庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

明日はイースター。イースターモン開花。 春の花たちも一気に咲き始めました。 

2018年03月31日 | 庭の花たち
 イースターモーン
明日4月1日はイースターです。それに先駆けてイースターモーンが咲きました。名前の通りイースターの朝を知ってか知らずか。いつもこの時期に大輪の優しいピンク色の花を咲かせます。
イースターは毎年日付が変わります。変動幅は30日あまりです。果たしてイースターが早い年はイースターモーンも早く咲くのか。イースターが遅い年は遅く咲くのか。過去5年間のイースターの日付とイースターモーンの開花日を調べてみました。


黄色がイースターで開花日は赤色の一番端です。 
1 イースターが早かった2016年は開花日が非常に早かった。   開花日3月13日 イースター3月27日
2 イースターが遅かった2014年は開花日も遅かった。      開花日4月14日 イースター4月20日
3 イースターがやや早かった2018年はやや早い開花。      開花日3月28日 イースター4月 1日
4 イースターがやや遅かった2017年はちょっぴり遅い開花    開花日4月 8日 イースター4月16日
5 イースターがちょっぴり早めの2015年は遅くも早くもない開花 開花日4月 7日 イースター4月 5日
こう見てみるとイースターが早い年は非常に早く開花し、遅い年はそれなりに遅く開花しています。不思議なことに開花日をイースターに合わせようとしているようでもあります。
来年2019年はイースターが4月21日と遅いのですが、はたしてイースターモーンは遅く咲くのかどうか。もし遅くなれば、やはり合わせようとしていると言えるのですが。   こんなこと考えてる雑草は超暇人ですね。

さて、このところの暖かい日の連続で、庭の春の花が一気に咲き始めています。アケビが咲き始めました。
 アケビ雄花
 アケビ雄花
 アケビ雌花
ミツバアケビはさらに早く咲いています。

 ウグイスカグラ
ウグイスカグラは満開です。今年は花数がおおいようで、赤い提灯グミが期待できます。

 カラタチ
カラタチが間もなく開花します。

 カンアオイ

 カンアオイ
カンアオイが咲きました。これは静岡付近に自生しているようです。

 タマノカンアオイ
タマノカンアオイも咲きました。花の模様が複雑です。

 ムラサキケマン

 シロヤブケマン
ムラサキケマンとシロヤブケマンが咲き始めました。

 トキワイカリソウ

 ホザキイカリソウ

 淫羊藿
イカリソウも一斉に咲き始めました。

 キルタンサス
キルタンサスが厳寒の1月を乗り越えて花を咲かせました。

 グミ
ナツグミ、ビックリグミが咲き始めました。ナナフシが来るのも間もなく?

 スノーフレーク
スノーフレークは今年も元気すぎ。

 ニリンソウ
ニリンソウも元気です。木陰で葉っぱが茂っています。

 ハルトラノオ
葉っぱがいっぱい。春を謳歌しています。

 ヒトリシズカ
ヒトリシズカがもう咲いていました。

 ムサシアブミ
鉢植えのムサシアブミはもう開花。地植えはまだタケノコのような形です。







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梅のふりをしているサクラ(偽客)

2018年03月26日 | 梅を訪ねて

お客さん  「これは梅ですよね。」
雑草    「はい。これは梅のふりをしているサクラです。」 とすまし顔。
お客さん  「???・・・ 」   ちょっと間をおいてニッコリ。


東門近くの二季咲桜は梅の木に囲まれているので、お客様が梅と勘違いしがちです。
 1月探梅のころ、梅の花がまだほんの少しの時に、かなりたくさん花をつけているこの桜の木に近寄って写真を撮られるお客さんの中には、この木を梅の木と思っておられることがあります。
まだほんの少ししか梅が咲いていないのに、もうたくさん咲いていたとお客さんが言っていたと聞くことがあります。そんな時はこの二季咲桜のことのようです。

 また、3月下旬送梅の時期になりますと、梅の花が終盤をむかえて、みすぼらしくなってきます。
そんな梅に囲まれてこの桜だけが元気に咲き始めるので、元気な梅の花見つけたとばかりに、この桜の木に近寄ってこられるお客さんがいらっしゃいます。

