庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

昨年暫定ナツグミとした弘道館のグミはナツグミと確信する ナツグミとトウグミを比較

2019年05月31日 | 弘道館

弘道館のグミについては、1年前の5月28日のブログで、暫定ナツグミとしました。暫定としたのはこの時期に実が赤熟しはじめているので、アキグミではなく、ナツグミかトウグミのいずれかであるということでした。上の写真は本日のもので、昨年同様にこの時期に実が赤熟し始めていました。
 その後ナツグミとトウグミの違いを詳しく調べたところ、葉の表側に非常にわかりやすい違いがあることがわかりました。

これは弘道館のナツグミと判定した葉の表側を接写して拡大したもです。鱗片状毛が見えます。
下は顕微鏡をデジカメしたものです。(5月31日追加)



こちらは庭のトウグミと判定した葉の表側を接写して拡大したものです。トゲ状の星状毛が見えます。
下は顕微鏡をデジカメしたものです。(5月31日追加)


葉の表側の両者の違いは、ナツグミには銀色の鱗片状毛がある。トウグミには銀白色の星状毛がある。ということです。いずれもはじめのうちだけで、のちにはなくなるとのことで、この時期にしか見られないようです。

葉の裏側はどちらも銀色の燐状毛が密生しています。

弘道館のナツグミの葉の裏側を接写して拡大したものです。

これは庭のトウグミの裏側を接写して拡大したものです。


冒頭の写真をもう一度。弘道館のナツグミの実です。かなり丸いですが完全な丸というより楕円形でしょうか。


これは庭のトウグミの実です。長楕円形で、ナツグミより大きいです。さらに大きいビックリグミはこのトウグミの中から実の大きいものを選抜したとのことです。


庭のトウグミの葉はナナフシが好んで食べます。ナツグミの葉も食べると思いますが、はたしてトウグミと同じくらい好んで食べるかは興味があります。


弘道館のナツグミはグミとしては非常に大きな木です。背の高い木はサワラですが、この付近まで文館等の再現計画があって、すでに伐採されたサワラの木などがあります。



根元は空洞になっています。実に見事な風格のある木です。おそらく弘道館創建当初に成木を植えたものではないでしょうか。
 というのは、グミは焼くと人の焦げるような悪臭があることから、邪霊・悪鬼の侵入を防ぐ意図で村堺に植えられたということです。同じ考えから弘道館敷地内に悪霊が入ってこないようにと植えたことが考えられます。
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弘道館のグミの大木はナツグミだった

2018年05月28日 | 弘道館

弘道館にはグミの大木があります。北側の土塁の西端、テニスコートの上ですから、一般には近づかない場所です。

グミとしてはかなりの大木です。

名札は『アキグミ』ですが、・・・・


葉と新梢を見たときに疑問に思いました。私がこれまで見てきたアキグミと違います。
もしかしてナツグミではないか。
 アキグミ
これはアキグミの葉です。枝がかなり白いです。でもネットを見ると茶色の枝もありました。
 アキグミ
これはアキグミの花です。花柄は短めです。
 アキグミ
これはアキグミの実です。小粒で真ん丸ですね。
 そういえばこれまでこの弘道館のグミの花や実を見たことがありません。そこで今年は花と実を確認することにしました。


4月17日 講道館のグミは満開でした。アキグミの開花は図鑑によると4~6月とあります。ということは4月に花が咲くことは有りということか。でも私の記録はアキグミは5月中旬に花が咲いていました。今年は桜も早かったし、アキグミの4月開花はやはり有りなのか。


 花を確認しました。子房は小さくてほとんど真ん丸です。グミのなかでアキグミの実だけが真ん丸です。ということはアキグミか?
 でも花柄がかなり長い。アキグミはもっと短いはず。やはりアキグミではないと思うが。ということでどうやらアキグミではないとの心証を得たが、とにかく実が熟すのはいつか待つことにしました。秋ならアキグミ、夏ならナツグミに違いないからです。

