庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

徳川ミュウジアム松の後継樹つくり余談 ダイオウショウ テーダマツ モミの発芽

2020年09月25日 | たのしい自然観察

2018年11月播種 2019年2月発芽 テーダマツの2020年9月現在の姿

拡大して見てみると、葉が3本束生しているのがわかりました。これはテーダマツに違いないと確信しました。

 さて、
 2018年のことです。樹木医の方から徳川ミュウジアムの松の後継樹を作る話があるというので、どうしたものかとお話しがありました。
 後継樹なら、接木か実生苗を作ることになる。そこで接木と実生苗つくりの知恵をもった私が盆栽の師匠と仰ぐ盆栽屋さんを紹介しました。
 前年、2017年にミュウジアムの展示物を見学した時に、回廊でこの松の木の説明を見ていました。
 「ミュージアムの新館と本館をつなぐ回廊前の中庭の中央にある「松」は、第13代当主國順(くにゆき)の弟でサンフランシスコ条約調印の全権委員であった徳川宗敬(むねたか)によって記念に持ちかえられたもので、静かに年輪を刻んでいます。」とあり落ち葉を見てダイオウショウであると確認していました。
ところが、いざ後継樹をとなり、あらためて樹種を確認すると、ダイオウショウとテーダマツの2種が1本ずつあることがわかりました。

左奥の回廊側がダイオウショウで、右手前がテーダマツです。 人影からもいかに大きな松の木であるか想像できます。推定樹齢は約70年。テーダマツは特に成長が早く、またマツノザイセンチュウにも強いということで日本でも研究されています。
 テーダマツの種の採取時期を検討するためにネット情報を見たら「受精した雌花は翌年の春に球果を熟す。球果は乾燥によって開閉を繰り返し種子を散布する。」と春に熟すとありました。日本の松が秋に熟すのとは違うのかと迷いました。そこで森林研究所にメールで問い合わせたところ、「米国の文献情報では、テーダマツの種子は10月中旬頃から11月に散布される。種子採取の時期は、球果が開き始めた頃に採取する。日本のアカマツやクロマツでもほぼ同様の時期に種子が散布される。研究所では、10月以降に種子を採取する。」との回答をいただきました。
 急いでミュウジアムと日程を調整してもらったところ11月21日と決まりました。ミュウジアムの中庭に入るとダイオウショウは盛んに種を散布していて、風に乗ってひらひらと落ちてきている最中でした。

ダイオウショウの種。中央は落ちてから日にちが経過したと思われる。
 しかし、テーダマツは散布時期が過ぎたのか、やや古びたマツカサが落ちているだけでした。何度も来ることは難しいので、その場で落ちているマツカサから種を取り出し、また落ちた種を探してみました。

テーダマツの種探し。

芝生や茂みを丹念に探して見つけたテーダマツと思われる種

 これらの種を早速鉢に蒔いたところ、ダイオウショウはほぼ1週間で発芽しました。


発芽したダイオウショウ。
 ところがテーダマツは全く芽が出てきませんでした。じつはダイオウショウも種を採取した翌日に蒔いた種は発芽したのですが、数日後に蒔いた種は発芽しませんでした。
12月7日にはテーダマツの種を再度さがしましたがすでに時期を失していたため、発芽有望な種は見つかりませんでした。そのあとで後継樹の苗木を植える候補地を検討するために、一般人は入ることができないミュウジアムの森に入りました。


テーダマツの種探し。

森に入り後継樹植栽場所検討。下は偕楽園の窈窕梅林と月池、四季の原。
ダイオウショウの実生苗は順調に成長していましたが、テーダマツの今シーズンの発芽はないかもしれないので、来シーズンに種を採取することにしました。

ところが、ダイオウショウとは雰囲気が微妙に違う発芽が1月と2月になってからありました。画像はそれぞれ発芽後ほぼ1か月のものを並べて比較しやすくしました。

ダイオウショウの実生苗 背が低い。初生葉が小さくほとんど見えない。

2月に発芽。    背が高い。初生葉がよく見える。・・・このあと葉の先端の2裂でモミと判明。残念。


3月に発芽     背が高いが、初生葉が小さくほとんど見えないところはダイオウショウ似。
もしかしてテーダマツかもと期待がかかったが、5月になったらアカマツのような感じになってしまった。

5月 残念全く別物か。
テーダマツが失敗したので、再チャレンジすることになりました。

 そこでテーダマツのマツカサの採取時期について、後継樹を請け負った樹木医とミュウジアムで都合の良い日を決めていただいたのですが、互いに忙しくて都合がなかなか合わずに8月末に決まりました。ちょっと早すぎると思ったのですが、大丈夫だろう、ダメなら改めてもう一回採取しようということになりました。

2019年8月 テーダマツのマツカサ採取
採取したマツカサを乾燥して種を採ろうとしたのですが失敗でした。やはり早すぎたようです。そこで再度マツカサ採取を試みたのですが、日程打ち合わせに手間取ったり、決めた日が雨降りだったりして困ってしまい、ついには実生苗をやめて苗木を購入すうよう申し出ることになってしまいました。
ダイオウショウは発芽後の成長が遅く、茎は発芽時から数年はほとんど伸びないので、実生苗を植栽するまで数年かかること。また植替えを嫌うので、苗を購入したほうが確実であることから提案したもののようです。

せっかく後継樹つくりということで意気込んでやってきたことがすべて無駄になってしまいました。盆栽の師匠にこのことを連絡して浮かない気持ちになったわけです。


そこでふと3月に発芽した実生苗を見ていたら、今年出た葉が何と3本束生しているではないか。もしかしてこれはテーダマツ?
 