昨日も、「これは梅ですよね。」と、でも花の様子が梅とちょっと違うので、疑問に思われてか、確認されてきたお客さんがいらっしゃいました。そんな時には、「はい。梅のふりをしているサクラです。」とお答えしますと、急に和やかな雰囲気になることがあります。
 この時のサクラは桜ではなくて、おとり、つまり梅のふりをして、梅まつりを盛り上げてよい雰囲気を作り出してくれる二季咲桜です。

ウィキペデアには
サクラとは、公演主催者や販売店に雇われて客の中に紛れ込み、特定の場面や公演全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を作り出したりする者を指す隠語。当て字で偽客とも書く。とあります。

二季咲桜は偽客になって、梅まつりの最後をもりあげているのですね。

偕楽園には二季咲桜が、このほかに3カ所あります。

梅大使さんと記念撮影ができる東門からの大通りの奥のほうにあります。この木は大株ですが、花のつき方をみると三種類あります。




こちらは、左近の桜の近くです。


もう一本は好文亭内です。

これらの二季咲桜は、ソメイヨシノの咲き始めるころに本格的に咲きます。また秋10月頃から2月にかけて、2度目の花を咲かせます。


 
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フクジュソウ三段咲き

2018年03月24日 | 庭の花たち
 フクジュソウ三段咲
昨年、私の梅の師匠の店から連れ帰った、三段咲きのフクジュソウが咲きました。

 フクジュソウ三段咲き
これは昨年の画像です。外側から黄色、緑色、そして中心が黄色の三段になっています。
冒頭の今年の花はまだ中心の黄色が見えません。また、緑色が非常に濃いのでどんな花になるか楽しみです。


今冬の寒さは非常に厳しかったので、鉢の土が凍ってしまって心配していましたが、よい花が咲きました。朝日に輝いています。


ところが3時過ぎに帰ってきたら、もうすでに閉じていました。黒い雲が出てきて小雨も降り出してきたためでした。


夕方にはさらにしっかりと閉じてしまいました。

フクジュソウは太陽の花です。太陽が出ている間は花を開きます。
あしたてんきになあれ!!

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シュンランが咲いています。イースターモーンはいつ開花するか。

2018年03月18日 | 庭の花たち
 シュンラン
庭のシュンランが咲きました。今冬の厳しい寒さでどうなるかと心配しましたがかえって良い花を咲かせました。いよいよ春ですね。

 シュンラン
ピントが枯葉のほうに。この枯葉はアヤメです。アヤメが増えてきてシュンラン危うし。仲良く同居してほしいものです。

 ミナリジンチョウゲ
ミナリジンチョウゲは寒さで葉が落ちてしまいましたがどうにか花が咲きました。赤い実がなるのが楽しみです。

 ローマンヒヤシンス
もうすぐ50年来のおつきあいになります。


レンギョウが咲き始めました。


寒さが和らいで、無傷の椿が咲くようになりました。

今年のイースターは4月1日(日)です。
 イースターモーン
イースターの朝と名付けられたピンクの大輪の椿の蕾から少しだけ花弁が見えてきました。
イースターは年によって3月下旬から4月中旬頃までと変動します。それで数年ですが、イースターが早い年、遅い年、中間ぐらいの年にはたしてこのイースターモーンの開花時期はどうなるか調べたことがあります。不思議とイースターが早いときは早く開花、遅いときは遅めに開花しています。今年はいつかいかするでしょうか。



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見ごたえのある梅 偕楽園

2018年03月16日 | 水戸の梅
 偕楽橋より田鶴鳴梅林
満開の偕楽園です。100種3000本の梅の木の中から見ごたえのあるものを選んでみました。

 鈴鹿の関
最初は鈴鹿の関です。お客様が常磐神社境内の盆栽屋さんでこの花をご覧になって、園内の木をぜひとも見てみたいとのご要望で表門近くまでご案内しました。小輪で花の中心が濃い紅。かわいい花です。本園内の木は園路から少し離れていて、花も高い位置にしかありません。田鶴鳴梅林では目の前に見ることができます。

  関の守
鈴鹿の関によく似ていますが、鈴鹿の関よりも大輪で豪華な 関の守です。東門見晴亭の前と南崖の洞窟のわきで見ることができます。また田鶴鳴梅林の中央付近ではこれによく似た花を間近に見られます。名札は鈴鹿の関ですが、恐らく 関の守でしょう。

