10月5日にアウェーで行われた天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会準決勝鹿島アントラーズ戦ですが、試合結果は1対0でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は前半に挙げた宮崎選手のゴールでした。
☆3-4-2-1スタート
ここ最近のリーグ戦では4-1-4-1(4-1-2-3)のフォーメーションで戦っているヴァンフォーレ。前によりプレッシャーがかけられるということで、消極的にならずポジティブに進めていくためにできる限り引かないサッカーを展開してきましたが、やはり戦術変更後の経験不足の影響が出てリーグ戦で6連敗を喫するなど白星へ繋げられないモヤモヤした日々が続いていました。この天皇杯の舞台でも戦い方の継続が予想されていましたが、この試合に向けて吉田監督が取ったのはシステムを3-4-2-1に戻す選択でした。シーズン開幕から9月中旬までの大半の時期をこの3-4-2-1のかたちをベースに戦っており、選手たちの連携や経験は現フォーメーションよりも実績十分。それにこの試合から急に変えたことで、相手チームの分析を担当する鹿島のスカウティングを混乱させる狙いもあったと思います。この天皇杯に照準を合わせてやってきた鹿島の練習はヴァンフォーレが4-1-4-1のフォーメーションを使ってきたことを視野に入れていたと思うので、その対策の大半が肩透かしになったことが濃厚。そして開始前から相手の心理状態を揺さぶる頭脳的な選択ができたと思いますね。
☆アグレッシブに仕掛け帰陣早いヴァンフォーレ
最近のリーグ戦では立ち上がりからアグレッシブに動いてボール奪取を試み、試合の主導権を握ろうと努力していたヴァンフォーレ。その積極性は今回フォーメーションが変わっても変わらず持ち続けており、鹿島相手でも臆することなく立ち向かっていきます。特に山田選手や石川選手などボランチの位置でボールが奪えると、シャドーやウイングバックなど他のポジションの選手が反応して攻撃に上がっていく姿勢をみせ、パスコースの増加など攻撃の選択肢を多く作り出していました。またチームの仕掛けがうまくいかずに相手ボールとなったときには素早く攻守を切り替えて急いで自分の守備の担当エリアに戻るなど、選手一人一人が守備意識高く戦えていましたね。なので鹿島としては攻撃時に狙えるスペースが見つけられずに攻撃スピードが遅くなるなど苦労していた印象があります。ただし攻撃に積極的に出ていき守備時にいち早く戻っていたので選手たちの体力面が少し心配でしたが、後先考えずにまずは自分たちにペースを引き寄せることを最優先で試合を展開していたと思います。
☆序盤は一進一退の攻防戦
積極的に仕掛けていたヴァンフォーレは前半21分、左サイドの展開から長谷川選手が反転して前方にスルーパスを供給。相手の2CBの間にポジショニングを取っていた三平選手が抜け出してシュートをゴールに決めますが、パスを受ける段階で三平選手がほんの少し飛び出していたとしてオフサイドの判定でゴールならず。長谷川選手の素晴らしいパスセンスと三平選手のしたたかな動き出しにより惜しいシーンを作り出します。その1分後には今度は鹿島が攻勢に転じ、アルトゥール・カイキ選手のパスを鈴木選手がボレーで合わせますが、その強烈なシュートはゴール右隅を外れていきます。お互いに決定機があった序盤の時間帯で、先にその積極姿勢が得点として実を結んだのはヴァンフォーレでした。
☆宮崎選手ビューティフルトラップからの先制ゴール