 テーダマツの実生苗はダイオウショウの実生苗に風情がよく似ているのではとの間違った先入観があって、これはテーダマツの可能性は全くないと勘違いしていました。今更ながらネットでテーダマツの実生苗を探してみたら、ダイオウショウとは全く姿が違って、3月発芽苗の現状の姿によく似ていました。

更に2年前の写真を眺めていてびっくりしました。ダイオウショウもテーダマツも葉が3本束生しているのですが、
ミュウジアムの落ち葉の中にはかなりの頻度で4本束生が混じっていました。

4本束生の落ち葉
 ダイオウショウとテーダマツには4本束生の葉はよくあることなのか。それとも滅多にないことなのか。
もし後者だとしたらミュウジアムのダイオウショウとテーダマツはかなり珍しい木であう。それを普通のダイオウショウとテーダマツの苗を購入して後継樹としてしまうことは誠に残念なことである。
今さら苗木を購入しないでとも言いにくいことだろうがいかがなものだろうか。


 
 




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネナシカズラには相性がある

2019年09月12日 | たのしい自然観察

今年も庭にネナシカズラが繁茂してきました。ミカエリソウに寄生したネナシカズラ。
 アメリカネナシカズラ
ネナシカズラと言えば野でよく見かけるのは上のアメリカネナシカズラです。
でも今回は庭のネナシカズラ 在来種です。

ネナシカズラと言っても最初は地中から発芽するので、根があるのかもしれません。根の有無は確認していません。
他の植物に絡みつくとまもなく地表に近い部分が枯れます。退路を断ち切って他の植物に絡みついて活路を見いだしているようです。
 絡みつかれた植物・宿主と維管束をつなぎ、水分や栄養を吸い取るようです。この時に宿主の健康状態の情報なども入手しているということです。枯れそうな宿主や病気の宿主からは吸収したくないでしょう。

宿主から十分栄養を吸収したネナシカズラは花を咲かせます。

そして実をつけます。

冬になると枯れて種が地上に落ちて春を待ちます。

 庭でネナシカズラが寄生した植物・宿主を思い出してみると。
ミョウガ、サカキ、ヤブムラサキ、マンリョウ、センリョウ、ミヤマガマズミ、ヤマコウバシ、サクラ、チャ、ミツバベンケイソウ、キキョウソウ、エゴノキ、ミカエリソウ、オニシバリ、ナニワズ、セキヤノアキチョウジ、イチョウ、ニンジンボク、ヤブソテツ、ゼンマイ、ドクダミ、マツムシソウ、ミツバ、オオハンゲ、オウゴンオニユリ、ムカゴイラクサなど手当たり次第に絡みつきました。
 
 でも、やはりネナシカズラにも好き嫌いがあるようです。
 ネナシカズラが元気に繁茂したのは、ミヤマガマズミ、サカキなどがあるゾーンです。上のネナシカズラの花や実の写真はサカキやミヤマガマズミが宿主です。

 ところがニンジンボクに絡みついたネナシカズラは最初は勢いよく絡みついたのですが、やがて枯れてしまいました。ネナシカズラにとってはニンジンボクは有毒と言うことで最も相性が悪いようです。このゾーンではニンジンボクとイチョウ、セキヤノアキチョウジに絡みついたのですが、いずれもネナシカズラにとっては相性が悪いようで、花を咲かせず実もならずに枯れてしまいました。以後このゾーンではネナシカズラが発生していません。

 オニシバリ
 一方、宿主側からみた相性というか耐性の違いもあるようです。これはネナシカズラがまだ絡みつかない、春先のオニシバリです。花がたくさん咲いてとても元気な雄株でした。

 その年の秋の様子です。オニシバリは秋には新芽を出すのですが、ネナシカズラに絡まれて新芽が出ていません。葉が見えるのはサカキなどです。
 ついにオニシバリは春になっても葉が無くて枯れてしまいました。夏坊主と言われるオニシバリやナニワズにとってはネナシカズラの寄生は致命傷となりました。ネナシカズラにとっては問題なかったようですが。

 ネナシカズラに寄生されると、寄生された宿主の枝が弱ったり、その枝が枯れてしまうなどダメージの大きさは種類によって違いがあります。先のニンジンボクやイチョウでは全くダメージが確認されませんでしたが、ほとんどの草木はダメージを受けます。このためネナシカズラは厄介者として歓迎されません。

このような厄介者のネナシカズラでも、昨年は影を潜めて、小さな株が一株だけでした。何が原因なのかはわかりませんが、発芽時期の天候が大きな原因だったかもしれません。それでも今年は元気に伸びてきたのは、地に落ちた種は翌年発芽する種のほか、数年にわたって芽をだす種があるからと思われます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万葉集の植物について 巻14 3451の「さなつら」についての考察 追記する

2019年09月04日 | たのしい自然観察
 エビヅル
 昨年の特別講座「楽しい自然観察」では万葉集の植物についての授業がありました。その時に万葉集全4516首について、万葉仮名とその読みのデータベース(ワード)を作り、全首を読んでみました。目的は万葉集にどのような植物が詠まれているかを確認して見たかったからです。
 その結果、おおよそ170種類の植物が詠まれていることがわかりました。これをネット上で解説されているものと照らし合わせてみたりして、より正しい方向に修正を試みました。
植物で一番多いのはハギで143首見つかりました。二番目はウメの121首でした。
そのほかの植物としてはサクラ、マツ、タチバナ、スゲ、ススキなど、また名前はわからないが、クサ、キ、モミジなどがたく詠まれていました。それから、今ではどの植物をさしていのかわからないものもありました。いずれにしても万葉集は植物の宝庫であることがわかってきました。キノコのマツタケもありました。リョウブもあっておかしくないと思いましたが、確信に至るものは見つかりませんでした。
 エビヅル
 調べてゆくうちに、もしやこれも植物かもしれないと思うものに出会いました。
たとえば万葉集 巻14 3451
 左奈都良能 乎可尓安波麻伎 可奈之伎我 古麻波多具等毛 和波素登毛波自
 さなつらの  をかにあはまき  かなしきが  こまはたぐとも  わはそともはじ