 白牡丹
大きな白い花白牡丹です。藤棚近くと、六名木の江南所無の近くで見られます。

 開運梅
優しいピンク色の開運梅です。藤棚近くの白牡丹の奥にあります。六名木虎の尾と月影の近くでそれぞれ見ることができます。虎の尾の近くはやや開花がおそいのでこれからでも新鮮な花を見ることができます。田鶴鳴梅林では目の前でみることができますが、花が終盤になりつつありますので急いでご確認を。

 花香美 
花も香りも素晴らしく、実もなるという花香美です。花香実とも。園路から少し遠いのですが御成門の案内板の後方にあります。望遠で見ました。ピントがいまいちよくないですが。
 花香美
水心鏡の所から、御成門トイレのほうを見ると、矢印の木が花香美です。この花香美も田鶴鳴梅林では目の前で見ることができます。

 紅千鳥
御成門から好文亭に向かう途中の十字路で空を見上げるとかわいい紅千鳥が見えます。この木も背が高いのですが、吐玉泉下の東屋脇では紅千鳥を腰を下ろして間近に見ることができます。

 玉光枝垂
玉光枝垂は紅千鳥に似た小さな花の枝垂です。六名木虎の尾から竹林に向かう園路で見ることができます。
京都府立植物園の玉光枝垂はなぜか白花のようです。

 座論
真っ白な八重咲きの花。雌しべが3本出ることの多い花です。このことから、花の中の子房を話し合っている人とみなして座論というそうです。また一説には花弁が内側に曲がっていることが多いので、これを前かがみになって話し合っている姿とみて座論と言うそうです。好文亭の中にあるほか、西梅林の開運の近くにあります。

 無類絞り
花も樹形も素晴らしい無類絞りの古木です。10年くらい前には現在左右に倒れている2本の幹がV字形に上を向いていました。右側は水平に倒れて枝が地につきました。左側は支柱によってかろうじて斜めに立っています。(立たされている)
このように自然に倒れてきて横たわった梅の木こそ真の臥竜梅ですね。迫力のあるこの木は好文亭前のトイレの前にあります。

そのほかにもまだまだ見ごたえのある梅の木がたくさんある偕楽園です。
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偕楽園で一番美しい梅 と 雌しべが一番多い梅

2018年03月11日 | 水戸の梅
 江南所無
 偕楽園で一番美しい梅と言えば、やはり江南所無でしょう。吐玉泉下で咲き始めています。蕾の時は真っ赤で、花が開くとややうすめの美しい花です。

 ところがもっと美しい梅が花盛りです。
 蝶の花形
 この梅の木は偕楽園には1本しかない木です。名前はいまのところ推定ですが、蝶の花形 です。
 蝶の花形
 ちょうど満開です。こんなにも美しい梅の花があったとは驚きです。この花こそ偕楽園で一番美しい花と自負しています。
苗木を起こして本園でも見られる日が来るとよいと思います。

 この梅の木は本園からはちょっと離れた田鶴鳴梅林です。

この蝶の花形の梅の木から猩々梅林の遠望です。満開ですね。



 こちらは蝶の花形の梅の木から好文亭方向を見ると田鶴鳴梅林の梅が満開です。この梅林の中に、雌しべの数が偕楽園で一番多い花が咲いています。
 梅の花の雌しべは通常は1本で、多くても3~4本ですが。この梅の花の雌しべの数は驚くべき本数です。
 寿
 何と雌しべが一番多い花には、一つの花に20本くらいの雌しべがあります。
 寿
 写真をトリミングして拡大して見ました。雌しべに赤い印をつけてみましたところ、18本は確認できました。昨シーズンには最高20本を確認しました。
 品種名は 寿 というものです。かなり前ですが、幾夜寝覚めの実生苗からの新品種とのことです。幾夜寝覚めよりかなり白っぽい花です。たしか小圷さんという方の作出です。この寿は八房によく似ている花です。
この寿の苗はすでに作られていると思います。これも本園へのデビューが楽しみです。
 寿
 この花の雌しべも多いですね。10本以上はあるでしょうか。中にはほとんど雌しべがない花もあるのですが、ほとんどの花は少ないものでも5~6本はあるようです。でも、雌しべの数だけ実がなることはなく、昨年は多くて3個くらい、実のならない花も多数ありました。

