ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

魔クーパー太郎スミスが来る! エステヴァンとともにやってくる!

2007-04-30 | 映画

デビルスピーク」(Evilspeak)

ここのところ海外版DVDの検索を楽しんでいるのだが、理由のひとつは日本版の、殊にアニメと邦画特撮の売価が異常に高いと感じるのと、もうひとつはこれがどうしてと思う作品が国内DVD未発売だから。あるいはDVD発売後再販がまるでされずにマニア価格が天井知らずに上がっている場合も。どうしても出ないなら字幕も吹き替えもいらぬ、とそういう心境になっているのである。

この「デビルスピーク」もそんな一本であった。

この作品の主人公クーパースミスは男「キャリー」ともいわれているが、だいたいこんな話だ。



スタンレイ・クーパースミスは士官学校のいじめられっ子。知能は高いが運動神経には恵まれていない。士官候補生たちだけでなく、教官たちも彼のことをたびたび虐めるのだった。
あるときクーパースミスは学内教会の地下に古い秘密の地下墓地があるのを見つける。そしてそこには異端の司祭エステヴァンが著した怪しい祭祀書が残されていた。
クーパースミスは学校図書館から借り出したMacを利用してこの祭祀書の解析、翻訳に取り掛かる。(この過程でMacそのものがパーソナル・コンピュータから、いわば魔道の道具へと変化していく)。
モニタに要求された「血(Blood)」の表示をいじめっ子たちが見かけてクーパースミスの可愛がっていた子犬の頸を掻き切る!
「何も起こらないじゃないか!」と言葉を吐き棄てて立ち去る。その瞬間モニタには「Human」という文字が書き添えられる。魔道の儀式には「人間の血(Human Blood)」が必要なのだ!
人々の無理解、心の拠りどころをも奪われて遂に完全にブチ切れてしまったクーパースミスは魔道の儀式によって魔人エステヴァンをも凌ぐ首切り悪魔へと化身する! 学内教会の床を吹き飛ばし、大剣を振りかざして宙に浮いたクーパースミスによる復讐の殺戮が始まる!


公開当時劇場で見たし、字幕なしのVHSも買ったし、日本版のVHSもレンタルした覚えがある。

見たい! 見たいぞ! と思っていたら!

海外版を買わなくてもよい模様だ。

2007.6.21発売。3,800円は海外版に比べると、ちょと高めだが、まあ、いいかな。

派生作品(スピンオフ)の方が面白いなんて! ……ないこともないか。

2007-04-29 | 映画
実録心霊シリーズ 撮影現場 心霊ファイル ~劇映画「隙魔」の撮影現場より~

この作品は、当初は劇映画「幽霊団地(仮題)」のDVD化に際し、特典映像として付けられる「メイキング」として撮影されたものであるという。その撮影途中から異常な事態が出来(しゅったい)し、このドキュメントの性格は変わっていく……。

メイキング・ディレクターの本田とアシスタントの横山のふたりが「幽霊団地」という劇映画のプロデューサーの今井氏とO氏のふたりに呼び出されるところからこの「ドキュメンタリー本編」が始まる。

70分ほどの尺でメイキングを撮り上げること、翌日から始まる撮影をすぐに記録すること、出演俳優にもスタッフにもこのことは通達済みなので撮影に支障ない範囲ならどんどん取材して構わない……今井氏よりも押し出しのあるO氏の言葉に、本田・横山のふたりも仕事を断れようはずもない。

主演の野村恵里はクランク・イン前夜、横になった耳に水の流れる音が聞こえて気持ち悪くなり、灯りを点けたらそれが止んだと語る。

屋外撮影。「団地の隙間」に見たてられたビルの谷間で、子役の少年は誰かが見えると言い張った。

助演の山口美也子は、出演シーンの撮影を終えた後のインタビューで、撮影中は異常な肩こりに悩まされたという。

スタッフには奇妙にも怪我人が増えていた。

もうひとりの助演女優米里友利はロケバスでこの作品にはあまり出たくなかったと語った。そして現場にいる間はずっと体の芯から冷える寒さに捕らわれていたと言った。お祓いをしなかったせいではないか、とも。