そして本日、庭のビックリグミが真っ赤に熟しました。
 ビックリグミ

ナツグミもビックリグミとほぼ同じ時期に赤くなるはずです。そこで急遽講道館に確認に行きました。

あんなにたくさん花が咲いていたのに、遠目には実が見えません。もしかしてまだ赤くなっていない? そうしたらアキグミの可能性も有りか。


まばらについている実が有りました。赤く熟しています。でも実が真ん丸。いやアキグミより粒が大きめです。

まだ未熟な実もありました。この形は明らかにアキグミではないです。

赤い実はほとんど丸形ですが、今熟していますので、花柄も長いし判定はナツグミですね。
おっと、よく似たグミにトウグミというのがあります。正直雑草はナツグミとトウグミの違いを理解していません。次回の南高校の特別講座「楽しい自然観察」で観察してどちらであるか最終判定をしてみたいと思います。とりあえずは暫定ナツグミということです。
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江戸と水戸ウィーク 弘道館で水戸藩ゆかりの薬草展示中 薬用植物講座も

2017年10月04日 | 弘道館
江戸と水戸ウィーク(10月1日~9日まで)開催中です。弘道館では水戸藩ゆかりの薬草を展示中です。また10月8日(日)13時半から講座「水戸藩の医学」&対談「発見!弘道館と偕楽園の薬用植物」があります。
江戸と水戸ウィーク(10月1日~9日まで)では弘道館と小石川後楽園、水戸市植物公園でそれぞれ行事が行われています。

以下は弘道館に展示中の水戸藩ゆかりの薬草です。
1710030007水戸藩ゆかりの薬草
1710030007水戸藩ゆかりの薬草 posted by (C)雑草
1710030008ジャノヒゲとフジバカマ
1710030008ジャノヒゲとフジバカマ posted by (C)雑草
ジャノヒゲ 鎮咳、去痰、滋養強壮 フジバカマ 糖尿病予防治療、皮膚のかゆみなど
1710030009ジャノヒゲとフジバカマ
1710030009ジャノヒゲとフジバカマ posted by (C)雑草
フジバカマの葉は3裂片になっているが、展示品は裂片がないのでヒヨドリバナかサワヒヨドリやフジバカマなどとの交雑種かと思われます。

1710030013アカザ
1710030013アカザ posted by (C)雑草
歯痛、虫刺されなど
アカザの杖は黄門様も使われたようです。水戸市植物公園にはアカザの杖が展示されています。

1710030015ガジュツ
1710030015ガジュツ posted by (C)雑草
ショウガ科 ムラサキウコン 鎮痛、健胃、胆汁分泌促進など

1710030017メハジキ
1710030017メハジキ posted by (C)雑草
1710030018メハジキ
1710030018メハジキ posted by (C)雑草
シソ科 利尿、めまいなど

1710030020ヨロイグサ
1710030020ヨロイグサ posted by (C)雑草
セリ科 鎮痛、抗菌、呼吸運動促進など

1710030022オオナルコユリ
1710030022オオナルコユリ posted by (C)雑草
ユリ科 滋養強壮など

1710030024カワラヨモギ
1710030024カワラヨモギ posted by (C)雑草
キク科 抗真菌作用、胆汁分泌促進など

1710030026シソ
1710030026シソ posted by (C)雑草
シソ科 風邪、魚による中毒など

1710030028アイ
1710030028アイ posted by (C)雑草
タデ科 解熱、解毒、毒虫さされなど

1710030030ツワブキ
1710030030ツワブキ posted by (C)雑草
1710020062ツワブキ
1710020062ツワブキ posted by (C)雑草
キク科 抗菌作用、健胃、食あたり、下痢など
鋸歯が目立つことや葉がやや波打つなど園芸種的である。

1710030032センキュウ
1710030032センキュウ posted by (C)雑草
セリ科 鎮痙、鎮痛、鎮静など

1710030034ムラサキ
1710030034ムラサキ posted by (C)雑草
1710020104ムラサキ
1710020104ムラサキ posted by (C)雑草
ムラサキ科 消炎、解熱、解毒など
以上は弘道館に展示されている、水戸藩ゆかりの薬草です。

10月8日(日)13時半から講座「水戸藩の医学」&対談「発見!弘道館と偕楽園の薬用植物」があります。
対談「発見!弘道館と偕楽園の薬用植物」では弘道館と偕楽園に植栽されている、ロウバイ、サンシュユ、ムクロジ、タイサンボク、スダジイ、ウメ、ザクロ、カイノキ、キンモクセイ、ギンモクセイ、グミ、イチョウ、コウヨウザン、ネズ、モッコク、ケンポナシなどの薬用植物について樹木医の横堀誠先生と弘道館の小圷のり子主任研究員の対談が行われます。また対談の後で弘道館を散策し、代表的な樹木を見て回る予定です。


