como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

軍師官兵衛 第21回(付・ダウントン・アビー第3回)

2014-05-26 23:43:12 | 過去作倉庫11~14
 先週懸念しましたように、主人公の官兵衛が監禁イベントに突入し、外の世界と没交渉になってしまうと「信長の出番が増える」、これを恐れていたのですが、まあ、露出時間そのものは、それほどでもありませんでした。
 ただし、ここから6月最終週(大河ドラマにおける本能寺の変のデフォルト設定)くらいまで、あの信長が物語の中心に居座ることは間違いありません。あの下品で頭の悪そうな信長をたいがいガマンして見てきたのが、ここへきて一気にストーリーを握るというのは、織り込み済みのこととはいえ、ちょっと耐えがたいものがあります。
 だからって、ここ当分江口さんの悪口ばかりつらつら書き続けるのも感じが悪いですし、わたしもできるだけ敵は作りたくないですので、しばらく官兵衛の感想は休んで…と考えもしましたが、やっぱり、見てる以上はすこしでも書いておきたいと思います。
そのかわり、あまったスペースは同じ日にやっている英国のドラマ「ダウントン・アビー」で埋めます。同じ日にNHKの地上でやってるというだけで、基本的に何の関係もありませんが、強引を承知でそうします。単に、わたしが二本記事を立てる気力体力がないだけです。ええ。

そんではいってみましょー、まずは

軍師官兵衛 第21話「松寿丸の命」

 有岡城に監禁された官兵衛(岡田准一)は、美人妻(桐谷美鈴)と亭主の目を盗んで密会したのがバレて土牢送りになり、ジメジメして不潔な牢内でだんだん衰弱し、汚くなっていきます。もう完璧にジャニーズコードを超越するくらいに。かりに所属タレントの顔写真NGでなくても、岡田君のこの姿を事務所は記録に残したくないでしょう。DVD発売も危ういと思います。発売されても、この監禁場面ごっそりカットされたりなんかして。
 そして、牢の外では信長軍の総力を上げ…てるようにも見えない城攻めがはじまります。ですが、有岡城はけっこう堅牢であり、人にはキツいダメ出しをするくせに本人は意外と使えなかった万見仙千代(田中幸太郎)が、緒戦敗退してあっさりおっ死にます。今週は仙千代のサヨナラ公演だったのか。
 そんで緒戦敗退の戦犯は誰なのかといったら、仙千代が無能だったと言いたくないのか、信長は「官兵衛だ、牢内の官兵衛が裏切ったのだ」と無根拠に決めつけます。そんで腹立ちまぎれに什器に当たり散らしたあげく「松寿丸の首を刎ねろ」と。
 どうでもいいけど、この信長の、どこがそんなにすごくて恐れ多くて後光が差すほどなのか、何度もいいますがさっぱり分かんないですね。もう家臣結託してこいつを本能寺に放り込んで謀殺しちまえばいいのに、と思いますよ。こいつのおかげで、久しく空気と化してる滝川一益(川野太郎)とか丹羽長秀(勝野洋)とかまでが、ほんと無能に見えるんだもん。
 まあいいや。とにかく、殺せと言われてもそうもできない松寿丸を、半兵衛先輩(谷原章介)が、おね様(黒木瞳)のところから内々で自宅に匿うため引き取ります。ただし、これはほかの人がやって信長に知れたら殺されるので、不治の病で先行きの短いじぶんなら…ということですね(涙)
 そうとは知らない秀吉によって、松寿丸の死を知らされた姫路のお父さん(柴田恭兵)と光(中谷美紀)は取り乱し、激しく悲嘆にくれます。それでも「生き残るために信長様に味方してくれ」と言われて、どの口がいうんじゃワレえ!!と本心ではボコボコにしてやりたいのですが、ぐっとこらえるお父様。「生き残りのためですぞ」と言われると、これがお父さんの殺し文句で、スイッチが入っちゃう。じっさい、荒木と毛利と織田とどこを選んで生き残るかといったら、ほんっとに不毛な消去法にしか見えんのよね。だいたい信長勢に未来の希望があるとも特に思えないしさ、あのバカ殿見る限り。そしてこのドラマ内の情報によるかぎり。
 松寿丸の成敗された件は、荒木村重によって牢内の官兵衛にも伝えられます。ココロが壊れ、痴人の愛的M気質から真逆のS方向に針が振り切れた村重は、狂った目をして、ふはははは信長のやりそうなことだ、あれは人間ではない、オレと一緒に息子の敵を討つのだと官兵衛を言葉責めにします。しかも、美人妻まで…。息子の死を信じられないでいる官兵衛の牢に、必要もないのに忍んで行って、なにするのかと思ったら「ごめんなさいすべて私のせいですごめんなさい」と平謝り。ただ自分の良心が痛むためだけに、官兵衛のココロを壊しにいったわけですね、結果として。ひどい話。
 そんな官兵衛の救出作戦が、いつもの、善助(濱田岳)、太兵衛(速水もこみち)、九郎衛門(高橋一生)+善助の嫁(福島リラ)+たまに出てくる密偵の小太り兄さん、というメンツで展開されてます。九郎衛門が決死隊を志願して、有岡城に潜入を決行しますが、この人って1センチ以下の隙間でも入っていけそうだよね、なんか。タコとか軟体動物的で
 松寿丸の生存は、いがいとアッサリ底が割れ、姫路城にはおね様からのお手紙が届きます。ずばり真相が書いてあるわけではなく、ただ松の絵の扇が入ってるだけなんですが。でもおね様が手紙をくれる理由もほかにないし、ということで「松寿丸は生きているのだ!」と結論付けるお父様。
 でも牢内の官兵衛は知らないので、、松寿丸の死に打ちのめされて生ける屍状態で、ハンガーストライキやってます。そんな官兵衛を、牢内に忍んで行っては膝枕で介抱する美人妻。おいおいおい。だんだん大胆になっていくよ笑。
 そんで美人妻の膝枕と、窓の外の藤の花をみて正気づいた官兵衛は、ちょっと元気になって生きる気力を取り戻します、というところで以下次回。
 来週も官兵衛の苦難の監禁生活と、外の者の決死の救出作戦は続く…のかと思ったら、予告見たらもう来週有岡城落ちてんじゃん。そんで官兵衛の牢屋の鍵が開いてるじゃん。なんだよそれ。黒田官兵衛の人生最大のイベント・監禁Daysが2週たった2週ですよ奥さん。っんだよまったくよーーー!!
…まあ、どうせ汚い岡田准一君の姿はDVDにするとき事務所の威光でほとんどカットされるので、あまりにカット部分が増えちゃうとDVDの話がつながらなくなるから、っつうことなんでしょうか。大人の事情は憶測するしかないですが。次回、興ざめもいいとこの「官兵衛、早々に解放」です。