 さなつらの丘に粟を蒔いて、いとしいお方の馬がそれを食べても追い払ったりはしません。というのが、おおよその意味と思います。
 ここに詠まれている植物はひとつは粟です。これはまず間違いないことだと思いますが、気になったのは、歌の冒頭にある「さなつら」でした。何となく植物ではないかなと思われたのですが、ネット解説では常陸説など種々あるが不明とのことでした。また「さなつら=さかつら・酒列」との一説があることがわかりました。さなつら=さかつらとして解釈すると、
 「酒列」は「ヤンサマチ競馬」のゴールの地名であることから、この地では馬を非常に大切にしていましたので、せっかく蒔いた粟を馬が、それもいとしい人の馬が食べたとしても追い払ったりはしないということです。なるほどと思いました。
 酒列磯前神社御由緒記碑
 そこで、ヤンサマチ競馬について調べてみました。ヤンサマチ競馬は東海村の村松大神宮の浜から磯崎の酒列磯前神社までの約9kmの浜辺で競う酒列磯前神社の神事です。
 酒列磯前神社の創建については上の石碑にもありますが、ネットの説明は下記のとおりです。
『文徳実録』によると、文徳天皇の斉衡3年(856年)12月29日に常陸国鹿島郡大洗磯前に御祭神大己貴命・少彦名命が御降臨になり、塩焼き(塩を精製する者)の一人に神がかりして、「我は大奈母知、少比古奈命なり。昔此の国を造り訖へて、去りて東海に往きけり。今民を済わんが為、亦帰り来たれり」と託宣され、当社「酒列磯前神社」が創建され、・・・とあります。
 一方、万葉集は延暦2年(783年)頃に大伴家持の手により完成したとされている。と説明されています。酒列磯前神社の創建のほうが後であり、ヤンサマチ競馬も万葉集より後の可能性があるのではないかと思いました。
 ヤマブドウ
 酒列磯前神社がまだ創建されていなくても、酒列の地名はすでにあったかも知れません。また浜競馬もすでにあったものを、神社創建後は神事として行われるようになった可能性も考えられます。また浜競馬が無かったとしても、以前から馬を大切にしていたことは間違いないとことと思います。
 でも、さなつら=さかつらとして、さらに神事が始まる以前にもヤンサマチ競馬に等しいものがあったとするよりも、もっと単純にさなつらはそのままさなつらとして歌われていないだろうかと考えてみました。
 さなづら という老舗の銘菓があることがわかりました。さなづら とは、山野に多く自生するぶどうの一種の方言であると説明されています。
 また、さなつら は福島県ではエビヅルのことであることがわかりました。
 現在でもエビヅルはヤマブドウとも言われることもあり、巨峰のような黒っぽい色に熟すごく小さいブドウの実がなり食べられます。また、ヤマブドウはエビヅルよりもかなり大型の葉、茎ですが、その特徴はエビヅルを単に大型にしたと言ってよいほどよく似ています。逆に大きさ以外は違いを説明できないと言えるほど両者はよく似ています。
 このことから、さなつら=エビヅル(ヤマブドウを含む)として、万葉集3451に当てはめることが可能ではないかと考えました。もちろん当時は馬がとても大切であったことは変りありません。
さなつら=エビヅルとすると、
 エビヅルの(生えている)丘を(苦労して開墾して)粟を蒔いて、その粟をいとしい人の馬が食べたとしても追い払うことはしません。むしろ食べてくれるのを待っているとの意味合いが感じられます。なんとロマンチックな歌ではありませんか。
 万葉集については 高校生の時に、あおによしならのみやこは・・・くらいしか覚えのない雑草がにわかに万葉集を調べたことですから、笑い種にしかならないことと思っています。


追記 さなづら さなつら(やまぶどう)のネット上の記事例
1 泉北市の観光情報 物産:角館エリアに
さなづら
さなづらは秋田の方言で山野に自生する山ぶどうのことを言い、山ぶどうの風味が特徴の、さっぱりとした味わいになっています。

2 食べるワイン!? 秋田の人気和菓子「さなづら」の魅力やアレンジ食べ方など秋田県で栽培されているヤマブドウを使用した和菓子「さなづら」。甘酸っぱさとゼリー状の食感が特徴的な、秋田を代表するお土産です。この記事では、菓子舗榮太楼(かしほ えいたろう)が作る「さなづら」の味わいやオススメの食べ方、またさなづら作りの様子をご紹介しています。 2020年11月18日 更新
3 菓子舗 榮太郎の商品鶴の湯さなづら(12枚入)には
 ”さなづら”とは、山野に多く自生するぶどうの一種の方言です。
木々も色づき秋も深まるとかわいらしい黒色の実をたわわにつけた、さなづらの房々が、赤褐色の葉の問々から顔をのぞかせます。
このさなづらを研究に研究を重ねて濃縮ジュースにし、甘みの加減、日持ちのことなどを考慮の上、この道何十年という老舗の菓匠の熟練した勘と冴えで、天然の寒天と共にねっとりとゼリー状に固めて作り上げました。
甘酸っぱく濃厚で、ワインのような深い味わいです。風味豊かな山の幸そのものの滋養菓と申せましょう。
さなづらは天然の酸の効果で常温でおよそ40日持ちます。体にやさしく、長持ちするのでお土産にも喜ばれます。
 山葡萄はその昔から、貧血と疲労回復に良いとされ、健康増進の為に長い間人々に愛され、食されてきた貴重な自然からの贈り物です。
眼の炎症の緩和や動脈硬化の予防で知られるアントシアニンの他、ポリフェノールを多く含むことでも、その硬化が注目されています。
このポリフェノールは、現代の生活習慣病の原因となる有害物質(活性酵素)の働きを抑えることに役立っています。
 県内の山奥に実る野趣あふれる芳醇な山ぶどうそのままの味と香りをぜひご賞味ください。
原材料名
砂糖(国内製造)、ミックスジャム(水飴、砂糖、杏、みかん)、山葡萄液、寒天/葡萄果皮色素、酸味料、ゲル化剤(ペクチン)、香料