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弘道館のマルバアキグミとムクロジ  2018・05・28 ナツグミでした

2017年09月02日 | 弘道館

ムクロジの実


弘道館の北側の空堀土塁の上にグミの大木があります。

場所は北側土塁の西の端です。茶色い建物は旧県庁舎です。


空堀の中から見上げるとかなりの大木です。


近寄ってみるとかなり太い幹です。グミの木としてはかなりの大木です。

名札はアキグミです。残念ながら実がなっているのを見たことがありません。

葉っぱとみると、これがアキグミとは全く違います。葉には厚みがあって葉先があまりとがっていません。

葉先のとがったものも見えます。いったいこのグミは何グミなのか?
 そこで茨城生物の会の先生に見ていただきましたところ、茨城では見かけない葉であること、さらに詳しく調べていただくと、どうやらアキグミの海岸型のマルバアキグミではないかとのことでした。でも葉を見ただけでは断定は困難ですとのことでした。
マルバアキグミは北関東にはなく、珍しい木です。
秋に実がなれば間違いなくマルバアキグミなのですが、何人かの関係者に聞いても実を見たことがないようです。
とりあえずはマルバアキグミということで。

2018年5月28日追記
5月にすでに実が赤くなっていました。マルバアキグミではなくて、ナツグミと思われます。ナツグミやトウグミと思われますが。詳しくはわかりません。とにかくアキグミではなくナツグミ(ナツグミの変種も含めて)ということでしょう。弘道館へはその旨伝えました。また生物の会の先生も現物を確認したいとおっしゃっていました。



弘道館の正門の正面反対側にムクロジの木があります。

大手橋の手前の右側ですが、ちょっとわかりにくいです。

幹に名札がついているので近づくとすぐにわかります。

ムクロジの実がなっています。もう一部は地面にも落ちているものもありました。

ムクロジの実はユニークな形をしています。この中に黒い玉状の殻に守られた種が入っています。
この種を播くと発芽します。我が家にはこのムクロジの種を拾ってきて発芽させた小さな苗があります。
 またムクロジは大木になります。群馬県甘楽町の勘定奉行高橋家の屋敷稲荷の御神木は、江戸時代後期、小幡藩主の松平公が参勤交代を終えて江戸より帰る途中この樹が見えるところまで来ると、「わが城へ帰って来た」という安堵の気持ちがしたということです。
推定樹齢400年、樹高約25m、根周り3.42m、目通り3.6mの大木です。じつは我が家にはこのムクロジの子苗をいただいたものもあります。狭い敷地故切り詰めていますが、隙あらば大木になろうとうかがっているようです。
ムクロジの種は正月の羽根つきの羽根についている玉に使用されていることは広く知られています。
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弘道館の八重寒紅が1輪咲きました。虎の尾は間もなく開花しそうとの情報2016年12月22日

2016年12月22日 | 弘道館
昨日21日に偕楽園で出会った方の写真を届けに見晴亭に行きました。お名前は聞いていませんので仮称梅子さんです。
ついでに弘道館の梅の蕾はいかがかと立ち寄りました。弘道館の樹木と庭園の管理をすべてされているT造園さんに梅の開花状況をききましたら、今シーズンはまだ咲いていないけれども、早く咲きそうな梅の木をご丁寧に教えてくださり、一部はご案内もしてくださいました。ありがとうございました。
月影B-057@弘道館外1612220076月影B-057@弘道館外1612220076 posted by (C)雑草
教えていただいた月影の蕾です。苞がむけて緑色の萼がかなり目立つようになっていました。
塀の内側の虎の尾や八重寒紅などはどうかと見て回りましたが、高いところはよくわかりませんでしたが、例年通りやはり偕楽園のほうが早いのかなと思われました。
帰りにお礼を言おうともう一度孔子廟に戻りましたら、ちょうど孔子廟前の八重寒紅の剪定をしている方が1輪咲いているのを教えてくださいました。下からはここに咲いていると教えていただかなければとうていわからないような状態でした。
八重寒紅@孔子廟前1612220081八重寒紅@孔子廟前1612220081 posted by (C)雑草
かなりピンボケになってしまいましたが、これが証拠の八重寒紅の花です。後日晴天の時に撮り直したいと思います。
ピンボケついでに、鳥居わきの八重冬至です。
八重冬至@鹿嶋神社鳥居1612220073八重冬至@鹿嶋神社鳥居1612220073 posted by (C)雑草
この八重冬至も後日撮り直しますが、若くて、植えられてからようやく根を張り元気になったようで、徒長枝が盛んに出て、またまだ緑色の葉をつけているのに蕾から白い花弁が見えてきました。
一般的に苗木畑から庭園に移植されて数年の若木は花が早く咲くものがおおく、この八重冬至とさきの月影がその例です。
またT造園さんの新しい情報で、虎の尾に間もなく咲きそうな蕾が2個見つかったとのことでした。これも後日確かめてみたいと思います。
帰り際には、蕾の大きい八重寒紅の剪定枝も頂戴してきました。

