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como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

篤姫 第1話「天命の子」

2008-01-07 21:23:49 | 過去作倉庫07~10
 大河ドラマウォッチャーの皆様、お久しぶりでございます! 今年もまた、大河ドラマ第1回を観賞し、レビューを上げる初日がやってまいりました。
 いやー、しかしビックリしましたね。去年のむさ苦しく暑苦しいお馬さんだらけのOPから打って変わって、今年は…。
 えーと、とりあえずクレジットは2年ぶりに縦書きです。で、今までこういうのはなかったですが、キャストの名前が短冊のようなのの上にのってます。画面はオレンジ基調のやわらかなカラーで、ちょうちょやお花がヒラヒラ舞う中、宮崎あおいのシルエット・ときどき実写がユルユル動き回るんですが、映画「SAYURI」のチャン・ツィイーみたいですね。
 音楽は優しげで、きれい。大河でこういう音楽も珍しいですが、気に入りました。去年の雰囲気とのギャップ(同じ枠とは思えん)にクラクラしましたが。

 さて、お話の最初の舞台となるのは、1835年の夏の鹿児島です。薩摩藩主・島津家の分家のひとつ、今和泉島津家では、奥方様が妊娠中。猛暑のなか、ふいにバッタリ倒れた奥方は、異常な夢を見ました。
 庭先に、なにか異様にアングラな、まるで行者姿の麿赤児みたいな(笑)男が現れて、「その娘を江戸に連れていく!」とのたまうのです。ビックリした奥方。この奥様が樋口可南子なんですが、相変わらずきれいですね。この方は加齢とともに透明感が増して素敵です。
 ご主人の島津忠剛が、長塚京三。このご主人様は、人柄はよさそうですが良いばっかりという感じです。

 折も折、藩主島津忠興の世継ぎ・島津斉彬が、はじめてのお国入りで薩摩にやってきてました。
 出た、桃太郎侍…じゃない高橋英樹は、15年前の「翔ぶが如く」で弟の島津久光のほうを演じていて、ワタシの脳内キャストもずっと久光=桃太郎だったんで、どうもややこしいです。どっちにしろ桃太郎は貫禄ありすぎで、世子の初めてのお国入り、なんて若々しい感じが全然しません。これから貫禄とキャラが折り合ってくるのでしょうけど…。まあ、無理な若作りするよりよかったか。
 桃太郎・斉彬さまは、分家に赤ちゃんが生まれることも知っていて、忠剛にお守りをくれます。同じものを、やっぱり奥さんが妊娠中の家臣・肝付兼吾にもくれます。ゆきとどいた心遣いに「なんと大きな方なのだ」と感激する家臣たちでした。
 そして桃太郎は江戸に帰っていき、肝付家と今和泉島津家には、相次いで赤ちゃんが生まれました。肝付家は男の子、今和泉島津家には女の子で、於一(おかつ)と名づけられます(この赤ちゃんかわいかった…)。
 
 薩摩の藩主は島津斉興@長門裕之です。桃太郎のお父様(には見えんけど)ですね。江戸屋敷で寝そべってお妾さんにお灸をしてもらい、「斉彬なんかに誰が(家督を)譲るか~!」と唸ってます。どうも深い確執がありそうですね。…といってもキャラがこれなので、去年の仲代&亀治郎親子のようなドロドロはなさそうですが。
 そのお妾さんというのが、有名な悪女・お由羅。涼風真世なんですが、この人って別の意味で奇怪だなあ…。なにかこう、存在自体が。
 さて、そのお由羅が殿様の耳に「忠教さまをお世継ぎになさいませ」と囁き続けていた、その忠教というのが自分の産んだ子、島津忠教=のちの久光で、これをファントム山口祐一郎が演じます。でも…この人どうみても涼風真世より年上だよね、というわけで、妖婦お由羅の奇怪さが第一回から強烈に印象付けられたのでした。とりあえず、桃太郎とファントムは兄弟に見えて違和感ありませんでしたが。

