庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

ジャコウアゲハ産卵に来る

2021年05月26日 | 庭の花たち

2021年5月10日ついにウマノスズクサにジャコウアゲハが産卵に来ました。
2本の支柱で支えられたヤマボウシ(葉がやや赤い)に這い上ったウマノスズクサに
ジャコウアゲハ(中央下の穴の開いたブロックの右)が飛来して散乱していました。




庭でジャコウアゲハを見かけたのは2018年6月21日でした。しばらくあちこちを飛び回ってウツボグサの蜜を吸ったり、草木にとまって休んだりしていました。


その後も1週間くらい庭で飛び回っているジャコウアゲハを確認しました。
この時まではジャコウアゲハの生息地は暖地でこちらでは迷蝶か、似たジャコウアゲハモドキではないかと思っていたが、分布域は秋田以南という情報もあって、図鑑などで見比べてみてジャコウアゲハと思えてきました。

それでジャコウアゲハの食草であるウマノスズクサを庭に植えてみたいと思っていたところ、その年の11月に歩道脇に採取可能な小さなウマノスズクサを見つけ植えることができました。

翌年2019年、太い芽がでてきたのですが、何者かに食べられてしまい小さなままでした。もしかしてジャコウアゲハの幼虫が食べたのかな。でも足らなくてどこかへ行ってしまったのかなと思いました。

2020年にはさらに太い芽が出てきて、大いに期待しました。高さも2mほどに伸びたときに、先を何者かに食べられ、ジャコウアゲハの幼虫に違いないと何度も探したのですが見つかりませんでした。
芯を止められたウマノスズクサは枝が出るものと期待したのですがほとんど出ずに秋になってしまいました。


今年2021年3月27日 ウマノスズクサは早めに芽を出しました。今年こそジャコウアゲハの幼虫を確認したいと鉢を見やすい場所に移動しました。

4月14日 順調に伸びていたウマノスズクサです。大きくなってジャコウアゲハの幼虫を見てみたいと期待が膨らみました。

同日、葉の食痕を見つけました。ええー。もう来たの。まだ葉が少ないのに。と驚いたものの、幼虫の姿がありません。どこに行ってしまったのかなと、この日から幼虫を毎日探したのですが姿を見つけられません。

10日過ぎた4月24日、ついに芯が食べられてしまいました。昨年と同じ状態です。今年も幼虫が見られないのか、いやどこかに居るはずと探しまくりました。

やっと見つけました。緑色をしたイモムシです。ジャコウアゲハの幼虫は黒っぽいケムシのようなはずだが。
小さい時はイモムシなのかな? ついにジャコウアゲハの幼虫が来てくれたのか、それともウマノスズクサを食草とするジャコウアゲハ以外の蝶がいるのか。このイモムシは何者か?

一体お前は何者か。ウマノスズクサを食草とする幼虫を調べまくっても、ジャコウアゲハとその近縁種しかいないようで、いずれも黒っぽいケムシのような幼虫でイモムシのようなのは見つかりませんでした。
一体何者?似たものが多くてさっぱりわかりません。
それで、ウマノスズクサの栽培について調べたところ、害虫としてヨトウムシなどがいることがわかりました。
でも、私が見たことあるのはヨトウムシは緑色ではなく少し薄茶色がかったイモムシでしたし、こんなにスマートではない。また昼間は姿を見せないはずなのに。
ヨトウムシの生態を調べてみると、昼でも見かけることがあること、このような外見のヨトウムシもいることがわかりました。夜盗虫とわかったので即刻処分。でもまだほかにも隠れているかもと思いましたが、以後ヨトウムシの食害はなくなり、ウマノスズクサはゆっくりながら枝葉が出て伸び始めました。
そして、ついに5月10日にジャコウアゲハが飛来したのでした。



ジャコウアゲハが飛び去った後に葉の裏を丹念に探したところ、卵が合計5個も産み付けられていました。
5匹も幼虫が孵ったのでは餌が足らなくなってしまうだろうと心配しましたが、ジャコウアゲハも無駄なことはしないだろうとそのまま見守ることにしました。







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アワブキの香り

2021年05月25日 | 庭の花たち

垣根の近くを通る度に甘い香りがします。何の香りかと探してみたら、アワブキの大きな葉っぱの陰で小さな花が咲いていました。

アワブキの名はこの木の枝を燃やすとジュクジュクと樹液を泡のようにふき出すから泡吹きと言います。
昔、囲炉裏でアワブキの生の枝を燃やした時に熱い泡をふき出していたのを思い出します。
また、花が泡のように見えるからとも言われるようですが、この時期に山に入ることは少ないので、花を見たことがありませんでした。