剪定した枝は花瓶に挿しておくと、屋外の植栽よりかなり早く花が咲きます。先日10日に剪定見学会の時の剪定枝を偕楽園東門の見晴亭さんがもう花を咲かせていました。
剪定枝開花@見晴亭1612220004剪定枝開花@見晴亭1612220004 posted by (C)雑草
おそらく八重寒紅でしょう。
剪定枝開花@見晴亭1612220001剪定枝開花@見晴亭1612220001 posted by (C)雑草
剪定枝は紅梅白梅2種ですが、白梅のほうはもう少し日にちが必要です。
剪定枝開花@見晴亭1612220007剪定枝開花@見晴亭1612220007 posted by (C)雑草
これは月影と思われます。緑色の萼の先に白い花弁が見えてきました。もう少しで開花です。

偕楽園本園内で開花が間もなくと思われる、標柱わきの八重冬至を今日も見てきました。昨日とそれほど変わってはいませんが、少し進んだかなと思われました。
八重冬至@偕楽園標柱1612220011八重冬至@偕楽園標柱1612220011 posted by (C)雑草
この八重冬至のすぐ近くに真っ赤に紅葉したシモツケがあります。真っ赤なシモツケの紅葉を背景に真っ白な八重冬至の花を重ねたらどんなにかきれいなことでしょうか。もしも、去年と同じくらい早くに開花していれば、カエデの紅葉を背景にできたのですが、今年はそれができません。
八重冬至@偕楽園標柱シモツケ紅葉1612220015八重冬至@偕楽園標柱シモツケ紅葉1612220015 posted by (C)雑草

カエデの紅葉の名残は南崖橋で今でも残っています。
紅葉@南崖橋1612220071紅葉@南崖橋1612220071 posted by (C)雑草
南崖の梅の木のすぐ近くを常磐線の特急ひたち号が通り抜けて行きます。
特急電車@偕楽園1612220069特急電車@偕楽園1612220069 posted by (C)雑草
この先には偕楽園臨時駅があります。梅まつり期間中の土日と祝日には下り電車が停車します。今シーズンも同じと思います。詳細は年明けてから確認されるのがよいと思います。
停車時刻は朝9時ころから午後3時半頃までに偕楽園臨時駅を通過するすべての電車になります。帰りは水戸駅まで乗って、水戸駅から東京方面行きに乗車して帰ります。臨時駅には梅大使が歓迎の出迎えをすると思います。
特急電車@偕楽園1612220021特急電車@偕楽園1612220021 posted by (C)雑草
偕楽園臨時駅の利用者は毎シーズン4万人を越えています。

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夜梅祭 それはまるで異世界の美しさ

2016年03月06日 | 弘道館
3月5日は弘道館の夜梅祭。これまで偕楽園での夜梅祭が盛大に行われてきましたが、今年は5日に弘道館で、12日土曜日に偕楽園でとふたつの会場で行われます。
まずは初めての弘道館の夜梅祭です。
1603050001
1603050001 posted by (C)雑草
ライトアップされた正門です。

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1603050006 posted by (C)雑草
臥龍梅
1603050012
1603050012 posted by (C)雑草

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1603050035 posted by (C)雑草

白滝枝垂
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1603050042 posted by (C)雑草
白滝枝垂

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1603050055 posted by (C)雑草
滄溟の月

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1603050060 posted by (C)雑草

1603050064
1603050064 posted by (C)雑草
正庁

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1603050078 posted by (C)雑草
八重松島

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1603050082 posted by (C)雑草
鹿児島紅

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1603050095 posted by (C)雑草
駒止