4 尾花沢市のふるさと納税返礼品
尾花沢産完熟山ぶどう原液果汁(さなつら・500ml×2本)
山形県尾花沢市 さとふるアプリdeワンストップ申請対象
寒暖差のある尾花沢市で栽培された、糖度20度以上の山ぶどう原液果汁です。酸味が強く力強い味です。
寄付金額10,000円 お礼品発送予定時期お申込みから1週間程度 (お届け時間帯指定可)

5 宮城県植物誌 宮城県の植物方言索引 に
さなづらぶどう(・・・ブダウ) <エ ビヅル> 
さなづらぶどう(・・・ブダウ) <サ ンカクヅル> 

6 創業1911年中川木材産業株式会社 木の情報発信基地 木の呼び方、方言
さなずら 【山形(西置賜・東田川)】サンカクヅル (ブドウ科)
さなずら 【山形(米沢市)】ブドウ (ブドウ科)
さなずら 【秋田(北秋田・南秋田・平鹿・鹿角)】サンカクヅル (ブドウ科)
さなずら 【福島(会津)】ヤマブドウ (ブドウ科)
さなずらぶんど 【岩手(二戸)】サンカクヅル (ブドウ科)
さなずらぶんど 【山形(東田川)】サンカクヅル (ブドウ科)
さなずらぶんど 【秋田(北秋田)】サンカクヅル (ブドウ科)

7 福島県植物誌 -393/483page 植物名方言
エビヅル 会津地方 エビ、サナツラ 中通り地方  サナヅラブドウ、サナズル、スナズル  



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テーダマツの球果採取 記念樹大王松とテーダマツの後継樹つくり

2019年08月23日 | たのしい自然観察

 左側の大木がダイオウショウ。右側がテーダマツです。樹齢は約70年。日本の松より成長が早く高木になります。
 この2本の松の木は昭和26年のサンフランシスコ平和条約調印式に参加された、全権委員の一人であった水戸徳川家第12代当主・徳川篤敬の次男・徳川 宗敬氏が記念に持ち帰られたものです。
 徳川ミュージアムのブログ参照 https://ameblo.jp/tokugawamuseum/entry-11539678677.html


かなり長い梯子なのですが、テーダマツの下のほうの枝にやっと届きました。左側のダイオウショウはさらに高いために球果を採取するのは無理でした。


採取したテーダマツの球果です。ちょっと若すぎでしょうかね。
森林総合研究所にテーダマツの球果の熟す時期を問い合わせたところ、
・テーダマツの採取適期(松かさを採取して種子を取り出す時期)
 米国の文献情報をみますと、テーダマツの種子は10月中旬頃から11月に散布さ
れるとのことです(地域によって異なります)。種子採取の時期は、球果が開き
始めた頃に採取するとのことです。
ということでした。
このことをもとに、マツなど種々の種蒔き経験の豊かな方に採取時期を検討いただいたところ、8月末くらいがよいとのことでしたので、この採取となったわけです。


松の落ち葉を拾っていたら、驚きました。4本が束生したものがありました。ダイオウショウとテーダマツは3本束生のはずです。そこで、もうちょっと落ち葉を拾って確かめました。

けっこう4本束生が見つかりました。
A4用紙の上に並べました。用紙は長辺が約300mmです。
長い葉は約300mmあります。これはダイオウショウでしょう。
短い葉は約200mmです。これはテーダマツでしょう。
それから中間の長さ約250mmもありました。直感はテーダマツと思いました。
ということは、ダイオウショウもテーダマツも基本は3本束生ですが、どちらも例外的に4本束生があるということですね。新発見です。

テーダマツの葉を切断してみました。3本合わせると円形になります。1本では扇形で角度は120度です。
アカマツやクロマツも2本を合わせると円形になるそうです。ということは1本では断面が半円形・180度ですね。五葉松ではきっと72度です。

テーダマツの葉の表面はざらついています。先にダイオウショウの苗の葉を見ましたらトゲ状の突起が並んでいました。どちらも葉(尋常葉)には鋸歯があるということでしょう。

22日に採取したテーダマツの球果は天日乾燥して開いたら種子を採取して専門家の盆栽屋さんに蒔いていただく予定です。

採取した球果が若すぎるようにも思えたので、ネットで球果の熟す時期を調べましたら、
Wikipediaには春と説明されていました(下の引用文)。前述の秋とは違うのが気になります。仮に春なら、球果はまだ未熟で、種を蒔いても発芽しないのではないでしょうか。ちょっと不安になりました。

Wikipediaのテーダマツの項から
蕾の形成は6月中旬から7月上旬に行われる。雄花は7月下旬につぼみの中に、雌花は8月に形成されるが、秋に芽の根元に雄花が、少し遅れて芽の頂点に雌花が作られるまで区別できない。雄花雌花ともに翌年の春まで休眠状態で過ごす。花粉を飛ばすピークは2月1日以後の積算温度350℃、日平均気温13℃を超えたときであり、地域により違いがあるが2月中旬から4月中旬である。開花はその地域の緯度にも関係しており、低緯度の地域では高緯度の地域よりも早い。1本の木で見た場合には雄花は雌花よりも早く成熟する傾向があり、これは自家受粉を防ぐためと見られる。受精した雌花は翌年の春に球果を熟す。球果は乾燥によって開閉を繰り返し種子を散布する。


