庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

深山探索 幻の花を訪ねて ミツマタの怪しい生態に出会う。

2015年08月24日 | 野草を訪ねて
栃木と群馬の県境、標高1000m超級の山の中腹の標高600mから830m位の場所で目指す草木を探索しました。
今回の探索計画は1個の石に始まりました。苔むした石をもらって数年庭に置いたところ、ヒトツバショウマが芽生えてきました。そこでこの苔むした石の採取地とこの石に植えたハコネシダの自生地のどちらかにヒトツバショウマが生えているのかとの疑問が起きた。
そこで、この2か所を探索することにしたものです。
結果は似た葉を見つけるもヒトツバショウマではなさそうであったが、ミツマタの不思議な生態を発見したり、他の草花にも出会えた有意義な深山探索であった。
最初はハコネシダの自生する岩目指して上りました。
15082200081508220008 posted by (C)雑草
山の斜面と直立する木の角度をみると、斜面は45度を越えているようです。土の部分でこの程度で、岩肌を上るときはさらにきつくなりました。
この上の岩場が探している草があるかもしれない場所。そこにはイワタバコ、ダイモンジソウ、ハコネシダ、ソバナなどが見られます。
15082200171508220017 posted by (C)雑草
道はなくおもに鹿の獣道を行きます。
今日は鹿が横切るのが見えました。
この一帯には鹿、猪、猿、熊がいるほかマムシにも注意が必要です。
1508220008ハコネシダ1508220008ハコネシダ posted by (C)雑草
 もらった苔むした岩から、ありえないヒトツバショウマが生えてきたので、岩の採取地とその岩に植えたハコネシダのはえていた岩場の探索です。もしかすると岩に付着していた苔またはハコネシダにヒトツバショウマの種があったのではないかというありえないような想定から今回の深山探索になりました。
約10年前とは違い今年のハコネシダは元気がない。代わってイワタバコが元気であるとのことでした。
1508220019??1508220019?? posted by (C)雑草
これ、もしかしてその葉っぱだろうか。?? でもやっぱり違うようでした。
同じショウマではありそうですが。
探しているのは次の画像の葉です。
ヒトツバショウマ1508020020ヒトツバショウマ1508020020 posted by (C)雑草
これを探しに行ったのですが、やっぱり違いますね。

イワタバコの群生です。花期は過ぎていましたが1輪咲いていました。
1508220031イワタバコ1508220031イワタバコ posted by (C)雑草
1508220023イワタバコ1508220023イワタバコ posted by (C)雑草
ダイモンジソウと思われます。
1508220006ダイモンジソウ1508220006ダイモンジソウ posted by (C)雑草
小さなソバナもはるか高い岩の上に。
1508220026ソバナ1508220026ソバナ posted by (C)雑草
太いマタタビの蔓と大きな実がなっていました。
1508220032マタタビ1508220032マタタビ posted by (C)雑草
1508220033マタタビ1508220033マタタビ posted by (C)雑草
1508220044マタタビ1508220044マタタビ posted by (C)雑草
サルナシの蔓も太いです。杉の木の天辺のほうまで伸びていて、実は見つかりませんでした。
1508220038サルナシ1508220038サルナシ posted by (C)雑草

