ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

「女高怪談」第3弾は、だんだん上がるエスカレーターならぬ、願えば叶う階段の「狐怪談」!

2006-08-16 | 映画
本日は前作に引き続き「狐怪談」(Whispering Corridors 3:Wishing Stairs
)(女高怪談 3番目の話 きつね階段) を鑑賞。

今度の女子高校は「芸術科」がある学校のようだ。学校には寮があって、寮生と通学生がいる。

寮生のひとりオム・ヘジュ(チョ・アン)は美術コースの生徒。犬木加奈子ばりのマンガを描く。酷く太っていて、かなり風変わりなメンタリティの持ち主で、虐めの対象になっている。バレエコースのキム・ソヒ(パク・ハンビョル)は穏やかな性格で彼女にも優しいので、ヘジュはソヒに憧れを抱いている。ヘジュは物置を隠れ家的アトリエにしているが、彼女の苦手なロダン気取りのハン・ユンジ(パク・チヨン)が「いい所を独り占めしてるじゃない。わたしにも使わせてよ」と闖入してくるが、彼女は嫌と言えないのだった。

ヘジュが犬木加奈子ばりの画風で描いたマンガ。ヘジュを思わせる女の子が石段を一段、一段数えながら上っていく。26、27、28……そして、ありえないはずの29段目! 「ああ、狐よ、狐よ! わたしの願いを叶えておくれ! わたしの願いは……」――寮の目前にある28段の石段。これを数えながら昇るとき、29段目が現れたら何でも願いが叶うのだという言い伝えがこの学校にはあった。

ユン・ジンソン(ソン・ジヒョ)は貧乏な寮生。キム・ソヒは彼女の親友だ。しかし、自宅生で自分の裕福さにほとんど無頓着なソヒを時に疎ましいと思うことがある。「母のかつての夢の実現のために押し付けられたバレエなんて好きじゃない」と彼女は言うが、ソヒは誰からも認められる才能の持ち主で、次期コンクールでは優勝を勝ち得て、ロシア留学も確実視されている。

何ごとにも屈託ない気性のソヒは、ジンソンの努力も苦悩も知らず、彼女に抱きついては、「ジンソン大好き。わたしにはあなただけ」と、いつもいつも甘えてくる。しかし、ジンソンの中には、自分がいつも二番手に甘んじなければならないということに関して大きな不満があった。次期コンクールの学校代表が校内オーディションで決まると知って、彼女は狐の階段に願を懸ける……。

校内オーディション当日。ジンソンは自分のロッカーに新しいトゥ・シューズが入れてあるのを発見する。「大好きなジンソン。新しいシューズで頑張って!」と添えられたソヒの可愛らしい丸文字も憎らしい。当たり散らすように割ったガラスビン。そんな様子をソヒが伺っていたことも知らなかった……。

ジンソンに押し返されたトゥ・シューズを履いて、ソヒは完璧な演技を終える。学校代表はソヒと決まった。荒れ狂うジンソン。訪ねてきたソヒが「信じて。わたしには本当にあなただけが大事なの」とまとわりつくのを振り払う。その一挙動にソヒは階段から落ちてしまった……。

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まあ、全部のあらすじを書くわけにはいかないだろうと思うので、直接の筋を追うのはここまでとする。

ライバルのトゥ・シューズに異物! 少女マンガの王道だが、それをやったのがどちらかというと主人公なのが、目新しいかな。

まあ、ここまでのあらすじで先が読めると思うが、不気味デブ娘ヘジュは狐階段への願いで痩せ始める。そして、もちろんソヒは死んでしまうのだが、ソヒを慕うヘジュがやってしまいます! ジェイコブズの「猿の手」を!

ヘジュが「ルームメイト」ばりの「現象」を起こしていくのも、まあ、かなりのひとが読めてしまう展開ではないかと思う。(これも想像できることだが、ヘジュ役のチョ・アンは、プロフィールの写真とか見ると、どちらかというと可愛い容貌なのだが、前半特殊メイクで不気味デブになっているのであった)。

最後の最後、ジンソンが「猿の手」の「最後の願い」を試みるのだが……。

*「三番めが一番怖い」というのは「学校の怪談3」の宣伝コピーだったが、「女高怪談」は「3番目がもっとも『学校怪談』風だった」と思う。*

*ジェイコブズの「猿の手」については説明しない。探して読んでください。これを引用したものはあまりに多いから。たとえばスティーブン・キングの「ペットセメタリー(ペットセマタリー)」もそうだ。*

*「ルームメイト」も説明端折っていいですね。……もっとも簡単に。同居人がどんどん自分に似ていき、恋人も取られそうになる恐怖!*