ダイオウショウについては準備した梯子では枝まで到達できないので、球果の採取は断念しました。その代わり、昨年11月にこの庭で拾った種を発芽させたものが1鉢に4本ありますので、これを後継樹にすることとしました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒメオニヤブソテツ自生地か

2018年12月21日 | たのしい自然観察

ヒメオニヤブソテツは北海道まで分布しているというのに、茨城では聞いたことがないと不思議に思っていたところ、たまたま海岸に行くことになり、護岸の石垣周辺の植物を見ていたら、ヒメオニヤブソテツ似の小型の株が石垣に着生しているのを発見しました。


満潮時には潮しぶきが降りかかるような場所で、オニヤブソテツは通常は自生していない場所です。逆にこのような場所にはヒメオニヤブソテツがあるようです。


葉を取ろうとして引っ張ったら簡単に株が石垣からはがれてしまいました。しまったとみると石垣のくぼみに着生していただけで、根がほとんどありません。
葉の裏には胞子が見えます。もしオニヤブソテツならば、こんなに小さい葉に胞子ができることはまずありません。


根がほとんどないことと、潮をかぶってしまうことから、小さい株が枯れていました。株の全幅は10cmにも満たないものです。


こんなに小さい株でも胞子がいっぱいついていました。これはもうヒメオニヤブソテツであることが濃厚です。


持ち帰った生の葉です。

葉の裏側には胞子がたくさんついています。


これは庭のオニヤブソテツです。



オニヤブソテツの葉ははるかに大きいです。またヒメオニヤブソテツの葉のほうが、より潮風の影響を受けるために葉が厚いです。胞子の違いについてはさらに詳しく調べないとわかりませんが、今日であったのはヒメオニヤブソテツにほぼ間違いないと思いました。

これまで楽しい自然観察の授業ではオニヤブソテツと類似のシダには何回もふれてきたのに、ヒメオニヤブソテツについては一度も聞いたことがありませんでした。もしかして、茨城ではいまだ発見されていないのかと先生にお聞きしたところ、最近になってから、茨城の北部で確認されたとのことでした。ヒメオニヤブソテツの存在はご存知であったがどうやら茨城は長い間空白地帯になっていたようでした。早速詳しい場所をお知らせして確認していただくことになりました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナツメヤシの発芽苗とマツバゼリ、ハキダメギク

2018年12月13日 | たのしい自然観察

ナツメヤシの発芽苗2鉢。
左は2017年6月5日に蒔いて6月27日~7月4日に発芽を確認。7個中5個発芽。22日~29日で発芽。
右は2018年4月22日に蒔いて7月8日に発芽を確認したものです。1個中1個発芽。47日で発芽。
いずれもデーツという乾燥したナツメヤシの実の果肉を食べた後の種を蒔きました。

デーツ 乾燥したナツメヤシの実 
果肉は干し柿によく似た味がします。

ナツメヤシの種 デーツの果肉を食べたあとのものです。

さて、発芽日数が2017年は22日から29日ですが、2018年はおよそ2倍の47日でした。
これの主な原因は2017年はイスラエルで入手したものをすぐに蒔いたのと、2018年は日本国内またはアメリカで販売されていたもので乾燥が進んでいたためと考えられます。


2017年のナツメヤシの発芽苗は5本発芽に成功し、4本は知り合いの教会などにさしあげましたので、手元には1本だけです。その鉢にマツバゼリが発芽しました。これは今年5月ころからマツバゼリの鉢をナツメヤシの近くに置いたのでこぼれ種が発芽したようです。
 マツバゼリに花が咲いているときの葉より、冬季の葉はやや幅が広いようです。

マツバゼリの花 2018年5月


一方2018年今年発芽したナツメヤシの鉢にはハキダメギクが咲きました。鉢土の中にハキダメギクの種が混じっていたと思われます。
ハキダメギクとは何と哀れな名前でしょうか。
掃き溜めに鶴 といいますが、ハキダメギクの白い花弁は丹頂鶴が舞っているときの羽根にも見えますね。これからはハキダメギクをツルマイグサともいうことにしたいですね。
ツルマイグサ ツルマイグサ  いい名前です。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイオウマツ発芽苗のその後

2018年12月13日 | たのしい自然観察

11月30日に発芽を確認したダイオウマツの今日13日、およそ2週間後の姿です。寒い時ですが順調に育っています。

後続の発芽苗も出てきています。

翼をつけた種からも発芽しました。

浅く埋めた種も発芽してきました。

このダイオウマツは徳川ミュージアムの中庭の大木からさかんに落ちてくる種を拾って蒔いたものです。それを後継樹を作るために試験的に蒔いてみたものです。
後継樹の苗は次のシーズン(来年秋)に実が熟した健全なマツカサを木から採取して、そのマツカサから種を取り出して発芽させることにしています。

テーダマツについても同様にマツカサを木から採って種を取り出して蒔くことになります。


後継樹の苗を植えるのによい場所を7日に森を見てまわり、この場所が候補地に選ばれました。森の中ですが、南側が開けています。平地の先端部分が風もよく通るのでよさそうでした。


カラスザンショウ

ウラジロ
近くにはこのあたりではほぼ北限の比較的珍しいカラスザンショウとウラジロがありました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイオウマツの発芽

2018年12月04日 | たのしい自然観察

これはダイオウマツが発芽して3日目の様子です。

 徳川ミュージアムのダイオウマツとテーダマツの種を拾ったのが11月21日です。この時にダイオウマツとテーダマツの特徴を調べたことをブログに乗せました。
 このダイオウマツとテーダマツとはサンフランシスコ条約調印の時に記念に持ち帰ったもので、後継樹の育成が望まれています。