庭に植えてから初めて花を見たのですが、これまでは高い位置に咲いたので、脚立に乗ってみていたので、花の香りに気づきませんでした。
それでも、アワブキを食草とする、アオバセセリの幼虫が2009年に来ました。どのようにして遠く離れたアワブキを探しあてたのか不思議に思い、もしかすると花の香りかもしれないと思ったのですが、今年香りを体験して納得してしまいました。

今年は低い位置で咲いたので、気温があがってくるころに、近くを通ると甘い香りがします。こんなによい香りがするとは驚きです。
まさしく学名にあるとおりです。
Meliosma myriantha 
Meliosma  は 蜜の香りという意味だそうです。  myriantha は 小さな花という意味。
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タマムラサキとネナシカズラ

2021年05月23日 | 庭の花たち

5月に入り今年もネナシカズラが生えてくる季節になりました。
写真の右側のツルがネナシカズラです。エビネの花後とミョウガの葉に絡みついて、吸着して栄養分を吸い取っています。
また、左側のニラのような葉はタマムラサキですが、5月というのに茶色くなった枯葉が目立つことに気が付きました。
何事があったのかと、よくよく見ると、写真中央の下のほうのタマムラサキの茶色い葉にネナシカズラが絡みついています。

近づいてみるとこの通りです。

ネナシカズラが絡みついたミョウガとエビネは葉が枯れるほどのダメージは受けていません。なのにタマムラサキは葉が枯れ始めています。
ネナシカズラが絡みついても多くの植物は急速に枯れるようなことは有りません。それでも何らかの影響を受けて弱ったりします。でもその中にオニシバリのように、まるでマムシに噛まれて瀕死の状態になったようになり、ついには枯れてしまう木もありました。
これはいかん。タマムラサキはこんなに早く枯れ始めたのでは、タマムラサキの株も枯れてしまうかもしれない。
急いで絡みつかれた部分の葉を切り取ってしまいました。これで株全体に毒が回らなければよいがとしばらく様子を見ることにしました。


ネナシカズラが絡みついて枯れ始めたタマムラサキの葉をちぎってヒサカキにかけておいたところ、10日後に確認したら、何とネナシカズラはヒサカキに絡みついていました。

ヒサカキに絡みつくや全力でヒサカキに吸着して栄養分を吸い取っています。

すでにタマムラサキの葉は枯れてしまい、ネナシカズラはタマムラサキからは栄養を吸収できないので、自身の持てる力を振り絞って細いツルを伸ばしてヒサカキに絡みつきました。

そしてタマムラサキに絡みついていた部分と、そこからヒサカキ迄伸ばした細いツルの部分を自ら枯らしてしまいました。わが身を切り詰めて生き延びようとするネナシカズラの生命力です。


冒頭の写真をもう一度
じつはタマムラサキには2種類あって、葉が枯れ始めたのは左側下よりの葉の幅が広いものです。
中央上よりの葉の幅が狭いものもタマムラサキです。

赤色の丸の中が葉の幅が広いタマムラサキで、矢印はネナシカズラが絡みついた部分で切りとってしまいました。
黄色い丸の中が葉の幅が狭いタマムラサキです。
こちらは右側のネナシカズラに近いのに生き生きとしています。
まだネナシカズラが絡んでいないためでした。いたずら心に、もしこちらにネナシカズラが絡みついたらどうなるだろうと思いました。

早速試してみました。葉の幅が狭いほうのタマムラサキにネナシカズラを絡ませてみました。まもなく10日ほどになりますが、少しもダメージを受けていません。


葉の幅が広いネナシカズラはさらに葉の枯れが進んでしまいました。茎が3本あり、ネナシカズラが絡んだのは右端です。
それなのに他の2本も葉が枯れてしまいました。株がまだ完全に独立していないで、つながっているためでしょうか。

以上のことから葉の幅の広いほうはダメージが大きく、狭いほうは全くと言ってよいほどダメージが無く元気です。
この違いは何なのか。
タマムラサキには4倍体6倍体などがあるようですから、そういうものがネナシカズラの毒気に対してダメージが大きのかどうか。
興味深い疑問が湧いてきました。

或いは両者をタマムラサキとしているが、タマムラサキに似たヤマラッキョウもあるとか。もし、幅の狭いほうがヤマラッキョウとすると、
ヤマラッキョウはネナシカズラの影響を受けないが、タマムラサキは瀕死の状態にされてしまうことになります。
本来のヤマラッキョウに絡ませたらどうなるかも試してみたいところです。

また、今回幅の広いタマムラサキは他の事情があって枯れてきたことも考えられます。このこともたったの1例では排除できません。
幅広のタマムラサキの復活を待って、もう一度ネナシカズラを絡ませてみたいところです。
いろいろと興味深いことがあるわけですが、こう幾つも試してみる余裕はもはや我が身には持ち合わせていないのが残念です。

ネナシカズラ関連するブログ 20190912ネナシカズラには相性がある






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