蛇口屋

リフォーム業界のあれこれ

フジツボみたいな人生

2007-05-20 20:06:22 | Weblog
ちょっと前の話。

今回、うちの会社を辞めてしまった方が、言っていた事で、『これだけの規模で仕事をしていてパソコンを使わないのは凄いよね』って言う話をしていました。

うちの会社って本当に事務や営業に限らず、例えば趣味としてもパソコンを使うことを嫌がります。
それは間違いなく社長の考え方で、趣味でパソコンを使いますなんて言った日には、その日から「オタク」のレッテルを貼り付けられます。

最初は、社長のことだから腹黒い意志がそこにはあるのだと思っていました。

ホラ、パソコンで、事務なんてやると記録が残るし、中身を誰かに覗かれでもしたら不味いのでは思っていました。

でも、最近の社長を見ていると、そのような考え方は深読みのしすぎで、実は単純に能力が無いだけって言う見方をしています。
良い言い方をすれば、自分という物をよく知っていて、限界をわきまえていると言う言い方も出来るような気がします。
出来もしないのに、やたらと挑みたがる蛇口屋から見れば、落ち着いた大人な判断なのかもしれません。

現状の蛇口屋に取ってみれば、これ一つの例を挙げて見ても、この会社を辞めてしまえる理由になります。

蛇口屋はもっと仕事をしたい~! と言っても、処理できる仕事量というのが頭打ちなら、蛇口屋はこのままなにも変わらず、同じ内容の仕事をただひたすらに処理して行くだけです。
このままこの会社にいれば、何の資格も、何の知識もいらずに、多分、普通に過ごして行ける事でしょう。

そして、後戻り出来ない年齢になって、この会社以外で生きてゆく術を失うって事です。
会社から見れば安心ですよね。他に行くところがない以上、この会社にしがみついても残りたい訳ですから。
多少雇用条件を下げられても、理不尽に八つ当たりの道具にされても、自分にしがみついている社員が好きみたいですね、社長は。

凄いなあ、フジツボみたいな人生ですよね。
もう、岩か? ってくらい一体化していて荒波に揉まれようと、その岩が砕けようと、張り付き続けるフジツボ。

とても蛇口屋には真似出来ないです。

この先、砕けて沈んでゆく、岩とフジツボを横目で見ながら、外海へ泳ぎだしてゆこうと思います。