 そして翌日22日それぞれの種を蒔きましたが、なお23日にも蒔き足しました。
 それは22日には蒔いた種に土をかけて見えなくなるようにしましたが、23日は土の上に種をおいただけにしたかったためです。


その結果23日に土の上に置いたものが、7日目の11月30日に発芽しているのを確認しました。この写真からは前日の29日(蒔いてから6日目)にはすでに発芽していたものと思われます。

こんなに早く発芽したわけは、
毎朝朝日を当てていたこと、
夕日にもあてて鉢が冷えないようにし、
夜は廊下に置いたことなど、光と温度と湿度に気配りしていたことが功を奏したものと思われます。ところが発芽したのは1本だけです。


残しておいたダイオウマツの種を割ってみると、殻の中に米粒くらいの粒があります。この状態なら発芽するのですが、

このように粒の入っていない殻だけのものがかなり含まれていることがわかりました。
これでは発芽しません。


そこで12月3日にさらにちゃんと粒が入っているダイオウマツの種を蒔き足しました。


天気予報では今週は気温が低くなるので、鉢をガラスの板で蓋をして、保温と保湿対策をしました。果たして何日で発芽するでしょうか。


最後は本日12月4日現在の発芽一号の生育状況です。
課題はこの発芽苗が病気にならないで幼苗時期を無事に過ごすことです。
もう一つの課題はテーダマツの健全な種を探して蒔くことです。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダイオウショウとテーダマツの比較

2018年11月22日 | たのしい自然観察

徳川ミュージアムの中庭のダイオウショウ。昨年12月にネットの友をご案内した時にミュージアムの回廊から見えたダイオウショウです。

 その時落ち葉を見た雑草は、これはダイオウショウであると確信したのです。ところがテーダマツであるとの情報もありまして、どうやらダイオウショウとテーダマツ各1本で、計2本の松の木があることがわかりました。

この度反対側から見ることができました。確かに似た松の木が2本ありました。
そして2本の松の木は手前がテーダマツで向こう側(回廊の中から見えた松)はダイオウショウであることがわかりました。

ミュージアム内の案内には 
「ミュージアムの新館と本館をつなぐ回廊前の中庭の中央にある「松」は、第13代当主國順(くにゆき)の弟でサンフランシスコ条約調印の全権委員であった徳川宗敬(むねたか)によって記念に持ちかえられたもので、静かに年輪を刻んでいます。」とありました。
サンフランシスコ条約は1951年(昭和26年)米国サンフランシスコで署名されていますから、樹齢は67年超ということになります。
テーダマツは成長が速いということで、おそらくほぼ同じ樹齢と思いますが、手前のテーダマツのほうが大木です。

そこでテーダマツとダイオウショウの違いを観察してみました。

テーダマツの葉

ダイオウショウの葉
ダイオウショウの葉は長く、テーダマツの葉はダイオウショウの葉の3分の2くらいの長さです。それでもアカマツ、クロマツの葉より長いです。


落ち葉で比較しましたら、テーダマツの長さは20cmくらい。ダイオウショウは30cmくらいでした。ところがその中間の長さの葉も落ちていました。写真の定規の上の葉です。
そこでこれがどちらなのかを葉の元のところを観察したところ、

ダイオウショウの葉

テーダマツの葉
これをもとに、葉の長さが中間の葉を拡大して観察すると、

定規の上の葉は 上側がテーダマツで下側がダイオウショウでした。
結果テーダマツの葉の長さはおおよそ20~25cmでダイオウショウはおおよそ25~30cmでした。ともに葉は3本です。アカマツやクロマツは2本です。


松ボックリを比較するとダイオウショウが2倍の長さがあり約20cmでテーダマツは約10cmです。


種を比較するとこれまたダイオウショウは大きいです。ダイオウショウはちょうど種がひらひらと落ちてくる時期です。
テーダマツは落ちる時期が違うのでしょうか、見つけるのに苦労しました。
調べてみたら雌花は開花翌年の春に熟し、乾燥によって開閉を繰り返し種子を散布するそうです。



テーダマツの松ボックリには鋭いトゲがあって、素手で持つとかなり痛いです。


ダイオウショウにもトゲはついていますが、開いた松ボックリではトゲの向きが下方向なので手で持っても痛くはないです。



まだ開いていない松ボックリはテーダマツなのか、ダイオウショウなのか迷いました。
細長いほうはトゲが水平に出ていて痛いです。痛いからテーダマツか。でも形はダイオウショウのような。
この松ボックリが開くと、トゲは下向きになるはず。ということはこれがダイオウショウかも。

丸いほうも痛いがトゲがやや上向きなので、細長いダイオウショウと思われるほうが痛い。
この丸いほうの松ボックリが開くとトゲは水平になってくるので開いたほうが痛くなるはず。ということはこちらがテーダマツかも。

もしこのことが正しいなら、開かない松ボックリではダイオウショウのほうがトゲの向きが水平なので痛い。テーダマツも鋭いトゲであるが上向きなので、ダイオウショウよりは痛みが少ない。
いずれにしろ開いていない松ボックリはどちらも要注意ですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋色自然観察会 花園渓谷の猿ヶ城渓谷へ 市公園協会

2018年11月18日 | たのしい自然観察

好例の市公園協会による自然観察会。今回は北茨城市の花園渓谷 猿ヶ城渓谷です。
始点標高約570m 終点標高約780m 標高差約210m 距離約3.7km 標準歩行時間1時間のところを3時間かけての草木の観察会です。これでもゆっくりというわけではなく、講師の先生の説明を聞きながら写真を撮るのは至難の業。どうにか見えるものだけ思い出に。


コボタンヅル。この度はコバノボタンヅルと比較したかったので楽しみにしていました。ところが、コボタンヅルのあった広場は駐車場になってしまいました。刈り取られた株から若芽がでていたものです。ひと芽だけいただいてきました。
下はコバノボタンヅル(参考)

