ああ、ないない良く流れていたよ」
A「なんか詰まるとか、臭いが上がるとかって言われてたけど…」
B「大丈夫だよ、トイレなんて、トラップの水が全部無くなるくらい流れていたもん」
A「ダメじゃん、それ…」

さて、今の一連の会話の中で何が面白かったと言うと、Bが「良く流れている」っていう表現は、排水設備上、異常事態を教えてくれる「流れすぎ」と言う物で、本来とどまるべく封水として残る筈のトラップ内の水(トイレの中に溜まっている水です)が、何らかの理由で負圧(吸い込まれる様な圧力)が起こって排水管内部に吸い込まれて行ってしまっています。これは設備的には超問題な排水で、詳しくは、自己・誘導サイフォン現象のいずれかが起こっている、言わば不良設備です。新築なら施工ミス、年数が経っているのなら、何らかの詰まりが考えられて、とても深刻な事態です。その状態を見て、専門職の設備の人間が表現的には確かに「流れている」と言ってしまっているところにおもしろさがあります。

もちろん、おもしろがっているだけではダメで、キチンと治して来ましたよ。この会話は、Aは蛇口屋でBは超ベテランと言われていた、ある現場管理の方の会話で、その当時勤めていた会社の上司さんでしたので、笑いながらも、あのときにはもう辞める事を考えていたのかも知れません。

では、次は無知な経営者と蛇口屋
経営者は、管材屋から来た請求書を眺めながら、
経営者「なあ、この20の銅管エルボって凄い数使うんだな…」
蛇口屋「一軒で4~6っ個以上だから、年間にすれば数千の単位です」
経営者「これ、使わないで配管出来るだろ? もう買うなよ」
蛇口屋「判りました」

次の日から、渡辺パイプでステンレスのモルコ配管の器械と継ぎ手を買い求める蛇口屋でした。

このように、設備屋さんギャグには、『物を知らない』強気で無知なボケと、それにカッとせずに冷静に対応できる突っ込みが必要な様です。


笑う蛇口屋…フッフッフ…

2007-05-12 20:37:11 | Weblog
設備の工事を行っていて、ほんのりと幸せを感じる一時があります。

工事が上手くいった時、お客さんに褒められた時。

いえいえ、そんな事ではありません。
もちろん、それらは嬉しいですけど、そう言うことではなくて、なんか、こう、良く言うじゃあありませんか、「幸福の神様が微笑む時」って奴ですよ。言うなれば、「設備の神様」が微笑んでくれる時って言うのがあるんです。

つまんない事ですけどね。

例えば、シールテープってあるんですが、あの蛇口のネジにグルグル巻くシール材の言わば代表格みたいな物なんですが、これって、巻く回数は、設備屋さんそれぞれで、蛇口屋は3ボンドの奴だと4回、テフロンテープだと3回、って決めているんですが、それが、丁度廻したい回数で綺麗に無くなった時は、思わず「お~おぉ!」って感じです。
いつもは、適度に余ったり、巻き数に満たないで無くなってしまうので、ほどいて新しいのを巻き直したりって手間のかかる事をやっているのが常なんですがね。

ボイラーの交換工事で、配管替えの為に必要だと思われる大体の長さの銅管を家の中に入れて、その銅管が1ミリも余らなかった時も、「なんか俺凄くない?」って感じで、一人悦に浸ってしまいました。

適当に切った既存の管が器具の接続にピッタリだったとか、しかも、一本じゃなくて二本三本がストライクになると、もうこれは何かの意志が働いているとしか考えられなくなってきます。

お風呂の工事なんかで、どうせ、動くし、図面もアテに出来ないからと、適当に出した排水管がドンピシャリの位置だった時とか、さぶイボ出まくりですよね。

でもまあ、冷静に考えてみれば、全ては工事の件数から見れば、確率の問題な訳で、偶然の産物って考えれば、それまでなんですけど、それでも、その時は、どこかの空の上で、沢山仕事をして、しかも、A山や社長に悩まされて、殺伐としている蛇口屋に小さな幸せを、一時の潤いをくれている誰かがいるような気がして、思わず感謝の心を持ってしまいます。

そして、この喜びは、誰でもない、蛇口屋一人にしか判らないってところも寂しいですよね。「凄い凄い! ちょっと見て見て!」って思って喜んでも、そこには蛇口屋しかいないんです。誰かに話しても判らないんです。

しかも、一人で声を上げるわけにも行かず、いい歳した大人がニヤニヤ笑いながら工事をしているって、お客さんから見れば、ヘンな工事屋さんですよね。

それでも、蛇口屋は、喜びに噎びながら、来週も工事をしてゆくんです。