団地の一室の撮影。スタートのカチンコの直後、中田 圭監督はカチンコがまたなったとNGを出した。助監督がミスを犯していないことはメイキングのカメラにも収められている……。

出演者に配られる翌日の予定表。「コンビニ店長役」の欄にはすべて「首」の文字が。用意をしたはずのADにはまるで覚えがなかったが、翌日、店長役の七瀬一樹は異常な発熱のため、首に解熱シートを張ったまま、本番を直後に控えて首を傾げていた。十年来風邪に罹ったこともないのに、と。

クライマックス・シーンの撮影。深夜の団地屋上シーン。素材映像の撮影中、中田監督が今度こそカットの声を掛けた。何かが映りこんだ気がする、と。

撮影最終日。カメラ助手の女性、笹井が失踪した。彼女はその後もしばらく姿を現さなかった。

映画本編の編集の段になり、クライマックス・シーンに、中田監督が言ったとおり、ありえない者の姿が捉えられていた。その姿を見たOプロデューサーの顔色が変わった。

もはやこの作品を巡る怪異の正体を明らかにしなければ気がすまなくなった本田と横山は、Oプロデューサーの虐めがもとで交通事故で命を落としたひとりのアシスタント・ディレクターの存在を突き止める。

その霊を成仏させるにはO氏が心より詫びるしかないと、ふたりが確信したとき……時、既に遅く、O氏は不可解な「交通事故」で命を落としてしまった。



この臭いドキュメント、もちろんフェイク・ドキュメンタリーなのである。「この作品はフィクションです。」という字幕できちんと結ばれる。

そして! なんと、フィクションとしての面白さが「隙魔」以上だという皮肉がオイシイではないか。

perro blanco grande(ペーロ・ブランコ・グランデ)

2007-04-28 | 映画
ボンボン」(EL PERRO)

面白かった。ホンワカと心温まった。癒されたという感じの映画だ。

この映画、前評判とか宣伝とかを見ずに、看板(写真参照)に惹かれて何となく鑑賞したのである。

看板に示された情報はBombon(ボンボン)というこの犬の名前が、公式ウェブサイトのURLにも含まれていること。2004年のアルゼンチン映画であることくらいなので、お犬様と主役のおじさんの関係も定かには伝わらないが、何となくくすりとしてしまう構図だ。

巻頭、EL PERROというタイトルが映る。なるほど、スペイン語で(アルゼンチンの公用語はスペイン語なんだろうな?)ELは定冠詞……恐らくTHE DOG、「犬」という映画なんだなと了解した。Bombonという犬の名前を全面に押し出したのは正解だろう。「犬」はもとより「エル・ペーロ」という題名でも見ようと思ったかは怪しい。

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自作のナイフを建設現場で売ろうとするオヤジ。結局一本も売れずに、現場監視員に立ち入り禁止の旨を叱られ、詫びに折角のナイフ一本差し出す始末。彼ファン《ココ》・ビジェガスは、二十年以上務めたガソリンスタンドの経営が居抜きで替わったため、整理解雇された整備士で、その手先の器用さを活かしてナイフ作りを始めたが、数千円相当のナイフが売れるわけもなく、ただ娘の家の厄介な居候となっている、そんな身分の男だった。

肩身が狭く、また恐らくは、職のない義理の息子と終日顔を合わせていることにも堪えられないために、売れるあてのないナイフを車で行商しているわけだが、ある日、路肩に立ち往生した女性ドライバーの車を見かけ、ファンベルトの修理を買って出て、故障車を牽引して彼女の家に行く。

車の修理のお礼に、と彼はドゴ・アルヘンティーノという犬種の犬を貰い受けることになる。娘の狭い家に、ますます居場所がなくなった親父だった。小切手の換金に訪れた銀行の支店長が狩猟を趣味としており、ドゴ犬のトレーナーを紹介してくれる。そのトレーナーは十年前のアメリカ国内での大規模ドッグ・ショーにアルゼンチン代表として同行した経験の持ち主で自分に任せれば正しい血統のドゴであるこの「ボンボン・オ・ルシアン」をチャンピオン犬とし、大儲けさせられるという。

チャンピオン犬となれば、雌犬の所持者から種付代をたくさんもらえるのだという。

五十二歳で再雇用の道なし。住む家ももはやなかったオヤジに思わぬ転機が訪れた!