参考:コバノボタンヅル


タマアジサイ。


シシガシラ


チドリノキ


コアジサイ


ホオノキの実が落ちていました。持ち帰って植物画を書いている級友へお土産に


カンスゲ。スゲの中でカンスゲとミヤマカンスゲはわかります。ミヤマカンスゲは子供の時に冬場のウサギの餌にするために谷川へ採りに行きました。カンスゲの葉は硬く、ミヤマカンスゲの葉は見た目似ていますがやや黄緑がかって柔らかい。今回は有りませんでした。


シシガシラの胞子葉


アズマヤマアザミ


コシアブラ 春の山菜


タカノツメ


コナラ 


ミズナラ 葉柄がほとんどありません。


キンミズヒキ


オトコヨウゾメ


シロヨメナ


ミツバアケビ


紅葉はもう終盤です。


ツルアジサイ 鋸歯の細かさでイワガラミと区別できます。


フトボナギナタコウジュ


カメバヒキオコシ 葉が亀の姿に見えます。葉先は亀の尻尾。


オシダ


ヤマウルシ 危険触るな。


ミヤマヤシャブシ


タラノキ


サルトリイバラ


ハリギリ


ボタンヅル


タマブキ


マルバノホロシ


イヌトウバナ


ウバユリ


オクモミジハグマ


紅葉


栄蔵室登山口 昔、栄蔵という猟師が室を作って住んでいたという。県境の山を除いた独立峰では茨城県の最高峰882m。2番目が筑波山で877m。ブナ林は関東随一。 熊注意の表札あり。一同緊張。

熊が出た。

熊はクマでもクマイチゴでした。


悪乗りしすぎとノリウツギ


ヒヨドリバナ


サルナシ


ブナ


オノエヤナギ


バイカツツジ

雨情歌碑

遠く朝日は海よりのぼり 千里奥山夜があける



遥かに高い梢にヤドリギ。目いっぱいズームし、なおかつデジタル2倍で撮れました。実がいっぱい。


観察ルートの終点。1班の皆さん。 3班の構成で各班12名と講師と公園協会の方でした。


猿ヶ城渓谷のクランクカーブを切り替えなしでバスが通り抜けたときは皆さん拍手でした。


水沼ダム お疲れが出て来て車窓を見ている人は少なくなりました。





コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

植物工作 特別講座楽しい自然観察

2018年11月17日 | たのしい自然観察

毎年5月から12月まで毎週金曜日の南高校の特別講座「楽しい自然観察」の植物工作の作品です。










この中には私の作品もあります。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

足利学校孔子廟の西階の不断梅 今も実がなっていました。

2017年11月15日 | たのしい自然観察
梅の実の収穫は通常6月から7月です。収穫しなくても7月、遅くとも8月には落下するものですが、足利学校の西階の不断梅はまだ実がなっていました。
西階の不断梅 〇1711140009印
西階の不断梅 〇1711140009印 posted by (C)雑草
 上の写真で白丸の中が実のついている場所です。1番は実が黒くなってしまったので画像では確認しずらいです。
西階の不断梅1 1711140013
西階の不断梅1 1711140013 posted by (C)雑草
 1番目の梅の実です。果肉が黒くなっています。

西階の不断梅23 1711140019
西階の不断梅23 1711140019 posted by (C)雑草
2番、3番目の梅の実です。どちらも熟して黄色くなった実ではなく、未熟で緑色のままで、果肉が枯れてきたという表情です。左は果肉が傷ついて傷のまわりに赤くなった部分が見えます。

西階の不断梅45 1711140022
西階の不断梅45 1711140022 posted by (C)雑草
4番、5番目の梅の実です。下の実は果肉が乾燥してしわになっています。

西階の不断梅67 1711140012
西階の不断梅67 1711140012 posted by (C)雑草
6番、7番目の梅の実です。かなり黒ずんできました。
西階の不断梅はこのように冬を迎えるころに果肉が乾燥して黒くなり枝に残っていて、やがて木枯らしによって落果するそうです。

西階の不断梅 花芽1711140024
西階の不断梅 花芽1711140024 posted by (C)雑草
西階の不断梅 花芽1711140026
西階の不断梅 花芽1711140026 posted by (C)雑草
すでに花芽がふくらんでいました。
もしかすると、梅の花が咲くまで実が残っている可能性もあるかもしれませんね。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オオモクゲンジの苗をいただく

2017年09月26日 | たのしい自然観察

水戸市八幡町の祇園寺には大きなオオモクゲンジの木が2本あります。
9月初めの花の時期に訪ねたときのことは「祇園寺のオオモクゲンジ」として先にブログに書きました。
http://blog.goo.ne.jp/zassougoo/e/73550dd99e997956898707c194fe87a6
以来、実が熟したらいただきたいものと何度か足を運びました。


でも落ちている実を開いてみると、まだ真っ白い実ばかりです。
そこで事務所に種が熟したらいただきたいとお願いしたところ、落ちている種は拾ってもよいとお許しをいただきました。また、もし発芽苗も見つかったらいただきたいと厚かましいお願いもしましたところ、苗を採ってもよいとのことでした。

鐘楼の近くのオオモクゲンジの下を見て回るとありました。でも、葉に切れ込みがあって柔らかそうな葉はオオモクゲンジというよりも、モクゲンジの葉そのものです。近くにモクゲンジの木はないし、苗はオオモクゲンジの木の下付近だけにかなりまとまって生えています。オオモクゲンジにまず間違いないはずだがとちょっと疑問も残りました。