 さて、於一はすくすくと成長し、物怖じしない女の子になって、今週はずっと乳母の菊本@佐々木すみ江が、「姫さま~」と叫びながら追っかけまわしている場面ばかりでした。
 薩摩の浜にやってきた異国船・モリソン号の外人にも恐れ気無く近寄っていった於一は、もう少し大きくなると、貧しい農民の小屋にさ迷いこんだりしてしまい、名家のお姫様ではふつう見られない世の中の現実を目撃してしまいます。
 それは、ものすごく過酷な年貢の取立てで逼迫し、飢え死に寸前になった農民のすがただったりしました。働いてもいない自分がなんで御飯を食べていいのか…と思いつめた於一は、食を絶ち、その疑問をまっすぐに両親にぶつけます。「武士だとどうして御飯が食べられるんですか?」という直球な質問に答えられなかった父親にかわり、お母様のお幸さんは、農民の働く段々畑のみえる郊外に娘をつれて行きました。
 世の中のものには全て役割があり、人間もそう。食べ物を作る農民を命がけでも守るのが武家の役目なので、農民と歩調をあわせて飢えていて何の役に立ちますかと娘を諭し、用意のおにぎりをお母様は差し出すのでした。お百姓さんが丹精込めた米です、心して食べなさい、と。いやー、いいお母さんですね。また樋口可南子がきれいですねえ(今週はこればっか)。

そうしてなんとなく時は流れ、薩摩藩の財政はますます厳しくなっています。江戸城の将軍様に目通りした島津忠興・斉彬親子は、「なんか国許であやしいことをやっているんではないか?」とか追求されますが、そこへ、将軍家お世継ぎの徳川家祥が飛び込んできて顔見世。大のおとなが「だめじゃだめじゃ、ちっともできぬ~!」とか半泣きでルービックキューブ?みたいなのを回しながら。
 このルービックキューブをたちまち完成させた桃太郎を、「うい奴じゃ」とお気に召したごようすの家祥さま。この結びつきが、のちのちの大きな伏線になるわけなんですが、とりあえず家祥さまを演じる堺雅人、こういう役うまいですよね。きれいな顔なのに、どっか壊れた感じの人を演じると絶品です。これも今後が楽しみな存在ですね。

 於一はさらに成長して12歳の少女になり、ここからを本役の宮崎あおいが演じます。ふつうなら子役の領分までイケる、幅広いルックスの女優ですね。でも年がいったらどうなるんだろう?
 ともかく、娘になった於一は元気いっぱいで、男の子の格好をしてお兄ちゃんが通っている塾にまぎれこんだりしています。この塾を主催しているのが小松清猷@セクスィー部長沢村一樹。セクスィー部長の塾で、於一は、生まれる前に桃太郎から貰ったお守りを分け合った肝付家の息子・尚五郎@瑛太と出会います。まあ、こういったボーイミーツアガール的な展開は別にどーでもいいのですけど(ってなんか投げやりだな、私)。
 もうひとり顔見世をした大物は、西郷吉之助=のちの隆盛@小沢征悦です。西郷どんは、窮乏にあえぐ農民を代表し、於一のお父さんのところに直訴状をもってやってきたのでした。
 幕末劇の西郷どん役というのは、戦国ものにおける信長役みたいに、演じる役者に別格のプレッシャーがかかるらしいんですが、小沢征悦、第1回を見た限りほとんど無理がなかったです。西郷どんを演じるお約束の肉布団&付け眉毛も自前のようでしたしね。いいことですが、無理がないは小粒とイコールという、西郷どん役につきまとう特殊なジレンマはありますよね。それはまた、これから先の話ですが。

 西郷どんが直訴状をもって押しかけるくらい困窮している指宿郷の農民を、さらに絞り上げて上納金3千両を捻出しなくてはならない。困り果てた忠剛さまに、藩の財務大臣・調所広郷は「下手すればお家取り潰しもあるかも」とかいってプレッシャーをかけます。この役を演じるのは、平幹二郎。さすがの面妖な存在感で、ビビッた忠剛さまは自主的に蟄居閉門し、長男を養子に出したりして、反省の態度をアピールしはじめます。
 お父さんのこの困窮に、みかねた於一は、途中行き会った尚五郎もまきこんで調所邸に殴りこみ、直訴を試みます。…が、最年少主役が初回から、大河ドラマ出演8作目というヒラミキの貫禄に勝てるはずもなく(笑)。
 調所さまは、べつに悪徳家老というわけじゃなくて、薩摩藩の膨大な財政赤字をなんとかするため、この人はこの人で必死なわけで、「この仕事で死んでもいいと思っている」と幼い於一と尚五郎にうちあけます。そして、中国から密輸したお菓子を二人に食べさせて「これで我々は同じ穴の狢です」と笑います。凄い貫禄です。