前半37分、後方でパスを繋ぐヴァンフォーレは最終ラインの浦上選手にボールを預けます。すると浦上選手がボールを持った瞬間に前線にいた宮崎選手がスピードのギアを上げてゴールに向かう動きを試みます。その動きを見逃さなかったのは浦上選手。すぐに前方に向かってロングフィードを供給すると走り出していた宮崎選手にピンポイントでパスが渡ります。宮崎選手はトラップした後に相手マーカーとGKの位置を瞬時に確認しながらシュートコースを作るライン取りを行い、GKをかわして無人のゴールにシュートを流し込みます。このシーンはロングフィードの出し手の浦上選手と受け手の宮崎選手のプレーの呼吸がバッチリ合ったことから始まり、宮崎選手は単純に縦に向かっていくのではなくオフサイドを取られないように鹿島のDFラインに沿うように動き出していたことも秀逸でしたね。また宮崎選手のファーストタッチは絶品で、背後から来るロングフィードをスピードを殺さずにトラップしそのままの状態でプレーできたことで、ほぼこのシーンの勝負は決まっていたように思います。先制点に繋がる重要な場面だったので、抜け出しを図るところで普通なら緊張してしまうケースも見られますが宮崎選手は冷静にプレーできていたので、彼のサッカースキルの高さとこの試合に臨む集中力の高さが発揮された良いシーンだったと思います。
☆後半開始から猛攻を仕掛ける鹿島
前半を1対0で折り返した後半、鹿島はまず同点に追いつくために動きます。後半開始から仲間選手とエヴェラウド選手の攻撃的な2選手をピッチに送り出します。特にエヴェラウド選手は実績十分の点取り屋で181cmながらも競り合いがうまく空中戦に強いタイプのFW。4-4-2のフォーメーションから彼をトップに置いて鈴木選手や仲間選手&アルトゥール・カイキ選手らを1.5列目に並べる4-2-3-1のフォーメーションに変えて後半の勝負を挑んできました。鹿島は空中戦に強いエヴェラウド選手を攻撃の柱にして、シンプルに彼にハイボールを当てる戦術を採用。そこからのポストプレーの流れから他の攻撃陣が前を向いて仕掛けてくる一連の仕掛けは強力で、ヴァンフォーレ守備陣は堪らずラインが下がってのディフェンスを強いられます。なぜ押される展開に変わってしまったかというと、ヴァンフォーレの守備陣に高さがあるDFがマンシャ選手くらいしか見当たらなかったことが挙げられます。鹿島の選手たちは試合巧者なので、マンシャ選手をゴール前から引きずり出す仕掛けを頻繁に行っており、背がそんなに高くない浦上選手と須貝選手が懸命に相手と競り合っている印象でしたね。後半22分にはマンシャ選手を越えたクロスボールがゴール前に入ってエヴェラウド選手の頭にピタリと合いますが、GK河田選手のファインセーブに助けられるなどあわやの場面がありました。この完全に押されている展開を改善させたのは吉田監督の一手でした。
☆流れを引き寄せたのは野澤陸選手の投入
エヴェラウド選手の際どいヘディングシュートがあったその6分後、ヴァンフォーレは選手交替を決断。荒木選手に代えて野澤陸選手&三平選手に代えてウィリアン・リラ選手を投入します。荒木選手がいた左ウイングバックに須貝選手が移り、野澤陸選手は3バックでプレー。野澤陸選手は185cmの長身を活かした守備が得意で、競り合いに強いマンシャ選手の頭上をクロスボールが越えても、野澤陸選手が控えることで空中戦の守備の安定感が飛躍的に向上。それからの時間はエヴェラウド選手にこれといった決定機に繋がる仕事をさせませんでしたね。必然的にエヴェラウド選手から攻撃を組み立てようとしていた鹿島の攻撃の勢いを抑えることに成功。相手のプランを崩すきっかけとなった野澤陸選手の起用は大正解だったと思います。
☆リラ選手のキープで時間稼ぎ
野澤陸選手も競り合い時に存在感を示していましたが、彼と同時に起用されたウィリアン・リラ選手の存在感も抜群でした。守勢時には自陣に戻ってチームの守備に加わってセットプレーなどで大きな壁となり、味方が大きくクリアした場面ではその屈強なフィジカルを駆使して前線で競り合い、簡単に相手にボールを渡すことなくキープして時間を使えていました。終盤の時間で1点を守り切りたい展開となったときのリラ選手の存在感はとても頼もしく、体を張って相手と競り合い競り勝つことで味方が感じていた守備の圧迫感から解放させてくれるきっかけとなっていましたね。特に何が起こるか分からない時間帯の後半アディショナルタイムには相手に本格的なパワープレーをさせないことに繋がっていたと思います。リラ選手や他の選手の頑張りもあって最後まで守り切ったヴァンフォーレ。見事1対0の勝利でJ1上位クラブを破るジャイアントキリングを達成させました。
☆勝因は?
