悪妻愚母&鬼嫁

専業主婦のバタバタ日常。ドラマ、本、P、菓子なども気分に任せて語っています。My Homepage悪妻愚母もよろしく。

血涙(上) 北方謙三 

2007-05-03 17:32:31 | 本 コミック
 普通、上巻を読んだだけでコメントすることはないと思う。でもここで一息入れなくては。ぐ~っと入り込みすぎ。まだ5月になったばかりだが、「楊家将」と共に、今年一番の本になりそう。「楊家将」の読後、悲劇を予想して「血涙」を読むのをためらっていたけれど、それも3日(笑)。続きを読みたい気持ちが勝った。面白すぎる、でも、読み進むのが辛過ぎる。

 ネタバレあります。

 記憶を失ったまま敵国遼の耶律休哥(やりつきゅうか)の捕虜となった宋の楊家四男、楊四郎延朗。石幻果(せきげんか)と名づけられ、遼の将として圧倒的能力を発揮。そりゃ、楊家の血を引くものだから。遼の太后にもみとめられ、敵同士であったころからお互いに惹かれあっていた、太后の娘、瓊峨姫(けいがき)との結婚も許される。

 しかし、彼は単なる宋の一将軍だったのはなく、軍閥楊家の長、亡き楊業の四男なのだ。そもそも記憶を失ったことが、彼の苦悩を招く。宋側の一将として遼と戦かう中で、耶律休哥に追い詰められ、打ちのめされたとき、息の根を止められてしまうか、記憶を失わなければ、さもなくば一生記憶を失ったままでいられたらまだましだったかもしれない。ああでも、記憶を失ったままだったとしても、宋側にいる兄弟との戦いは回避できないかぁ(涙)。何としても、兄弟同士の戦いはむごすぎるから避けたいんだ。

 石幻果が四郎かもしれないと最初に感づくのは、楊家側。確かめるために探っていた昔の部下で兄弟のように育った方礼は、「この方礼を四郎殿が斬るのですか」という言葉を残して四郎に斬られてしまう。四郎は名剣吸葉剣の切れ味を語るのみ、ただの間者を斬ったとしか思っていない。もう、ここでyumikong号泣。どうしても兄弟対決に行ってしまうんだ~と。

 戦況は動き、遼、宋が対峙するなか、別働隊として働くもの同士、耶律休哥、石幻果の隊(遼)と楊軍六郎、七郎、九妹の隊(宋)が直接対決。ああ、どうしよう! 耶律休哥は七郎、九妹と、石幻果は六郎と息づまる戦い。どちらも譲らない攻防。

 そして二日目、石幻果と六郎が剣を交える直接対決に。六郎の剣が石幻果の兜を飛ばし、お互いに頬と肩に傷を負う。その時、四郎と呼ばれて自分が呼ばれたと感じた石幻果。

 戦い後、耶律休哥に問われた石幻果は『「すべて。すべて思い出しました。」と膝を折り、叫びに近い泣き声をあげた』って、もうだめ~。残酷すぎる。

 こらからどうする四郎! 遼の太后の妹瓊峨姫と結婚して、子までなしている石幻果として、実の兄弟とたたかうのか。それとも記憶の戻った楊四郎として妻子を捨てるか連れるかして宋側に付くのか。楊家に戻ったとしても妻は遼の太后の娘、今度は彼女が敵として身内に対峙しなければならなくなる。多分前者だろうなぁ(涙)。どちらも地獄のような究極の選択だ!

 連休で息子も帰っているのに、、。徹夜してでも下巻読みます。

追伸:ちょっと思い出した。間違えだったらごめんなさい。京劇のようなもので一場面だけだけれど見たかも知れない。兄弟と戦う決意をする武将の涙の場面。これって、四郎だったのか。全く違う話で他の武将か、記憶違いだといいのだけれど、、。