1603050104
1603050104 posted by (C)雑草
孔子廟

1603050086
1603050086 posted by (C)雑草
鈴鹿の関

1603050085
1603050085 posted by (C)雑草
いかがでしたか。弘道館の夜梅祭。
12日土曜日は偕楽園の夜梅祭です。
見晴広場と好文亭。梅林と竹林のライトアップ。祭りのもようしものたくさん。異世界の美しさへどうぞおいでください。
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弘道館でロマンを感じる梅が咲き始めました。 好文亭では一流が咲きました。

2016年01月11日 | 弘道館
弘道館のなかでロマンを感じる梅が咲き始めました。それは座論と臥竜梅です。
座論1601110053座論1601110053 posted by (C)雑草
臥竜梅1601110073臥竜梅1601110073 posted by (C)雑草
弘道館の臥竜梅は幹が倒れたように地面に横たわっています。
臥竜梅1601110072臥竜梅1601110072 posted by (C)雑草
臥竜梅1601110062臥竜梅1601110062 posted by (C)雑草
弘道館には臥竜梅が4本あります。いずれも一重の白花です。どの木も幹が倒れたようになっています。これについては座論梅と関連あるのかなとおもいます。
一方偕楽園の臥竜梅にはいくつか種類があります。
大きく分けると一重の白花と紅花。八重の白花と紅花と4種類です。
幹は弘道館のように倒れたのはありません。一重の紅白とも空中でくねくねとしていますが、倒れて地につくほどではありません。植木屋さんの剪定でくねくねさせたのかとも思ってしまいます。
八重の紅白は普通の梅の木の枝振りです。木の様子からは臥竜梅とは気が付きません。この八重の紅白は瑞巌寺の臥竜梅をいただいたことははっきりしています。
このように臥竜梅は弘道館と偕楽園では全く違う種類かと思われます。同じく座論梅も弘道館と偕楽園では全く別の品種
と思われます。
座論1601110053座論1601110053 posted by (C)雑草
上の画像は弘道館の咲き始めた座論です。
弘道館の座論は雌しべは1本しかありません。
偕楽園の座論は雌しべが3本ある花がかなりの頻度で出現します。
 座論梅は宮崎県に国指定天然記念物の湯の宮座論梅という樹齢600年の梅の木があります。写真で見るかぎり雌しべは1本しかないようです。この点では弘道館の座論と同じです。
 座論の由来については、「ザロミ」という梅の種類から名付けられたとも、また、徳川時代に佐土原、高鍋両藩の間に梅林の所有争いが起こり、両藩士がこの地で出会い座して論議したので座論梅となったものと伝えられる。とあります。弘道館の座論はこの流れのほうの梅なのではないかと思われます。
 もしそうだとすると、さらに想像の翼を広げると、湯の宮座論梅は「元は1株であったものが横に伸び地について新しい株となり次々と繁殖して、現在80株になったものである。」とありまして、これも写真で見る限りでは弘道館の臥竜梅の横たわった幹によく似ています。弘道館の臥竜梅は一重で雌しべは1本です。
 偕楽園の臥竜梅は先に記したように、八重咲で白花と紅花の2種は、豊臣秀吉の朝鮮出兵のときに伊達正宗が持ち帰ったという瑞巌寺の臥竜梅に間違いありません。一重の白花と紅花は来歴はわかりません。
 では弘道館の一重の臥竜梅はどこから来たのか、湯の宮座論梅の可能性もあるかもしれないと思うのです。それは湯の宮座論梅が神武天皇ゆかりの木ということですから、大日本史を編纂している水戸にとってはぜひとも植えてみたい木ではなかったでしょうか。
薩摩から霧島ツツジ、仙台から宮城野萩、京から孟宗竹が贈られたなどの例を考えると、座論梅もしかるべきものが贈られたことが十分考えられます。つまり湯の宮座論梅=弘道館の臥竜梅、そして座論梅はその若い木なのかもしれませんね。
 弘道館と偕楽園、そして座論梅と臥竜梅がいろいろなロマンを醸し出してくれる水戸の梅です。
さて弘道館でひときわ美しい八重松島が咲き始めました。弘道館内の売店の前です。
八重松島1601110078八重松島1601110078 posted by (C)雑草
八重松島1601110075八重松島1601110075 posted by (C)雑草
八重松島1601110074八重松島1601110074 posted by (C)雑草
また名前がわかりませんがこれまた美しい梅の花が咲き始めました。料金所から入場して建物右手の井戸の近くです。
梅A-1921601110063梅A-1921601110063 posted by (C)雑草
烈公梅の蕾がふくらんできました。
烈公梅1601110058烈公梅1601110058 posted by (C)雑草
烈公梅はもとは孔子廟近くにあった木で、どの種類の梅の花にも似ていない独特の花であったので、烈公梅と名付けられたと聞いています。ここに植えられている木は水戸徳川家より贈られたそうです。
花弁が細くてすきまがあり、こぶりの花です。
中国の香格里拉野梅は白花ですが、形はよく似ているように雑草は思います。
孔子廟には孔子ゆかりの楷の木も植えてああるので、梅はもともとは中国渡来ですが、日本にはなかった木がここに植えられたとしても不思議ではないように思いました。
湯の宮座論梅についてはこのアドレスから引用しました。