そしておもむろに今週のダウントン・アビー(第3話)

 って第3話から感想書き始めるのもそうとう間抜けなのですが、この第3回がいままでの2回とはガラッと変わってとんでもないジェットコースター展開になったので、よいタイミングでした。

 (ここまでの話の前提)
 とりあえず、この「ダウントン・アビー」というドラマを理解するためには、20世紀初頭の英国の「限嗣相続制」というものを頭に入れないとどうにもなりませんので、こちらをどうぞ。

 まあ、ようは日本の戦前の家父長制みたいなもんなんだけど、違うのは、財産の桁と、あと相続の順位は家族内ルールで決めていいということと、日本と違って養子はなしとか、その辺ですかね。動産・不動産は家族内の誰に相続させてもいいけど、爵位は男でないとだめで、そこで財産と家名・爵位が別物として考えられるのも日本とちがってるところだと思います。

 で、このお話の前提は、英国のグランサム伯爵家には、娘三人しかいないということです。
 娘しかいないので、爵位は伯爵の甥が継ぐことに決まっていました。この甥と、長女のメアリーが婚約していて、結婚した暁にはふたりに財産もすべて譲渡される。安泰。と、こういう予定だったのですが、この甥が、第1話の冒頭で、タイタニック号に乗っていて遭難死してしまいます。
 けっきょく、次なる相続人として、すごく探して見つかったのは、グランサム伯爵ロバートの従弟の子という遠縁の若者・マシューです。
 伯爵は、この、会ったこともなく存在もしらなかったマシューに爵位と城(ダウントン・アビー)、土地財産のすべてを譲ると宣言するのですが、伯爵夫人コーラ、伯爵の母堂バイオレット、それに長女のメアリーが大反対。とくに伯爵夫人と御母堂は、財産のために嫁姑戦争をいったん休戦して結託し、先代が設定した伯爵家の限嗣相続の内規をリセットして、メアリーが財産をまるっと相続してびた一文失わない方法を、いろいろ考えます。
 マシューとメアリーが結婚するのが最短距離の方法なんですが、高慢ちきなメアリーは、中流階級で育ったマシューをものすごく見下して、身分差結婚なんか考えられない、と話になりません。お母様とおばあ様もこれを説得する気はなくて、ではどうするか…といろいろ企む、というのが話の前提になってる設定ですね。ふう。