この試合ヴァンフォーレが勝利した要因として個人的に考えられるのが、システムが変わっても積極性を示せたことが第一に挙げられると思います。ヴァンフォーレはこの試合からフォーメーションを4-1-4-1(4-1-2-3)から3-4-2-1に変更。ここ数試合で発揮したアグレッシブさを求めた挑戦がフォーメーションを変えた今回でも引き続き活かされていたのは収穫点で、もちろん天皇杯への強い気持ちと思い入れもあったと思いますが、その積極性と開幕戦から9月中旬まで今シーズン頑なに続けてきたこれまでの連携面の充実などの経験がプラスされ役に立っていたと思います。あとは前半37分の宮崎選手の先制点で自分たちはJ1上位の強豪クラブ相手でも通用するという自信を得られたと思います。通常ならあれだけスタートから飛ばして動くと終盤の時間帯に反動がきてバテてくる可能性が高くなるのですが、それが目立たなかったということは先制点で得たアドレナリンが体内を駆けめぐり、それが最後まで選手たちを突き動かすエネルギーとなっていた気がしますね。吉田監督の采配も忘れずに評価しなければいけません。野澤陸選手やウィリアン・リラ選手の起用も効果的で動き回って疲れてきた宮崎選手や山田選手を交代するタイミングも良かったと思います。これまでは5人代えられる選手枠の使用を全部使わずにサポーターから批判の声が上がる場面もありましたが、それはリードされ追いかけている状態だったから。今回は1点を守る展開だったので守備のバランスを崩さないために余計な戦力を無理して使わずピッチ内の現有戦力の維持に努めたことが、最後まで守備のクオリティを保てた原因でしたね。
…この勝利によりヴァンフォーレはクラブ史上初の天皇杯での決勝進出が決定。10月16日に日産スタジアムでサンフレッチェ広島と対戦することが決まりました。あと1勝でタイトルがかかっているということで、決勝のチケットは売れ行き好調の様子。応援バスも計20台を走らせるようで、当日のスタジアムは多くのヴァンフォーレサポーターでスタンドが溢れると思います。ここまで来たら優勝できるように選手やチームはもちろん、日本中にいるヴァンフォーレサポーターやスポンサーも含めて一致団結して戦いましょう!
【ハイライト】第102回天皇杯 ヴァンフォーレ甲府 vs.鹿島アントラーズ|準決勝
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☆3-4-2-1スタート
ここ最近のリーグ戦では4-1-4-1(4-1-2-3)のフォーメーションで戦っているヴァンフォーレ。前によりプレッシャーがかけられるということで、消極的にならずポジティブに進めていくためにできる限り引かないサッカーを展開してきましたが、やはり戦術変更後の経験不足の影響が出てリーグ戦で6連敗を喫するなど白星へ繋げられないモヤモヤした日々が続いていました。この天皇杯の舞台でも戦い方の継続が予想されていましたが、この試合に向けて吉田監督が取ったのはシステムを3-4-2-1に戻す選択でした。シーズン開幕から9月中旬までの大半の時期をこの3-4-2-1のかたちをベースに戦っており、選手たちの連携や経験は現フォーメーションよりも実績十分。それにこの試合から急に変えたことで、相手チームの分析を担当する鹿島のスカウティングを混乱させる狙いもあったと思います。この天皇杯に照準を合わせてやってきた鹿島の練習はヴァンフォーレが4-1-4-1のフォーメーションを使ってきたことを視野に入れていたと思うので、その対策の大半が肩透かしになったことが濃厚。そして開始前から相手の心理状態を揺さぶる頭脳的な選択ができたと思いますね。
☆アグレッシブに仕掛け帰陣早いヴァンフォーレ
最近のリーグ戦では立ち上がりからアグレッシブに動いてボール奪取を試み、試合の主導権を握ろうと努力していたヴァンフォーレ。その積極性は今回フォーメーションが変わっても変わらず持ち続けており、鹿島相手でも臆することなく立ち向かっていきます。特に山田選手や石川選手などボランチの位置でボールが奪えると、シャドーやウイングバックなど他のポジションの選手が反応して攻撃に上がっていく姿勢をみせ、パスコースの増加など攻撃の選択肢を多く作り出していました。またチームの仕掛けがうまくいかずに相手ボールとなったときには素早く攻守を切り替えて急いで自分の守備の担当エリアに戻るなど、選手一人一人が守備意識高く戦えていましたね。なので鹿島としては攻撃時に狙えるスペースが見つけられずに攻撃スピードが遅くなるなど苦労していた印象があります。ただし攻撃に積極的に出ていき守備時にいち早く戻っていたので選手たちの体力面が少し心配でしたが、後先考えずにまずは自分たちにペースを引き寄せることを最優先で試合を展開していたと思います。