 梅の花は自分の花粉では実つきが悪いものです。そこで、他の梅の木の花を受粉してみました。
花粉採取
寿へ授粉
 寿
果たして今年はひとつの花に何個の実がなるでしょうか。楽しみですね。




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偕楽園の白難波と安行産の八重野梅

2018年03月09日 | 水戸の梅
 白難波
 偕楽園では安行産の八重野梅を白難波と呼んでいるとの説明を聞いたことがありましたので、八重野梅=白難波であるのかを確認したくなりました。

 現在の六名木の白難波は上の写真で、偕楽園開園当時からのものと思われる古木が御成門の西側に、現在の六名木として六角形の柵をめぐらしたものがあります。

 もともとの六名木とは昭和8年に調査を行った結果を昭和9年に水戸博物学会が偕楽園および弘道館公園内の梅品種という一覧表を発行した中に、38品種について、花の概略と所在地がしるしてあるそうです。
 一覧表の六名木は、烈公梅(弘道館北の梅林) 虎の尾(弘道館玄関右) 白難波(吐玉泉の北) 月影(好文亭玄関) 江南所無(弘道館裏) 柳川枝垂(偕楽園芝生)とあるそうです。
 このことから現在の六名木の白難波は六名木が選定された当初の六名木ではないことがわかりますが、それでも開園当初からあったことが推定される古木です。

 白難波について、八重野梅と比較したばあいの違いを、六名木選定時にも活躍されていた寺門忠之氏の苗木畑を受け継がれている私の梅の師匠に聞きましたところ、「白難波のほうが小ぶりの花である(紅難波よりは大きいが)。やや遅咲きである。花弁が細めである。」ということでした。
 なるほど、この古木の花は八重野梅よりも小さ目、やや遅い開花、旗弁が目立つなど細い花弁があります。
 白難波
また、昭和59年発行の「水戸の梅と弘道館」の著者松崎睦生氏は主な品種の特徴を詳しく聞き取り記しています。その中に白難波の萼片は老けると花片とともに反り返るとありました。そこで、あらためて見てみると、
 白難波
たしかに花片、萼片ともそりかえっていました。
 白難波
この白難波の特徴が八重野梅にも共通のものかどうかは偕楽園に八重野梅がないので詳しいところがわかりません。
もしこのことが八重野梅との違いであるなら、さらに確信をもって八重野梅と白難波は別品種であるといえるのですが、今は材料不足です。 大坪孝之梅の会会長の著書「ウメハンドブック」の八重野梅の花の裏側の写真とは色合い、反り具合ともに違いがありますが、こちらはまだ老けない、若い花ですから、もし老けたら反り返るとしても、写真の時点では反り返っていないと思います。


参考に、同じく水戸市で盆栽店をされている市毛氏の白難波の盆栽の花を見せていただきました。

やはり、八重野梅とは違った、偕楽園の白難波とよく似た花です。

ということで、白難波と八重野梅は違う品種と考えられますが、結論には至りません。

ただし、偕楽園で近年導入した白難波は、必ずしも古木の白難波とは同じというより、むしろ八重野梅に近いというか似た花に見えます。時代とともに名前は同じでもより見栄えのする花がでまわるなどして、古来の花があたかも名前が間違っているような錯覚にみまわれることがあります。
そういう目で弘道館や偕楽園の古い木の花を見回すと、どの品種もやや小ぶりのように思えますね。



 

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水戸の偕楽園から生中継 6日のNHK昼ブラ 殿様気分で新ルート

2018年03月08日 | 梅を訪ねて
 好文亭
 息子からメールがありました。明日6日のNHK昼ブラは水戸の偕楽園から生中継するらしいと。
TVの番組表に「殿様気分で梅を満喫」とあります。これは必見です。
 公式の案内パンフレットでは好文亭へお客様をご案内する順路は表門から一の木戸、竹林を経て好文亭へ。初めに陰、そして陽の世界へというのが、偕楽園の公式案内に書いてあります。
 でも、ちょっとへそ曲がりの雑草の推理は、御成門から梅林をまっしぐらに好文亭へが御成門が新設されてからの高貴な賓客の正式ルートではないかと。
 なぜなら、御成門は昭憲皇太后(明治天皇皇后)をお迎えするために新たにつくられた門ですから、一般のお客様よりさらに高貴なスペシャルゲストへのサプライズがあると思うのです。
  満月
御成門を入ると最初に出迎えるのは満月の古木が両側にあります。この木は御成門を入った直後の左側の満月です。
では右側はどこに? それは大きな案内板の後ろ側です。
賓客を歓迎する満月を隠してしまったとはちょっと残念な設置でした。
 そして、右側の満月の次には、花香美という品種があります。この梅の木については「昔、後水尾天皇が花も香も良く、実もよいとの意味で花香実と名をつけられ、一部では‘花香美’、あるいは‘花香味’ともいわれているという、天皇家ゆかりの梅の木です。今は名札落ちしたのか、枯れたのかみあたりません。また翁というめでたい名の梅の木があるなど、まさに高貴なお客様をお迎えするのにふさわしい御門となっています。