(で、今週のみどころ)

 マシューを袖にしてから婚活に血道をあげているメアリー。応援団の母と祖母。今週は、ネイピアという(なんかティッシュみたいな名前)公爵家の子息が、下心も露わにダウントン・アビーの狩りに招かれます。伯爵夫人と婆様が「バカだけどお金はあるわよ」みたいなことを言ってんですけど、この人たちも、最初から金の亡者というか、金のことしか考えてないのを隠さないのでいっそ清々しい。
 で、この狩りってのも凄くて、殿方ばっかりの中に女性はメアリーしかいないんですよ。下心満々の企画ですよ。婚活イベントのつもりで来た殿方たちは、女が伯爵家の長女ひとりだけなので、「こ、こんなはずでは…」と思ったのではないでしょうか。
 そこで、ネイピアが連れてきた参加者が、オスマン帝国の外交官ケマル・パルークという男。イケメン。まあ、モデル系のイケメンというよりは、イケメンで騒がれるサッカー選手などにありがちな、若干残念な感じのイケメンでしたが、あまりイケメンをみたことがないメアリーはメロメロになり、婚活イベントでも積極的に仕掛けます。
 このオスマン帝国のお世話係に指名されたのが、毎度お騒がせのホモの下僕・トーマスです。もう最初からオスマン帝国を見る目がギラギラと狂気を帯びており、部屋で二人っきりになると、着替えの手伝いをしながら急に「お国の文化に惹かれています…」とかいってオスマン帝国の頬を触ったりする。
 あ、これも話の前提として大事なことですが、この時代の英国で同性愛は有罪です。見つかると収監されたりします。なので、性癖の弱みに付け込んでに人を脅迫したりできるわけです。
 トーマスの性癖を押さえたオスマン帝国は、弱みを握り、ことのことを公にされたくなければ協力しろといって、メアリーの寝室への夜這いを手引きさせます。
よ、夜這い…。
 じつはこのへんまで、このオスマン帝国ってホントは偽物なんじゃね?と思ってまして…だって上流階級なのにタイの結び方知らないとか、従者をロンドンに置いてきたとか、怪しすぎるじゃないですか。ほら、まえの場面でメアリーを押し倒そうとしたときに、部屋の絵画の値踏みをしてたけど、実はドリアン・レッド・グローリア伯爵(笑)みたいな美術品泥棒とかなんじゃないか、などと妄想しました。と、ところが、まもなくそれを軽々と凌駕する驚きの展開が!
 なんと、夜這いをかけたオスマン帝国は、メアリーに乗っかったまま腹上死!!
 目が点になりましたこれは…。とりあえず、初体験で男に腹上死されたメアリーのショックは半端なくて、でもショックとか言ってる場合じゃなく、信用できるメイドのアンナと一緒に証拠隠滅を試みます。二人では物理的に無理なので「これを知られたら一番困る人を」ということで伯爵夫人を巻き込んで、三人でえっちらおっちらと、腹上死したオスマン帝国の死体を本人の寝室にはこびます。
まじか(笑)。もうここでベネディクト・カンバーバッチが登場して「シャーロック」に替わっても驚かない。そんな展開でしたけど、とりあえず、次回以降はこの秘密(?)をめぐって話が展開するんだとおもいます多分…。
 この秘密を知っているのは下僕のトーマスだけど、口外はできない。というのは、自分が知ってる理由を説明するにはカミングアウトしないといけなくて、それは身の破滅だからです、ということで、こっちのジレンマに身をもむホモの下僕もめちゃめちゃ面白いよね。
あと、この事件を総括した婆様の「無作法よ。イギリス人なら他人の家で死なないわ」も非常にツボでした。先週の「週末ってなんなの」も大変ツボでしたけど、毎週名言を残している気がする。
この辺の濃さから見ると、ふつうにイケメンの常識的なマシューとか、空気みたいにみえてきますわ。やばいやばい。こういう愉しみにハマったら、ちょっと日曜の夜が大変なことになる(もうなってるけど)。

また来週。ではっ!