http://www.gurunet-miyazaki.com/kankouti/kenou/zaronbai/zaronbai.htm

偕楽園の好文亭内の一流が咲いていました。去年2015年の咲き始めは2月7日ですから1か月は早い。
一流好文亭1601110084
一流好文亭1601110084 posted by (C)雑草
一流は好文亭内にしかありませんでしたが、たしか東梅林に新しい一流が植えられていたと思います。
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探梅 弘道館では7本の梅が開花。偕楽園では24本の開花を確認。

2015年12月16日 | 弘道館
弘道館の梅の開花状況を確認してきました。7本の梅が咲いていました。弘道館にはおよそ630本の梅の木があるようですから、1.1%の開花率です。
ちなみに今日現在偕楽園で開花を確認できたのは24本です。偕楽園はおよそ3000本で、0.8%の開花率です。これまで偕楽園のほうが早めに開花すると思っていましたが、今年の咲き始めは弘道館のほうが早かったですね。
弘道館の梅林は入場料を支払って入る正庁などの建物のある塀の中と、解放されている塀の外にも梅林があります。
 開花が進んでいるのは塀の中です。
塀の中には正庁と至善堂など立派な建物があります。
DSCF6794弘道館正庁DSCF6794弘道館正庁 posted by (C)雑草
上の画像は正庁で、右側が正門で、正門わきから入場します。
開花が進んでいる梅林は入場して左側です。上の画面では右側手前になります。
以下正庁前で咲いている八重冬至2本と八重寒紅2本、虎の尾1本の様子です。
DSCF6796八重冬至弘道館前DSCF6796八重冬至弘道館前 posted by (C)雑草
DSCF6811八重寒紅弘道館前2DSCF6811八重寒紅弘道館前2 posted by (C)雑草
DSCF6819虎の尾弘道館前梅A-220DSCF6819虎の尾弘道館前梅A-220 posted by (C)雑草
DSCF6819虎の尾弘道館前梅A-220DSCF6819虎の尾弘道館前梅A-220 posted by (C)雑草
例年の梅の咲き始めは、咲いている木の下に来てよくよく見ないと梅の花が見つけにくいほど花数が少ないのですが、今年の咲き始めは一挙に開花していてもう見頃になっている梅の木が多いことです。また毎年一番先に咲いていた木は咲かないで、2番手、3番手の木が咲いています。
さて入場して右側に行くと最初の写真の正庁の裏側に梅林があり、画像の左側へと梅林が続いています。
建物の裏側の梅林はまだ1本も咲いていませんでした。代りにロウバイが咲き始めていました。
DSCF6784ロウバイ弘道館DSCF6784ロウバイ弘道館 posted by (C)雑草
DSCF6786ロウバイ弘道館DSCF6786ロウバイ弘道館 posted by (C)雑草
正門と反対側の奥の梅林、最初の画像の左側には八重冬至が1本咲いていました。
DSCF6788八重冬至弘道館裏DSCF6788八重冬至弘道館裏 posted by (C)雑草
DSCF6789八重冬至弘道館裏DSCF6789八重冬至弘道館裏 posted by (C)雑草
 退場して塀の外の梅林ではまだ咲いていません。紅葉がとってもきれいでした。
DSCF6828紅葉弘道館外DSCF6828紅葉弘道館外 posted by (C)雑草
 塀の外の梅林を旧県庁方向へ進むと孔子廟があります。その孔子廟の後ろ側に八重寒紅が1本咲いていました。
DSCF6778八重寒紅孔子廟裏DSCF6778八重寒紅孔子廟裏 posted by (C)雑草
DSCF6780八重寒紅孔子廟裏DSCF6780八重寒紅孔子廟裏 posted by (C)雑草
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弘道館の柳川枝垂が咲きました。偕楽園では猩々梅林がにぎやかに