 さて、この御成門からからは好文亭への一直線園路があります。酈懸梅など珍しい梅の木があるのですが、今では詳しい案内がされることはあまりありません。
 園路の中間まで進むと十字路があります。
 十字路の冬至
 この十字路には園内でも屈指の早咲き梅が十字路の四方にあります。上の画像は十字路から御成門方向を見ています。御成門からいらっしゃる賓客には右側になります。ここに偕楽園でも最初に開花する(開花順番が片手に入る)冬至梅があります。
 反対側、十字路手前の左側には八重冬至が。十字路の向こう側左手には冬至梅、右手には八重野梅が。
御成門からこの十字路まではなぜか白梅が多いですね。
 さてこの十字路にさしかかると、かつてはここに簾の内枝垂(みすのうちしだれ)がありました。今は枯れてしまいましたが、白梅の多い園路を進んでくると、それはそれは感動する梅の木でした。
 簾の内枝垂
 ここで賓客は梅に強く興味をもたれて、案内の者に、「この梅は何という名か」とか初めて口を開かれることでしょう。
それで、ここから好文亭まではもうわずかな道のりですが、名花と言われる梅の木が次々と植えられています。
 烈公梅、月影、月の桂、道知辺、茶青花、紅千鳥などなど。それからねじれた太い古木、その風格ある幹は尊厳をこめて鉄幹ともよばれるものです。
 そして梅林の出口、茶店の手前にさしかかると左に江南にくらぶるものなしと言われた美しいい梅、水戸の六名木のひとつ江南所無、右は紅難波。こうして賓客は梅にすっかり満足されて、好文亭へ向かわれるのです。
 さらに芝前門を通り、殿様の名をいただいた烈公梅、御所紅がお出迎え。さらにさらに白滝枝垂、そしてここにも簾の内枝垂が。さらに輪違い、高砂枝垂れなどがご到着まで続きます。
 
 たしかに、高貴な賓客を表門から陰の世界に引き込むとは恐れ多いことです。御成門から清楚な白梅と天皇家ゆかりの花香美や老大木でお出迎えして、半ばを過ぎるころには目を見張る美しい花をご覧いただき、賓客にはこれから行く好文亭ではどんなにかわくわくさせるサプライズがあるだろうかと大きな期待を持っていただくという仕掛けがあるのかなと考えます。

 この大胆な雑草の推理いかがでしょうか。これこそスペシャルゲストをお迎えするのにふさわしいルートで、まさに「殿様気分で梅を満喫」ルートと思いますが。
 明日の昼ブラが楽しみですね。

以上は2月5日の投稿と一部追記


追記 2月8日他
 6日の昼ブラでは上記とほぼ同じ場所での中継となりました。
十字路少し手前から中継が始まり、数種の名花を愛でた後に、偕楽園の梅の管理者根本氏が古木の説明をしました。そのあとで苗木畑からの梅の管理の説明をはさんで、好文亭へと移動しました。
 この新しいスタイルの梅の見学ルートはいかがでしょうか。そのためには十字路にもう一度「簾の内枝垂」に匹敵する名花を植えたいものですね。

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3月初めの庭の花たち

2018年03月05日 | 庭の花たち
 原種シクラメン
厳寒の冬を庭で過ごし、気温の上昇とともに花を咲かせた原種シクラメンです。
 原種シクラメン赤花
 原種シクラメン白花
紅白の原種シクラメンがそろって庭に咲きました。急に暖かい日になりましたが、まだまだ油断できませんね。