第二の目的地は谷の石の採取地であるが、砂防工事のために景観が全く変わってしまって、谷にはえていた草がほとんど見られない状況でした。作業用道路跡は背の低い草地となり、メハジキが生えていました。
1508220055メハジキ1508220055メハジキ posted by (C)雑草
草丈2m以上かと思われるメハジキと荒廃地にいち早く生えるクサギでむせるようです。
1508220057メハジキ1508220057メハジキ posted by (C)雑草
オオバアサガラも工事で荒廃した地に真っ先にはえても、鹿が食べないようである。クサギとともに勢いがあります。
1508220067オオバアサガラ1508220067オオバアサガラ posted by (C)雑草
ヤブタバコも他の草丈が低いので元気です。
1508220122ヤブタバコ1508220122ヤブタバコ posted by (C)雑草
スズメバチが小さな花のまわりを飛び回って蜜を集めているようです。
1508220119ヒナノウスツボ1508220119ヒナノウスツボ posted by (C)雑草
草は一株だけで、花も小さく少ないのにスズメバチが2匹もいます。
蜂が恐くてボケボケです。スズメバチはこの花の蜜がとっても好きなのですね。
1508220111ヒナノウスツボ1508220111ヒナノウスツボ posted by (C)雑草
ようやく1枚花を撮りました。ヒナノウスツボとわかりました。スズメバチが威嚇に来ましたが飛び去りました。
1508220118ヒナノウスツボ1508220118ヒナノウスツボ posted by (C)雑草
センニンソウ、ボタンヅル、コボタンヅルが割りに近いところで咲いていました。
1508220124センニンソウ1508220124センニンソウ posted by (C)雑草
1508220129ボタンヅル1508220129ボタンヅル posted by (C)雑草
1508220131コボタンヅル1508220131コボタンヅル posted by (C)雑草
一面のミツマタです。昔は近くに小屋があったようで、ミツマタを栽培していたのでしょう。
1508220074ミツマタ畑か1508220074ミツマタ畑か posted by (C)雑草
1508220073ミツマタ1508220073ミツマタ posted by (C)雑草
杉林に入ったところで不思議なミツマタを発見しました。
1508220104ミツマタの怪1508220104ミツマタの怪 posted by (C)雑草
枝の先に小枝がたくさんついています。この枝の先は通常花が咲くのにこの木は小枝がいっぱいです。
1508220082ミツマタの怪1508220082ミツマタの怪 posted by (C)雑草
花の数に匹敵するほどの小枝です。
1508220078ミツマタの怪1508220078ミツマタの怪 posted by (C)雑草
まるですべての蕾が枝に変わってしまったように思われます。桜では雌しべが葉のようになるものがありますが、花が散るとき一緒に散ってしまうでしょう。
このミツマタは小枝になって花の時期を過ぎたのに枝に着いています。無性芽なら枝から離れて生きるのですが、このミツマタの小枝は枝から切り離すと枯れてしまいそうです。
1508220080ミツマタの怪1508220080ミツマタの怪 posted by (C)雑草
枝の途中からも小枝を出しています。枝を途中で切った場合は切り口の近くから枝を出すことはあっても通常はこのような枝は出ないはずです。
1508220088ミツマタの怪1508220088ミツマタの怪 posted by (C)雑草
なぜこのような現象が現れたのか不思議の限りです。
途中で出会ったトンボとクズの花です。
1508220154トンボ1508220154トンボ posted by (C)雑草
1508220155クズ1508220155クズ posted by (C)雑草
実家に立ち寄り見せてもらったクモノスシダです。猛暑のなかでも頑張っていました。
1508220177クモノスシダ1508220177クモノスシダ posted by (C)雑草
今回の探索はあり得ないであろう草を探しに行き、空振りに終わったが、興味深いミツマタの生態と珍しい山草との出会いがあって楽しい1日になりました。

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4 コメント

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ヒトツバショウマ (とんちゃん)
2015-08-25 08:47:09
ヒトツバショウマの実態は残念でしたね
すごくいい花を咲かせることを知りました。
箱根湿性花園にならあるそうなので一度は見てみたいです!
調べるためにわざわざ深山幽谷まで!意欲の強さを尊敬します
オオバアサガラというのもあったなんて初めてです
ヒナノウスツボは憧れ♪
ミツマタのこのような状態はほかの木でも見ました。確かイヌザクラがこんな風になっていたのを見たような気がします。
ヤドリギがくっついたようにも見えてきました。
返信する
お連れさんは? (とみー)
2015-08-25 11:22:39
急峻な山へ花の探索は、
しっかり勇姿を写されて!
さて、御同行されて写真を撮られた方は
何方ですか?
奥様だとしたら、羨ましい限りです。
返信する
とんちゃんへ (雑草)
2015-08-25 23:04:28
こんばんは
地域限定の草はやはりこちらの山にはありませんでしたね。どこからか種が庭に来る機会があったのでしょうね。小さな花ですが私も好きな花です。この鉢に残ってくれると良いのですが。
疑問が生じるとどこまでも飛んで行きたくなりますね。谷川岳の天神平まで日帰りで行ってきたこともあります。でも今回はひとりでは行く勇気がなかったですね。猪、熊、、鹿、猿もいると言われておまけにヘビも怖いです。
こちらの山ではオオバアサガラをよく見かけます。アサガラは見ないですね。
ヒナノウスツボはスズメバチがいなければ見落とすところでした。一株しかありませんでした。私は初見です。オオヒナノウスツボが水戸市内にあって見ていたのでわかりました。
ミツマタがたくさんありました。黄色い花が咲いたらみごとだと思いました。花の時期に来てみたいです。
ミツマタの様子を見てびっくりしました。もしかするとテングス病かもしれませんね。桜の木ではヤドリギがあるのかと思われるようなのを見かけることがあります。私はイヌザクラではまだ見たことがありません。
返信する
とみーさんへ (雑草)
2015-08-25 23:13:33
こんばんは
とにかくここ県境一帯は急峻でした。残念ながらこのような山へはついてきてくれません。公園協会主催の植物観察会などでは同行しますが。
一緒に行ったのは弟でして、このあたりの山は谷から尾根まで歩きつくしているそうです。
前日は畑の作物を盗った猿を追いかけて、これほど急ではないですが、標高差で200mくらい追い回したと言っておりました。
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