☆序盤は一進一退の攻防戦
積極的に仕掛けていたヴァンフォーレは前半21分、左サイドの展開から長谷川選手が反転して前方にスルーパスを供給。相手の2CBの間にポジショニングを取っていた三平選手が抜け出してシュートをゴールに決めますが、パスを受ける段階で三平選手がほんの少し飛び出していたとしてオフサイドの判定でゴールならず。長谷川選手の素晴らしいパスセンスと三平選手のしたたかな動き出しにより惜しいシーンを作り出します。その1分後には今度は鹿島が攻勢に転じ、アルトゥール・カイキ選手のパスを鈴木選手がボレーで合わせますが、その強烈なシュートはゴール右隅を外れていきます。お互いに決定機があった序盤の時間帯で、先にその積極姿勢が得点として実を結んだのはヴァンフォーレでした。
☆宮崎選手ビューティフルトラップからの先制ゴール
前半37分、後方でパスを繋ぐヴァンフォーレは最終ラインの浦上選手にボールを預けます。すると浦上選手がボールを持った瞬間に前線にいた宮崎選手がスピードのギアを上げてゴールに向かう動きを試みます。その動きを見逃さなかったのは浦上選手。すぐに前方に向かってロングフィードを供給すると走り出していた宮崎選手にピンポイントでパスが渡ります。宮崎選手はトラップした後に相手マーカーとGKの位置を瞬時に確認しながらシュートコースを作るライン取りを行い、GKをかわして無人のゴールにシュートを流し込みます。このシーンはロングフィードの出し手の浦上選手と受け手の宮崎選手のプレーの呼吸がバッチリ合ったことから始まり、宮崎選手は単純に縦に向かっていくのではなくオフサイドを取られないように鹿島のDFラインに沿うように動き出していたことも秀逸でしたね。また宮崎選手のファーストタッチは絶品で、背後から来るロングフィードをスピードを殺さずにトラップしそのままの状態でプレーできたことで、ほぼこのシーンの勝負は決まっていたように思います。先制点に繋がる重要な場面だったので、抜け出しを図るところで普通なら緊張してしまうケースも見られますが宮崎選手は冷静にプレーできていたので、彼のサッカースキルの高さとこの試合に臨む集中力の高さが発揮された良いシーンだったと思います。
☆後半開始から猛攻を仕掛ける鹿島
前半を1対0で折り返した後半、鹿島はまず同点に追いつくために動きます。後半開始から仲間選手とエヴェラウド選手の攻撃的な2選手をピッチに送り出します。特にエヴェラウド選手は実績十分の点取り屋で181cmながらも競り合いがうまく空中戦に強いタイプのFW。4-4-2のフォーメーションから彼をトップに置いて鈴木選手や仲間選手&アルトゥール・カイキ選手らを1.5列目に並べる4-2-3-1のフォーメーションに変えて後半の勝負を挑んできました。鹿島は空中戦に強いエヴェラウド選手を攻撃の柱にして、シンプルに彼にハイボールを当てる戦術を採用。そこからのポストプレーの流れから他の攻撃陣が前を向いて仕掛けてくる一連の仕掛けは強力で、ヴァンフォーレ守備陣は堪らずラインが下がってのディフェンスを強いられます。なぜ押される展開に変わってしまったかというと、ヴァンフォーレの守備陣に高さがあるDFがマンシャ選手くらいしか見当たらなかったことが挙げられます。鹿島の選手たちは試合巧者なので、マンシャ選手をゴール前から引きずり出す仕掛けを頻繁に行っており、背がそんなに高くない浦上選手と須貝選手が懸命に相手と競り合っている印象でしたね。後半22分にはマンシャ選手を越えたクロスボールがゴール前に入ってエヴェラウド選手の頭にピタリと合いますが、GK河田選手のファインセーブに助けられるなどあわやの場面がありました。この完全に押されている展開を改善させたのは吉田監督の一手でした。
☆流れを引き寄せたのは野澤陸選手の投入
エヴェラウド選手の際どいヘディングシュートがあったその6分後、ヴァンフォーレは選手交替を決断。荒木選手に代えて野澤陸選手&三平選手に代えてウィリアン・リラ選手を投入します。荒木選手がいた左ウイングバックに須貝選手が移り、野澤陸選手は3バックでプレー。野澤陸選手は185cmの長身を活かした守備が得意で、競り合いに強いマンシャ選手の頭上をクロスボールが越えても、野澤陸選手が控えることで空中戦の守備の安定感が飛躍的に向上。それからの時間はエヴェラウド選手にこれといった決定機に繋がる仕事をさせませんでしたね。必然的にエヴェラウド選手から攻撃を組み立てようとしていた鹿島の攻撃の勢いを抑えることに成功。相手のプランを崩すきっかけとなった野澤陸選手の起用は大正解だったと思います。
☆リラ選手のキープで時間稼ぎ
野澤陸選手も競り合い時に存在感を示していましたが、彼と同時に起用されたウィリアン・リラ選手の存在感も抜群でした。守勢時には自陣に戻ってチームの守備に加わってセットプレーなどで大きな壁となり、味方が大きくクリアした場面ではその屈強なフィジカルを駆使して前線で競り合い、簡単に相手にボールを渡すことなくキープして時間を使えていました。終盤の時間で1点を守り切りたい展開となったときのリラ選手の存在感はとても頼もしく、体を張って相手と競り合い競り勝つことで味方が感じていた守備の圧迫感から解放させてくれるきっかけとなっていましたね。特に何が起こるか分からない時間帯の後半アディショナルタイムには相手に本格的なパワープレーをさせないことに繋がっていたと思います。リラ選手や他の選手の頑張りもあって最後まで守り切ったヴァンフォーレ。見事1対0の勝利でJ1上位クラブを破るジャイアントキリングを達成させました。
☆勝因は?
この試合ヴァンフォーレが勝利した要因として個人的に考えられるのが、システムが変わっても積極性を示せたことが第一に挙げられると思います。ヴァンフォーレはこの試合からフォーメーションを4-1-4-1(4-1-2-3)から3-4-2-1に変更。ここ数試合で発揮したアグレッシブさを求めた挑戦がフォーメーションを変えた今回でも引き続き活かされていたのは収穫点で、もちろん天皇杯への強い気持ちと思い入れもあったと思いますが、その積極性と開幕戦から9月中旬まで今シーズン頑なに続けてきたこれまでの連携面の充実などの経験がプラスされ役に立っていたと思います。あとは前半37分の宮崎選手の先制点で自分たちはJ1上位の強豪クラブ相手でも通用するという自信を得られたと思います。通常ならあれだけスタートから飛ばして動くと終盤の時間帯に反動がきてバテてくる可能性が高くなるのですが、それが目立たなかったということは先制点で得たアドレナリンが体内を駆けめぐり、それが最後まで選手たちを突き動かすエネルギーとなっていた気がしますね。吉田監督の采配も忘れずに評価しなければいけません。野澤陸選手やウィリアン・リラ選手の起用も効果的で動き回って疲れてきた宮崎選手や山田選手を交代するタイミングも良かったと思います。これまでは5人代えられる選手枠の使用を全部使わずにサポーターから批判の声が上がる場面もありましたが、それはリードされ追いかけている状態だったから。今回は1点を守る展開だったので守備のバランスを崩さないために余計な戦力を無理して使わずピッチ内の現有戦力の維持に努めたことが、最後まで守備のクオリティを保てた原因でしたね。
…この勝利によりヴァンフォーレはクラブ史上初の天皇杯での決勝進出が決定。10月16日に日産スタジアムでサンフレッチェ広島と対戦することが決まりました。あと1勝でタイトルがかかっているということで、決勝のチケットは売れ行き好調の様子。応援バスも計20台を走らせるようで、当日のスタジアムは多くのヴァンフォーレサポーターでスタンドが溢れると思います。ここまで来たら優勝できるように選手やチームはもちろん、日本中にいるヴァンフォーレサポーターやスポンサーも含めて一致団結して戦いましょう!
【ハイライト】第102回天皇杯 ヴァンフォーレ甲府 vs.鹿島アントラーズ|準決勝

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