ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

なあ、ビル! 今こそ本当の「天国からの手紙」をおくれ!

2006-08-08 | 映画
本日は映画を見られません。「江原啓之/天国からの手紙」の日だから。

「あのひとは本物だ」「とんでもない詐欺師だ」

どっちでもいいわけです、実は。わたくし、死後生を、できたら信じたい。でも、最近は「科学的な理知」の方がわたしの中で勝るため、「信じることが出来ない」状態にある。

で、彼の語る死者の言葉がリアルで、(出演者が全員仕込み、全員役者、最初からフィクションというケースを想定しない限り)信じてみたいと思わせるところがある。

もちろん、わたくし、素直な人間ではないから彼の口真似とか顔マネを状況にあわせて先回りしつつ、「楽しんで」いるのです。


さて、もちろん、ここでこう書いているものを江原さんが目を通すわけもないし、こんな「企画」は成り立たないでしょうが……江原さん、ウィリアム・ガードラーさんの「天国からの手紙」を、世界のゲテモノ映画ファンのために手に入れてくれないでしょうか?

さて、皆さん。

「グリズリー」をご覧になりましたか。

うん。

「アニマル大戦争」は?

そして、ビルの最後にして最高傑作「マニトウ」はもちろんご覧になっていますね! まだのひとはDVDで……あー、北米版とかでご覧ください(って、やっぱり出てないのだ、日本版)!



こんな話です(ちょっとシーンのつながりが前後しそうな気がします。何年も見ていないから。でも、大筋は合っていると思うぞ)!

**************************************************

トニー・カーチス扮する落ち目のマジシャンは、数年ぶりに会ったスーザン・ストラスバーグ扮する昔の彼女と、ひょんなことから焼けぼっくいに火が付いたのである。

ともにしたベッドでぐっすり眠る彼女の口から、「ぱな・うぃっちー・さりとぅー」と意味不明な文句が漏れるが、夢の中のトニーは何も気付かない。

彼女の首筋に出来た腫瘍は日々に大きくなっていく。この腫瘍を切除しようとした医者は自分の手を切り刻む始末。

「ぱな・うぃっちー・さりとぅー」

トニーはただごとでない事態に友人の霊能者に相談する。交霊界で垣間見た姿は「インディアン(ネィティブ・アメリカン)」であった。

トニーは憑き物祓いの出来る者を求めてインディアンの居留地を訪れる。〈歌う岩(シンギング・ロック)〉のジョンという男と知己を得て、助力を得られることとなる。

しかし、ジョンは病院で垣間見た相手の正体に、戦意を喪失する。「我が死は蘇りの約定(パナ・ウィッチー・サリトゥー)」という言葉で、既に六度(たび)蘇り、蘇るたびに力を増大させて、七度目には世界を支配するに足る力を伴って戻るといわれている伝説の呪術師ミスカマカス! それがスーザンに取り付いた相手だったのだ。あいつには最強級のマニトウである愛のマニトウも敵(かな)わない!

戦意を喪失したジョンに代わって、ヤケになったトニーは、手近にあったタイプライターを、半実体化したミスカマカスの霊に投げつける。あろうことか、一時的にこの大呪術師を退け得たではないか!

彼らの呪術戦は「精霊(マニトウ)」の助けを借りて行われるので、前の蘇りのときに出会わなかった「タイプライターのマニトウ」によってミスカマカスは一時的に負かされたのである。

そうだ! それならば現代最強の「器物のマニトウ」を以ってミスカマカスを退けよう!

スーザンの首筋(っつうか、もう、それどこじゃない大きさになっている)から、ついに「生まれる」ミスカマカス! 病院の個室は突如宇宙空間になり、その虚空の遥かにミスカマカスの呼んだ破壊のマニトウ〈大魔神〉が渦を巻いている!

病院の管理コンピューターに、病院の全電力が集中させられて(って、CPUが逝ってしまうじゃん! と突っ込めるのは今だから! 当時はなんて凄いアイデアだ! だったので、ここはそういう感じで読んでおくように)、……歌う岩ジョンは、しかし、絶望の声を上げる。「白人の作った機械は、インディアンのオレのいうことを聞かない!」

その時! ベッドの上に抜け殻のように伏していたスーザンがオッパイ揺すって起き上がったではないか! コンピューターのマニトウか? はたまた愛のマニトウか? 力を集めるように広げた掌に光が宿り……迸る光線がミスカマカスを吹き飛ばし、〈大魔神〉を退ける!

危機は去り、「お礼の煙草」を受け取ったジョンは、世界の危機を救ったふたりの愛に祝福の言葉を述べ、居留地に帰っていく。

(エンド・ロールに先駆け、1960年代の東京の病院で、少年の体から腫瘍として赤ん坊ひとり分の骨や肉が摘出されたというようなクレジットが写される)

**************************************************

脳内補完もされているのですが、いかがでしょう? 面白くありませんか?

しかも、「マニトウ」は「スター・ウォーズ(後のEpⅣ新たなる希望)」に次ぐドルビー・ステレオとして二本目の作品なのです! 豪華でしょう? 病院個室のスター・ウォーズというわけです。

さて、本題に戻ります。この映画公開当時、次回作のロケハン中にヘリコプター事故で亡くなったウィリアム・ガードラー監督を、配給会社の社員が、イタコに依頼し口寄せしたところ「マニトウ」によって霊界の秘密を暴きすぎたので、邪悪な霊の攻撃に遭って殺された、と言って、(「事実」なら)死んでも自作のために尽力したのですが……。

江原さん。いやいや、ビル(ウイリアム)さん。真相はいかに?