2015年02月17日 | 弘道館
弘道館の柳川枝垂が咲いて、六名木は江南所無以外すべて咲いたというので見てきました。六名木は柳川枝垂、白難波、月影、虎の尾、烈公梅、江南所無です。

 柳川枝垂れは先日はまだ咲く様子がなかったのですが、たしかに1輪だけ咲いていました。ほかの蕾は小さいので咲きそろうのは先になりそうです。まだ若木なので早めに咲いたようです。

 白難波は白い花弁が見えていたもので、すでに咲いていました。これも若木で早めにさいたようです。

 月影はまだ咲かないはずと近づいてみるとやはり咲いていません。他に月影があったかな探したがありませんでした。
はて?と見まわしていると、月影の隣りに緋色の小さい花が咲いていました。ズームアップして撮ると八重咲きです。

名札を見ると裏側しか見えません。花の説明が書いてありました。
花期(2月上旬~3月中旬)「本紅の中輪で一重咲き。花弁が丸くしべが長い。旗弁が多くの花にあらわれる。」とありました。
花を見ると一重以外は説明文の通りです。旗弁は雄しべが弁花の途中であるので、花弁が少々多いのは変位の範囲内と大目に見ても良いのかもしれませんね。名札の表には佐橋紅とありました。

 臥竜梅も咲いていました。六名木ではありませんが風格のある木です。


 虎の尾と烈公梅はすでに咲いていますので、六名木では月影と江南所無がまだ咲いていませんでした。料金所で月影のことをききましたら、塀の外に咲いているとのことでした。弘道館の梅は60種800本といわれ、塀の外のほうが本数が多いのでした。
 塀の外の月影はやはり若木でした。


 従来は弘道館より偕楽園のほうが開花が少し早いと感じていましたが、今年は開花時期に差がないように思われます。でもこれは弘道館の六名木のほうが若木が多いためのようです。古木どうしの開花状況ではやはり偕楽園が早や目のような気がします。
 ヤドリギを見つけました。エノキの高木で、肉眼でもこんもりとしたヤドリギはすぐにわかりました。ちょっとアップしてみたら実がついているようです。

さらに目一杯80倍にアップしました。

近くにイチョウの木があり、太い乳房状突起・乳柱(ちばしら)が垂れ下がっていました。


偕楽園では猩々梅林がにぎやかになってきました。次にアップします。







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弘道館の烈公梅、座論、芳流閣、藤牡丹枝垂などが咲き始めました

2015年02月14日 | 弘道館
弘道館の烈公梅、座論、芳流閣、藤牡丹枝垂、臥竜梅、白加賀などが咲き始めています。梅まつりの始まる2月20日には先に咲いている八重寒紅、八重冬至とともに観梅を楽しめることでしょう。
弘道館の正門前の大型バス駐車場のふちにムクロジがあります。まだはるか高い梢に実がなっていました。