 まあ、そんな感じでヒラミキや桃太郎や長門裕之やなんかの複雑怪奇な幕末の世界を、若い男女が「もっと知りたい!」とか言って目を輝かせるところで、また次週、というわけです。
 初回ということで、登場人物の顔見世がほとんど。全体的に平たい第1回でした。とりあえず、薩摩の広々した風景や大らかな雰囲気いいなあ。
 ほか、
○ 瑛太の着物の似合わなさは気になる。細…。まあ12歳の設定だからいいのか、とも思うけど、12歳ならまだ今週は前髪でよかったのでは? それとこの人、耳がデカイ(というか立ってる)ですね。ヅラで明るみにでてしまった妙な外見…。
○ 語りの奈良岡朋子が、誰目線で喋ってるのかわからず、気になる。
○ 草刈正雄老けたなあ。阿部正弘はまだ20代の設定だとおもうけど…。あの蓄膿っぽい喋り方も気になる。

…こんなとこです。本格的なツッコミは次回以降にということで。また来週!(あーこのフレーズをまた使えて嬉しい♪)


6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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おぉっ (SFurrow)
2008-01-07 21:41:07
さっそくの2008レビューですね!今年もどうぞよろしくお願いいたします。
何ていうかフツーでしたよね。とくに悪くもなかったけど。中では山南さんの将軍家定(後の)が、「吉宗」のときに家重を演じた梅雀さんに負けず劣らずの好演だったかな。
フツーといえばテレビ朝日の「天と地と」も見たんだけど、ジェームス三木脚本で無難にダイジェストしたって感じで、松岡クンもなかなか頑張ってはいましたが、武田信玄もフツー、勘助もフツー(草若師匠@宇佐美と、B子父ちゃん@村上義清の登場シーンは、ボケるかツッコむかと期待してしまったけど)みんなみんなフツーで・・・あぁ~去年の勘助・晴信・宇宙人の濃さに慣れてしまいフツーでは満足できないカラダになってしまった自分が怖ろしい。
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いらっしゃいませ (庵主)
2008-01-07 22:34:36
>SFurrowさん

さっそくいらっしゃいませ♪ コメントありがとうございます。
そうですね…。ワタシも去年の濃い味に体が慣れてしまったせいか、この甘口は「あり??」という感じで、なんかうまく対応できないまま第1回が終わった感じです(笑)。
堺さんは、もっと山南さんが壊れたみたいになるのかと思ってましたけど、意外と山南さんの面影はなくて、最初から光ってましたよね。ほかに濃いキャラがいないせいかもしれないけど…。セクスィー部長もちっとも濃くないし(あ、SFurrowさん的には「源さん」ですか)。
「天と地と」…見てない(笑)。
フツーだったんですね、やはり。なんか、去年の世界を普通と感じる体のままでは、社会復帰できないのではないかと不安になります。年を越してなお色濃い「風林火山」後遺症。
まあ、ゆっくり甘口に慣れていきましょうということで。今年もよろしくお願いします☆
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入塾志願!! (レビュ丸)
2008-01-07 23:33:32
庵主さんこんばんは!! レビュ丸です。幕末物は苦手なので、ぜひとも「大河塾」に入塾させて頂き、勉強したいと思います。今後ともよろしくお願いします!!
第1話、原作・脚本・主演と女性が揃っただけあり、非常に女性的で、かつ柔らかく、かつ華やか、という印象を受けました。合戦と策謀、男くささが特徴だった昨年の『風林火山』とはまさしく「対照的」でしたねー。海、それも限りなく「碧色」に近い南国の海がふんだんに画面に現れるたびに、「新しい年・新しい大河ドラマが始まったんだなぁ・・・」と、新鮮な気持ちになりました。弦を主体とした艶やかなオープニング音楽も、華やかなCGも、夢を見ているようにうっとりとさせられるものでした。この音楽、何度か聞き返しているうちにホントに美しい!! と思いました。庵主様同様、去年の雰囲気とのギャップに苦しみつつも、音楽聞きたさで日曜の夜はNHKにチャンネルを合わしてしまうのだろうな・・・と。

時代背景が難しいながらも、主人公を取り巻く人々の「役割」がよく説明されていて、「取っつきやすい」ドラマだなという感想が第一。主演の宮あおいさんも初々しくて、またその脇を固めるベテラン陣も粒が揃っていて、安心して見ていられる・・・という感想が第二。そしていかにも南国的な強い日差しと草木、それに海と桜島の印象が際立ち、おおらかな気持ちにさせられる・・・という感想が第三でした。今後に期待大です。
ところで、薩摩弁を喋る人と喋らない人(主人公も喋っていないようでしたが)とがはっきり区別されていたように見えた点、若干の違和感を覚えました。どうせだったら殿様から姫、百姓に至るまでバリバリの薩摩言葉を駆使しても良いのでは・・・と思ったりしたのですが、それだと難しくて大変ですかね。
レビュ丸も「グッときたシーン」と「名演技俳優」だけをサイトに掲載してみました。お時間がある時に訪れて頂ければ幸いです。ではまた次回!!
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いやもう…こちらこそ。 (庵主)
2008-01-08 21:44:16
>レビュ丸さん

