悪妻愚母&鬼嫁

専業主婦のバタバタ日常。ドラマ、本、P、菓子なども気分に任せて語っています。My Homepage悪妻愚母もよろしく。

血涙(下) 北方謙三 

2007-05-04 18:51:26 | 本 コミック
 ネタバレあります。

 記憶を取り戻した遼の武将石幻果、自分は宋の楊家四男、楊四郎延朗だった! 悩み抜く四郎。yumikongとしては四郎に戻って~! 

 石幻果の悩む様子から、自裁(自殺)するかも知れないと感じた妻瓊峨姫は、そのことを耶律休哥に伝える。自裁?、それもいいのかもと思ってしまう私。悲しむ者は多い。しかし、兄弟対決となってもどうせ、どちらかが死んでしまうのだから、哀しい対決だけでも避けられる。犠牲も少ない。
  
 しかし、石幻果のもとを訪れた耶律休哥は「お前に許されているのは、選ぶことだけだ」と言い放つ。耶律休哥は石幻果を斬りつけていく。斬りつけられるたびに死の淵を彷徨う石幻果だが、強靭な体力の彼は何度も息を吹き返す。ここでも私は耶律休哥が石幻果を殺してくれることを願った。結果、、。耶律休哥は石幻果の体の中の四郎を切り捨てた。石幻果の中で四郎は死に、石幻果として生きていく決心がついたのだ。

 密かに遼に来た六郎にも、記憶をなくしていた顛末は話すものの、苦しみぬいた末の自分を「私には石幻果が生き延びたとしか言えぬ」と表現、「次は戦場で会おう」と宣言する。六郎としても、どこかで予測していたこと。吹っ切れた。ここで読者も吹っ切らなければならないのだけど、、。

 一方宋の国元には死んだと思われていた五郎が現れる。片腕をなくし僧として隠遁生活をしていたのだ。しかし剣の腕は磨いていた。亡霊として戦いとは無縁の場所にいたが、亡霊は亡霊が斬らなければならないと、自分にも出来ることがあったと登場。ここでもyumikonng、多分返り討ちに逢うのだろうと思いながらも、五郎、四郎を斬ってあげて~、災いを少しでも小さくして~と願う。ああ、それにしても楊家の血同士が殺し合いをすることには変わりないのだけれど、、。

 僧籍の商人を装って、五郎が四郎の元に行く途中、父楊業を裏切り死に追いやった潘仁美、潘章父子の潘章を見かける。胸のすくような復習劇。読んでいる者としては、やっとここで少し気が晴れる。

 しかし、楊家にとっての悲劇的最後(多分)に向かって話は進んで行く。四郎と対面した五郎。剣技、技、意地でもなく、生命でもなく、哀しみと哀しみのぶつかり合い。五郎は斬られていく。残念。ここで、読者は、yumikongは覚悟を決めなくてはいけないのだが、、。 

 いよいよ戦いの時期がきた。ここでyumikong反則技! 心配で心配で、終章「草原」を先に読んでしまった! 号泣どころでなく嗚咽。夜中の2時におばさんが泣いていたら怖いけど。

 結局は兄弟決戦は避けられなかったようだ。多くのものが死んだ。覚悟を決めて、落ち着いて元に戻り読み直そうと思ったが、、。呆然としてしまい、昨晩は無理。