これは6月に咲いた庭のモクゲンジです。

これは9月に花の咲いている祇園寺のオオモクゲンジです。
葉を比較すると、オオモクゲンジは全縁で葉に切れ込み、鋸歯がありません。というわけで祇園寺の苗はモクゲンジか?と疑問に思ったわけです。


これは庭に生えてきたモクゲンジの実生苗です。発芽3年くらいの苗で、笠間市のお寺さんへ差し上げた苗です。

そしてこれが祇園寺のオオモクゲンジの木の下にある苗です。どう見てもモクゲンジのようです。
それでオオモクゲンジの苗についてネットで調べましたらありました。オオモクゲンジの苗はモクゲンジのような葉であると写真もあり、まるでモクゲンジの葉とよく似ています。

拾ってきた種の中にかなり黒くなったものが一粒見つかったので播いてみました。(石の穴の中 左側です)発芽してほしいと期待しています。


偕楽園事務所へオオモクゲンジの苗を持って行きましたところ、秋咲の花が少ないので、植えてみたいとのことでした。まだ小さいので当分は苗木畑ですが、成長が早いので数年でデビュウすることになると思います。春咲きのモクゲンジも一緒に植えていただくと、春と秋にと2度同じような黄色い花が咲くので注目のスポットになるのではと密かに期待しています。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

偕楽園西門付近はツブラジイかも スダジイと実を比較してみる やや小粒であるがスダジイだった

2017年09月09日 | たのしい自然観察
9月8日の特別講座で先生に西門付近のシイの実と小枝を見ていただきました。
結論はスダジイ。ツブラジイを関西で見られた先生。ツブラジイはもっと小粒でこのようではない。これはスダジイと。
今年も吐玉泉下の大粒のスダジイの稔が楽しみです。また、西門付近のスダジイが元気に成長して吐玉泉下と同じような大粒の実をならせてほしいものです。そうすると西門付近でのシイの実拾いが楽しみです。
じつは吐玉泉下のスダジイの下には、かわいい梅花を咲かせる紅千鳥があるのです。紅千鳥を守ろうとすると、スダジイを切りたくなります。でも、紅千鳥にもう少し明るい場所にお移り願えば、両者がハッピーになれますね。

 
 偕楽園の西門付近のシイは葉が小さくてツブラジイらしいとのことで、スダジイと比較してみました。

大きい実2個が吐玉泉下のスダジイ。3個の小さい実が西門付近のツブラジイかもと思われたシイの実です。
 スダジイは福島以南に分布するので、水戸では偕楽園や弘道館、二の丸などに大木があります。また付近の広葉樹の森でもよく見かけます。 一方ツブラジイの分布は南関東以西ということで、茨城では珍しい木です。またツブラジイとスダジイが交配した中間的なものもあって、両者を区別するのが難しい場合もあるようです。
木が若くてまだ実がなっていないとのことで、葉でしか比較ができないかと思いましたが、よくよく見ると4本の木に実がなっていました。

西門内1番目の木の実 望遠で撮りましたがピントがいまいちです。どちらかというとツブラジイらしいですね。

西門内2番目の木の実 これもよく見えませんがツブラジイのようです。


西門外1番目の木の実 手の届くところに実がついていました。ラッキー。

接写もできました。これならスダジイと比較して見ることができます。

西門外2番目の木の実 手は届きませんが近い場所になっていました。
全部で4本の木に実がなっていました。


これは吐玉泉下のスダジイの実です。上の西門付近のツブラジイらしき実との違いは、スダジイのほうが長いようです。


スダジイとツブラジイらしい実を並べてみました。右がスダジイです。やや細長いですね。

実を取って並べてみました。右がスダジイです。


実を並べてみました。スダジイが2個とツブラジイと思われる実が3個。
2者を比べるとスダジイは実の長さが長いです。また実の表面の模様も明らかに違います。
 ということで、西門付近のシイはツブラジイではないでしょうか。少なくともスダジイではなく、スダジイとの交配種かもしれませんが、ツブラジイの性質をもったものといえそうです。残念ながら私はツブラジイを見たことがないのです。そこで、この結果を今週中に茨城生物の会の先生に報告してこの実を見ていただくことにします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祇園寺のオオモクゲンジ

2017年09月09日 | たのしい自然観察

祇園寺の沿革をネットで見ると次のようにありました。
「壽昌山祇園寺は、中国の明末清初の時代・17世紀後半、日本へ渡来した東皐心越禅師を開祖(宗派・寺院の創始者)とし、水戸徳川家二代藩主光圀公の創建になる禅林(禅宗の寺院)です。」 以下略
1611010037山村暮鳥中村彜
1611010037山村暮鳥中村彜 posted by (C)雑草
この祇園寺には山村暮鳥と中村彜の墓があるようです。




山門を入ると左側に鐘楼があります。鐘楼の向こうにそびえる木がオオモクゲンジです。



昨年11月にモクゲンジと思いこの木を訪ねたときに、11月になってもまだ実をつけていて、葉と実の形が庭のモクゲンジとは違うので、もしかしたらオオモクゲンジではないかと思っていました。
a1611010013
a1611010013 posted by (C)雑草
上の画像は昨年11月のものです。
オオモクゲンジの花期は秋で、オオモクゲンジの花の時期である9月にはモクゲンジの実はすでに熟して枯れています。そこで、オオモクゲンジなら今ころ花が咲いているはずと訪ねました。





見上げるとたしかに花が咲いていました。これはもうオオモクゲンジに間違いないでしょう。





小さな実もついています。
モクゲンジは茨城ではかなり珍しい木ですが、オオモクゲンジはさらに珍しいというか、雑草はまだ見たことがなく、県内にあることを確認できていません。
鐘楼からさらに進み、本堂の手前左側にもオオモクゲンジと思われる大木があります。




こちらは花を確認できませんでしたが、葉の様子からオオモクゲンジと思われます。






コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする