難しい試合もきっちり勝ち点3獲得【鹿児島ユナイテッド戦】

9日にアウェーで行われた2019年明治安田生命J2リーグ第3節鹿児島ユナイテッドFC戦ですが、試合結果は1対0でヴァンフォーレが勝利しました！ヴァンフォーレの得点は後半7分の小椋選手のゴールでした。


前節のスタメンから武岡選手に代わり橋爪選手を起用してきた伊藤監督。左の内田選手とともに右ウイングバックも攻撃的な選手を使うことによって、サイドの推進力も高めたいという意図が読み取れます。ヴァンフォーレはJ3から上がってきた鹿児島に対して積極的に展開して試合の主導権を握りたかったのですが、相手の激しい寄せや中盤での球際の強さに圧されてなかなかボールを持つ機会が得られません。鹿児島はサイドからリズミカルに横パスを繋げて逆サイドに展開。内田選手や橋爪選手が攻撃参加するために上がっていた背後のスペースをタイミングよく使ってうまく攻勢を仕掛けてきましたね。サイドのスペースを突破されてクロスボールをゴール中央に供給される回数が多かったものの、守備陣はゴール前でたくましく跳ね返すことができていました。

試合は両チームとも攻守に運動量多く動き回っていましたが、全体的にはパスを細かく繋いで攻める鹿児島としっかりと守備ブロックを形成して速攻を狙っているヴァンフォーレという構図でした。難しい展開でしたが、前半30分にドゥドゥ選手がエリア内で倒されたとしてPKのチャンスを獲得します。キッカーに立候補したのはピーターウタカ選手。蹴る前に微妙な間があったことも影響してかウタカ選手のシュートはゴール隅を外れていきます。このシーンではウタカ選手はPKを自分が蹴りたいという味方との主張の駆け引きに多くの気を使ってしまったことと、ペナルティマークにボールを置く直前に主審にソックスを上げるように注意されるなど、精神を研ぎ澄ませて落ち着いて蹴らなければならないシーンで余計な労力や気を使ってしまい集中力が削がれていたように感じましたね。絶好の先制点のチャンスをふいにしたヴァンフォーレでしたが、後半開始早々に待望のゴールを挙げることに成功します。後半7分セットプレーのチャンスを掴んだヴァンフォーレは、キッカーの内田選手の強めのクロスボールが相手に当たりファーサイドに流れます。そこに飛び込んだのは小柳選手。体勢が崩れながらヘディングシュートを放つもののシュートはポスト直撃。しかしそのシュートのこぼれ球にいち早く反応したのが小椋選手でした。後方から走り込んで豪快に右足を振り抜き、ゴールネットに突き刺さる見事な得点を決めました。

1点リードしてからはリスクをかけずに守備面でより集中力を高める戦い方を敢行。ドゥドゥ選手に代わり佐藤和選手を起用し、攻撃よりも中盤でリズムが生まれるような中盤の構成力を重視した戦いにシフトチェンジしていきました。1試合トータルのパス本数はヴァンフォーレが314本に対して鹿児島は624本とほぼ倍近く鹿児島に多くのパスを回されて終始攻められていた印象を受けますが、実際にはリスクをあまりかけずに要所要所を締めていたヴァンフォーレの計画的な勝利だったと個人的には思いましたね。


今シーズンのヴァンフォーレは守備をしっかりと整備して攻撃は前線のウタカ選手やドゥドゥ選手の個の力による突破がメインとなっています。攻撃力は格段に高められなくてもそれを犠牲にしてまで交代枠の守備的選手の起用でさらに守備力をアップさせ、相手に攻め入る隙を与えない伊藤監督の采配のしたたかさが感じられます。リスクをかけずに隙という隙を埋めに埋める徹底した組織力が今のところ実を結んでいると思います。しかしこの戦い方はうまくいっている今は良いのですが、もし予想外の展開となって追いつかれ＆追い越されたときに、今の状態からスタイルを変えてリスクをかけて得点を狙いにいけるかその力がすぐにみせられるかといったら疑問符がつくと思います。相手に先制されたときや終盤に得点が欲しい展開になったときにどうやって相手に圧力をかけてゴールに迫っていくか、今から考えてすぐにその方法を実践できるような準備をしていく必要性があると思います。先制パンチ＆逃げ切るスタイルだけではなく、殴られても主体的に何度も相手にパンチを当てていくスタイルもこれから求められてくるでしょうね。

この勝利でヴァンフォーレは開幕から続くアウェー3連戦を2勝1分け（勝ち点7）という無敗の成績で終えることができました。この3連戦は勝ち点6以上がノルマだと個人的には思っていたので、勝ち点7という結果は評価して良いと思います。次の第4節はようやくホームで試合ができます。ホーム開幕戦をスタジアムで選手たちに声援を送りたいと思っている山梨のサポーターが大勢います。2連勝を祝いたいと思っているサポーターが大勢います。スタンドから包み込む大勢のサポーターの力を借りてぜひとも勝利に向かって次節も頼もしく戦ってほしいと思います。



【公式】ハイライト：鹿児島ユナイテッドＦＣvsヴァンフォーレ甲府 明治安田生命Ｊ２リーグ 第3節 2019/3/9





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