6 コメント

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あぁ信長 (tertullian)
2014-05-27 01:56:16
はじめまして。いつも(大河ドラマ本編以上に)楽しく拝見しております。

単なる暴君にしか見えない信長では、それに忠義だてする主人公たちまでが愚かに見えてしまって、本当に残念ですよね・・・。

有岡城の一件で人の心の闇を見せつけられた官兵衛は、それまでのお人よしの青年から、海千山千の策士に変身。本能寺の際には、実は陰で光秀をそそのかしておきながら、秀吉には「ご運がめぐってまいりましたな」なんてしゃあしゃあと言ってのける・・・いっそ、こんな展開になったら面白いかも!?
Unknown (小巻)
2014-05-27 18:13:37
はじめまして!

毎週、レビュー楽しみにお邪魔しています。
ドラマの放送の日曜より
レビューがUPされる火曜日が楽しみです(笑)

幽閉後にNewカンベーになると
岡田くん、話していたので
それを楽しみにしています。

信長様は母曰く やせすぎ。とのこと。



そして、ダウントン・アビー、見はじめました!
面白いです。
母もはまりました~。
今の常識とあまりにもかけ離れた
英国貴族社会にびっくりしております。
サンデーナイトフィーバー (SFurrow)
2014-05-28 23:45:43
黒田官兵衛のほうは、フィーバーするほどじゃないですけど(^^ゞ

マギー・スミス名言集、来週も期待!ですよね。
この方は本当にジュディ・デンチと並んで英国ドラマの双璧ですが(そういえば、この二人が姉妹役で出た『ラベンダーの庭』だったかの映画、庵主様の昔のサイトにレビューありましたっけ?)

オスマン・トルコ帝国なんか出てくると『アラビアのロレンス』も思い出しちゃう(このドラマと同時代ですよね)
羽賀研二系のオスマン帝国にも笑えました。メアリーってああいうのが好みなんだ~
元タイピストの私としては、通信教育でキャリアアップを頑張ろうとするグエンちゃんを応援しています♪

黒い官兵衛 (庵主)
2014-05-30 21:33:50
>tertullianさん、ご訪問ありがとうございます。

ほんとに信長はなんとかならないかと思いながら、はや20回を越してしまいました。
もうあきらめましたが、信長まわりの丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益なんかが、単なるイエスマンも通りこし、空気と化しているのが口惜しくてなりません。なんというバイプレイヤーの無駄遣い!と

黒い官兵衛に変貌、いいですね! 容貌的にも激変するので、そのほうが面白そうです。
いっそ官兵衛が出獄したら斎藤洋介さんあたりにバトンタッチし、ぜんぜん違う話にしてしまえば、などとヤケクソなことを(笑)
New官兵衛? (庵主)
2014-05-30 21:40:16
>小巻さん、ご訪問ありがとうございます。

>幽閉後にNewカンベーになる

なってもらわないと困るなあ(笑)

まあ、大河ドラマはいろいろ前科があって、「がらりと変わります詐欺」というのが多かったので、変わるといっても人格が入れ替わるほどではないと思いますが…
個人的には、こんどこそガラッとキャラが豹変してくれないと、ドラマ的に救われないのでは、と思ってます。
キャラの濃いヘンな人たちは、あとの「ダウントン・アビー」で堪能するルーティーンになってしまってますが、「官兵衛」のキャラもあのくらいお化け屋敷的に濃くなるといいんですのにねえ。
羽賀研二~ (庵主)
2014-05-30 21:48:12
>SFurrowさん

大奥様は素晴らしいキャラですよね。陰の主役と思っております。
「ラベンダー…」は見逃してしまい、なんとなく見る機会がないまま来てしまいましたが、あらためて見てみようかなあ。けっこう前の映画になりますが、そう思って見るとジュディ・デンチってあんまり老け度が変わってませんよね。先だっての007を見て、ここ20年、「恋に落ちたシェイクスピア」あたりから年取ってないのでは、と思ってしまいました。

>羽賀研二系のオスマン帝国

わははは~
そうか、それでなんとなく胡散臭く、外交官に化けた詐欺師なのでは、と思った理由がわかりました。
あのまま腹上死で退場してそれっきりなんでしょうか。惜しいです。
あと、個人的には伯爵さまとベイツの過去に何があったのかが気になっています。

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