塾にご参加ありがとうございます!嬉しいです!
参加者が増えればそれだけ実り多く成果があがりそうなので、こちらこそよろしくお願いします!
レビュ丸さんちもリニューアルなさったんですね。またお邪魔させていただきます。

OPきれいでしたよね~。去年と、ほんとに極端にちがってビックリでした。
去年は、あの、きらきら豪華で女性っぽい「功名が辻」のOPとなんて違うんだろうとクラクラしたのが昨日のことのようです(笑)

>薩摩弁を喋る人と喋らない人(主人公も喋っていないようでしたが)とがはっきり区別されていたように見えた点、若干の違和感を覚えました

これなんですが、学習会でとりあげたバブル殿様の時代に、大胆にも「薩摩言葉の矯正」を試みたと本に書いてありました。
まさか矯正しきれるわけないと思いますが、上級の武士は参勤交替で江戸生活もするので、標準語?と相対化は出来たんだろうと思います。
彼らが標準語で、薩摩を一歩も出たことない下級武士たち(西郷どんとか)の薩摩言葉との差が出るわけなんでしょうけど、それでも、もうちょっと風土感が欲しいと思いますよね。お姫様たちもバリバリの薩摩言葉でなくても、イントネーションくらいはね。
そういえば、かつての大河ドラマ「翔ぶが如く」ではよく薩摩言葉に字幕スーパーがはいったりしてましたっけ(笑)。
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お久~っ!! (なおみ)
2008-01-08 22:49:20
庵主さん、こんばんは!あけおめ・ことよろ!
リニューアルして「 大河塾」を開かれるとは太っ腹!今年も色々教えて下さいね◎

>この奥様が樋口可南子なんですが、相変わらずきれいですね。この方は加齢とともに透明感が増して素敵です。
ね~!いいですよね?ワタシ「イトイくん」と不倫ってた時は好きくなかったんですが、カレーと共に良くなっていきますよね?羨ましいですね。樋口可南子を見るためだけでも「見てみよう」と思いました。正しい年の取り方が分かるかも知れませんしね◎

>草刈正雄老けたなあ。阿部正弘はまだ20代の設定だとおもうけど…。あの蓄膿っぽい喋り方も気になる。
「阿部正弘」って史実では「イイオトコ」だったんですよね?ワタシの薄っつい知識によりますと。
「イイオトコ」というより「バタ臭い」ですね。「蓄膿っぽい」・・・確かに(笑)

>語りの奈良岡朋子が、誰目線で喋ってるのかわからず、気になる。
ワタシは「奈良岡朋子」のクレジットを目にした時「生きてたんか!」と叫んでしまいましたよ(笑)
や~まあ、これからですが勉強しないといけませんね(多分)またちょっと「ヘンなこと」考え出したんでその節にはお力をお貸し下さいませ。
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カレーとともに美しく (庵主)
2008-01-09 10:18:34
>なおみさん

早速のお越しありがとうございます!
去年の泥縄学習会で自分を追い込んで(笑)けっこう成果があがったので、調子にのってまた初めてしまいました。
といっても、幕末はあまりアバウトなのが許されないとこがあるので、相当大変ですね…と、はじめてから青ざめているワタシ。ともかく、今年もよろしくお願いします…。

>樋口可南子を見るためだけでも「見てみよう」と思いました。正しい年の取り方が分かるかも知れませんしね◎

そうですね!カレーとともに(笑)美しくなる秘密がつかめるかもしれません!
樋口可南子が1年間とおして出るかは分かりませんが、まだ松坂慶子もいるし(え?)!

で、カレーとともに「え…?」な感じが増している草刈正雄ですけど、阿部正弘は、凄いイケメンで大奥のお女中がキャーキャーいって広間まで覗きにきたという話もあります。
ワタシゃあんまり覗きたくないですが…あれでは…。年をとると無駄にバタ臭い感じが気になりますね。昔は「こんな美しい人がいるのかしら」と思ったもんですが…ってワタシいくつなんだ。

何か楽しげなことをご計画ですね??
ええもう、お役に立つことがあるなら何でもお申し付け下さいまし。
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