入場して左側の梅林では座論が咲き始めていました。


座論の隣りの烈公梅も咲き始めています。


烈公梅の奥には早くも白加賀が咲き始めていました。実梅だけに雌しべがしっかりしています。

ここは土塀に囲まれていて、日当たりもよくて、八重寒紅、八重冬至、虎の尾はすでに見ごろを迎えています。

右手売店側の白難波が間もなく咲きそうです。臥竜梅が数輪咲いていました。
正庁角の芳流閣を見上げると数輪咲いていました。


井戸の近くの藤牡丹枝垂もかわいい花を咲かせ始めています。

もうすぐ梅まつりです。暖かい日が続くとこれらがさらに咲き進むことでしょう。


我が家ではアケボノアセビの蕾が赤くなってきました。

アセビ(白花)は長い蕾をたくさんつけています。

キバナセツブンソウがようやく開き始めました。

キチョウがヒガンバナの葉に斜めにぶらさがっています。まるで太陽を避けているようです。



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弘道館の庭ももうすぐ春です。

2015年02月04日 | 弘道館
梅の中には見ごろになった株があります。塀の白と紅梅が美しい孔子廟です。

弘道館の内庭ももうすぐ春です。

塀の中で開花した梅の木は約10本になりました。
正門わきの入り口から入って、左手の三の丸小学校側に見ごろになった八重寒紅などがあります。

正庁の裏手にはロウバイが満開です。



昨日は小梅の開花を確認しました。正庁裏の梅林の奥のほうです。

サンシュユの蕾が少し口を開け始めました。




ギョリュウの古木はコブコブです。

弘道館の庭ももうすぐ春です。
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水戸弘道館の臥竜梅

2015年01月22日 | 弘道館
弘道館には幹を横倒しにしたような古木の臥竜梅が4本あります。枝が着地したところから根を出し、地を這う姿を臥した竜に見立てたものです。
まずは弘道館内の二株。
料金所から塀の中に入り、右手の売店にむかう小道の左側に横たわっています。


売店のところから梅林に入り、塀に沿ってまっすぐ建物の裏手のほうへ進むと、突き当りの塀の手前に2本目が横たわっています。


塀内の見学を終えて、門外に出て左手駐車場を通り、塀の外の梅林に入ると間もなく左側に三番目の臥竜梅があります。


ここまでの3本はよく知られた臥竜梅です。
もう一本はさらに梅林を塀に沿って旧県庁方向へ進みます。塀の終わるところに孔子廟があります。左折して孔子廟前を過ぎると鹿島神社の鳥居があります。左手の梅林の中に2本の楠の大木があります。
この楠に向かう竹垣の小道を入って行くと楠と孔子廟の間に第4番目の臥竜梅があります。


となりには臥竜梅かどうかははっきりしませんが、臥竜梅らしい細い古木があります。

根本は下のように朽ちています。


また、これも臥竜梅かと思うような木があります。こちらは白加賀の名札がついていました。


梅の古木の生命力に感心してカメラに収めていると、小鳥がつきまとってこちらの様子を見ていました。

これらの古木たちも蕾をつけており、梅まつりのころは立派に花をつけることでしょう。

終わりは咲き始めた虎の尾です。

名前の由来はいくつかあるようですが、そのひとつはこの花のしべが曲がっている様子が虎の尾に似ているからと言われます。
この雌しべは、開花後に寒さのために枯れて曲がってしまったようですが、この時期に咲く虎の尾の多くは、雌しべが枯れてこのように曲がったものが多く見られます。また、雌しべが落ちてしまって花に残っていないものも多数みられます。
もうひとつは枝の様子だという植物学者の方から聞いたものです。これは次の機会にご紹介します。
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弘道館の梅も咲き始めました

2015年01月19日 | 弘道館
弘道館は藩士と子弟の教育のための藩校で全国一の規模の敷地をほこるものです。
現在白壁の塀内の正庁、至善堂などのほか、現三の丸小学校と塀の外の梅林などの地を含み、文館、武館、医学館、天文台。八卦堂、鹿島神社、孔子廟などが建設されました。さらに馬場、調練場など文武両道、総合教育施設でした。
種梅記碑 徳川斉昭公が1833年就藩したときに、領内に梅が少ないことを知り、江戸屋敷の梅の実を集めて水戸に送り、育苗し、偕楽園、弘道館さらに領民の家まで植えさせました。梅は花を観賞するばかりでなく戦の時の副食として役立つなどの梅の効用についても記してあるそうです。


正庁前には左近の桜(二代目)と烈公お手植えの松(三代目)があります。左近の桜は偕楽園見晴広場にもあります。


正庁玄関脇には蝋梅があります。水戸で蝋梅といえばこの蝋梅をさすというくらいです。




至善堂のほうにはサンシュユが2本あります。まだ蕾がかたいです。




対試場脇には烈公梅と白滝枝垂があります。


弘道館には約60種類の梅の木があります。本日19日現在9本の梅の木に花がついていました。
虎の尾です。いろいろな説があります。烈公の筆さばきが虎の尾といわれていたとか。しべが虎の尾のようであるとか。枝ぶりが虎の尾のようであるとか(桜の品種の虎の尾は枝ぶりだそうです)。




八重寒紅も咲いていました。塀の外に旧茨城県庁が見えます。






八重冬至も咲いていました。

弘道館には臥竜梅が4本あります。いずれも倒れて横倒しになったように、地面を這っています。


最後は孔子廟近くの八重寒紅です。

白壁に梅の木の影がくっきりとみえています。弘道館ならではの景色です。

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