 ローマンヒヤシンス
やせ形のヒヤシンスです。まもなく50年の付き合いになります。2度の引っ越しにもついてきて、毎年花を咲かせて楽しませてくれます。ようやく蕾が見えてきました。丈夫で長持ち。

 キツネノカミソリ
昨年は葉もほとんどなく花が咲きませんでした。今年は元気な葉が出てきたので花を期待できそうです。

 アーノルドプロミス
 アーノルドプロミス
上方伸長に優れている黄花万作。紅葉も期待できるそうだが見たことはありません。水戸では紅葉時の気象条件があわないのかも。マンサクとシナマンサクの交配種ということです。

 ヒイラギナンテン
ようやく咲き始めたヒイラギナンテン。洋物の中には花期の早いものもあるようですが、和物は遅いです。


 イワガネ雄株
暖地の植物なので今冬の異常低温が心配ですが、なんとか乗り越えて蕾が見えてきました。
 イワガネ雌株
雌株のほうはまだ蕾らしいのを確認できません。雄花よりやや遅れて咲くようなので期待しています。


 クリスマスローズ
白花は早咲きなのですがだいぶ開花が遅れたようです。

 レンテンローズ
遅咲きのレンテンローズです。今年は花数がいっぱいです。


 アケボノアセビ
茨城の山のアセビは白花しかありませんのでピンクは珍しく思います。

 ナニワズ
 オニシバリ
どちらもナツボウズと言われて、夏には全く葉がついていません。花の形などよく似ていますが、花の色を並べて比べるとナニワズは黄色、オニシバリは緑色です。

 ツバキ
 ツバキ
このところの暖かさで一気に咲き始めました。寒さに花弁が傷んでいます。

 キチジョウソウ
茂った葉を掻き分けるとキチジョウソウの赤い実が現れました。

 佐橋紅
 白加賀
 紅加賀
 緋の司
庭の4種類の梅が咲きそろいました。

つい先日までは春はまだまだ遠いと思われましたが、庭の花たちはすっかり春の準備が出来ていました。
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月影と月の桂の違いは何か

2018年03月04日 | 水戸の梅
 A2の月影
 A2の月の桂
月影と月の桂は非常によく似た花なので、いまだに花を比較してもいずれがアヤメかカキツバタのように、いずれが月影か月の桂です。
そこで今日は松崎睦生先生著の「水戸の梅と弘道館」にある月影と月の桂の説明文を詳細に比較してみました。

1 開花時期の比較
月影      
 やや早咲きの一重中小輪。
月の桂
 やや早咲きの一重中輪。
開花時期はほぼ同じということですね。月影は中小輪で、月の桂は中輪。月の桂のほうがやや花がおおきめでしょうか。上の写真では花の大きさは比較できませんが、そういわれて実物を見ますと月影のほうがちいさめかと。
両者は御成門から見晴広場への園路の左側に黒い名札がつていますので、興味のある方は見てください。ちょっと園路から遠いのが難点です。


2 花弁の形の比較
月影
 青白い丸弁が端正に開く、花弁の内凹は中位。
月の桂
 やや凹む青白い丸弁が端正に開く。
花弁の形は同じようなものでしょうか。


3 花弁の数の比較
月影
 説明なし。花の形の比較では端正に開くとあるので、5弁である。
月の桂
 五弁花であるが六弁花も現れる

花弁数は月影は5弁(のみ)で月の桂は基本は5弁であるが6弁の花も現れるということでしょう。これはわかりやすいことです。
もう一度花をチェックしてみますと。
まずは月影です。
 A2月影
それから月の桂です。
 A2月の桂
たしかに月影は5弁花で、ちょっとだけの観察なので確信はないですが、6弁花は見当たりませんでした。月の桂は冒頭の写真とこの写真では6~7弁のように見えます。


それでは園内で今咲いているほかの月影はどうかと見てきましたところ、6弁花があるかなと探しましたら、6弁花が何と見つかってしまいました。
 藤棚の月影
 藤棚の月影
上は東門大通りの藤棚の南側、見晴広場への角の月影です。6弁花を見つけてしまいました。

次は椚門の下の月影です。
 椚門下の月影

椚門下の月影
この木にも6弁花が混じっていました。
この結果からは、A2地区の月影はまさしく月影と考えられますが、藤棚南と椚門下の月影はちょっと怪しい。月の桂に近いのでしょうか。


4 花弁基部のすきまの比較
月影
 花弁基部のすき間を淡緑色をした萼片がふさぐ
月の桂
 説明なし
月の桂は花弁数が多いものもあるので、必ずしも花弁の間にすき間があるわけではないので説明がないのでしょうか。
上の花の写真を見ると、A2地区の月影にははっきりとしたすきまが確認できますが、月の桂ではほとんどすき間がありません。
また藤棚南と椚門下の6弁花もやはりすき間がほとんどないか、わずかにあります。これは6弁花を撮ったものですから、他の5弁花ではもっとすき間があるのでしょう。

5 雄しべの比較
月影
 雄しべは正開。花糸は黄色の葯をつけ花粉は多い。
月の桂
 雄しべは正開。花糸は長短あって黄色の葯をつけ花粉は多い。
月影は花糸の長さが比較的同じで、月の桂には長短あるということでしょうか。雄しべが正開と、黄色の花粉が多いというのは同じですが、他の緑萼の花と比較するときは区別点になるかもしれません。

6 花底の比較
月影
 花底は緑色を帯びた橙色。
月の桂
 花底は橙色であるが、老けると橙色が淡くなる。
どちらも橙色ですが、月影のほうが緑色を感じるということでしょうか。そういわれて上の花を見比べると確かに月の桂のほうが濃い橙色でA2地区の月影だけがちょっと薄いような気持ちになります。
この差は実物を並べて比較しないと分からないでしょう。個別に見てこの色の差がわかるのは専門家しかいないかもですね。

7 萼筒の深さ比較
月影
 萼筒は中位の深さ。
月の桂
 萼筒は浅い。
萼筒の深さは月影のほうが深いということですね。上の写真からは何とも区別がつきません。両者の花をたくさん並べてみたらその差が少しは分かるのでしょうかね。難しい。

8 萼片の比較
月影
 萼片は丸型で淡緑色。
月の桂
 萼片は丸型で若草色。
萼片の形は丸型で同じ。色が月影は淡緑色で月の桂は若草色。この違いは月影のほうは青色寄りで月の桂のほうが黄緑色寄りなのでしょうか。
萼の写真を比較してみましょう。
まずは5弁花しか見つからなかったA2地区の月影です。
 A2月影
 A2月影

次はA2地区の7弁花もあったA2地区の月の桂です。
 A2月の桂
 A2月の桂
上の月影と月の桂の違い。正直全くわかりませんね。気持ち月影のほうが青よりで月の桂が黄緑よりに見えるでしょうか。

次に6弁花のでた藤棚南と椚門下の月影の萼の様子です。
 藤棚南の月影
 藤棚南の月影
 椚門下の月影
 椚門下の月影
いかがでしょうか、藤棚南と椚門下の6弁花の出た月影の萼の色はA2地区の月影に近いか、それとも月の桂に近いかのどちらと思われますか。A2地区の月影と月の桂の色の違いもよくわからないのに、どちらの色に近いかと言われても困りますね。

9 苞の比較
月影
 萼片の外側についている苞が開花後も花梗に残っているのが月影とされている。
月の桂
 開花した時、萼片の外側についている苞が残らない。
 月の桂は花冠が大きく6弁化も混じる。
開花後に苞が残るのが月影で、苞が残らないのが月の桂ということ。果たして上記8項でアップした花の裏側の写真を比較して残っているでしょうか。それとも残っていないでしょうか。説明はわかりやすいのですが、判別はしにくいです。
「8 萼片の比較」の項目の1枚目の写真「A2の月影」が苞が最も多く残っているように見えます。いかがでしょうか。

10 香りの比較
月影
 野梅香が強く香る。
月の桂
 野梅香が弱く香る。
月影のほうが香りが強いようです。残念ながら香りは確認していませんでした。写真では全くわかりません。後日確認してみたいと思います。

今回は月影と月の桂が咲いたので咲いたことを記録するために撮ってきました。ふと違いは何かと本を見ましたところ事細かに説明がありましたので、違いをもっと意識して撮ってくれば良かったと反省しています。
月影と月の桂の違いはわかったようでわからないですね。
5弁花のみが端正に開くのが月影で、6弁花も混じるのは月の桂ではないかというのが雑草の当座の結論ですね。




コメント (4)
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