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犬を貰う前に、ガソリン・スタンドのキャンペーンのスクラッチくじでエンジン・オイルとサングラスを手に入れ、小さな幸運を喜んでいたこと、犬を巡って新しい出会いが連鎖的に続くこと、「わらしべ長者」を頭に浮かべていたら、誰もがそう思うようで。

公式サイトにもラテン版「わらしべ長者」だと!

で、公式サイトを訪れて驚いたことは、役者がほとんど素人か、カルロス・ソリン監督が前に撮った作品でデビューし、これが二本目なんだということ。

スペイン語の演技の良し悪しなんてわからないが、役柄にリアルにはまっているのは確かである。

スペイン語なんてぜんぜんわからないのに、字幕で「大きな白い犬」というのが、perro blanco grande(ペーロ・ブランコ・グランデ)(犬・白い・大きい)と聞こえてきて嬉しかった。

どこまでも広がる平原と空。そこを突き抜ける一筋の道、そんなアルゼンチンの光景も素晴らしい。

ボンボンくんを見ていると何となく頬が緩んでしまう!

そんなこの映画、順次拡大公開の予定らしいので、チャンスがあったら是非見てほしいと思った。(何となく、お客さんも口コミ系とリピーターだったみたいに思う。見ると癖になる映画かも知れない)。

海外版、癖になりそう……

2007-04-26 | Weblog
今日も今日とてネットで「Juvenile」のDVDを検索していました。

香港版という条件をかぶせたら、Yesasia.comに行き着きました。

9.99USドル! 1200円程度です。

しかも、アジア太平洋地域には、25ドル以上の買い物があれば送料は無料だとのこと!

うー。3,000円から4,000円の買い物か。

買っちゃおうかな~という気分です。

Shipped(海外通販店から発送済み)のDVD

2007-04-25 | Weblog
アメリカの某DVD販売店で、


SAYONARA JUPITER = $14.95

INFERNO = $11.95

MARK OF THE WHIP (NTSC REGION 0 RELEASE) = $24.95

DANGER AFTER DARK COLLECTION [MOON CHILD / 2LDK / SUICIDE CLUB] = $23.95

以上四点六作品を注文しました。

発送済みの旨、連絡がありました。一週間以内には送られてくる模様。

ちょっと心配なのはMARK OF THE WHIP 。Xレイトのエロティックホラーですからね。

残りは

ダリオ・アルジェントの「インフェルノ」。なぜか日本ではDVD未発売なので。制作されているという「三人の母」最終作を見るためにも、予習・復習は必要ということで。

SAYONARA JUPITER 「さよならジュピター」。

DANGER AFTER DARK COLLECTION 「ムーンチャイルド」「2LDK」「自殺サークル」の3枚組。

最後の3枚組だけはリージョン1(北米地域)仕様。(それ以外はゼロ=リージョン・フリーらしい)。まあ、いっぺんリッピングして焼き付ければリージョン・フリーに出来ますからね。

楽しみに待っているところです。

*送料もまとめて22$程度なので、充分お得な値段です。


希望に満ちた混成語(クレオール)

2007-04-24 | 映画
スパングリッシュ」(SPANGLISH)

逃げた亭主もものかはで、メキシコで頑張り続けてきた母。しかし、娘の「ラテンの血筋」というべきアイデンティティが確立されたと見るや、ある日遂にアメリカへの不法入国を果たすことにした。しかし、それでも白人(アングロ・)アメリカ社会へはすぐには踏み込まず、ロスのヒスパニック社会の中で昼夜分かたず身を粉にして働いた母だった。そんな母も、ある日、成長した娘の初めてのダンス・パーティで、パートナーの男の子の手が腰よりも下に伸びるのを見たとき、娘を育てるためにはもっと効率のよい稼ぎを得て、と、やむなく白人アメリカへ敢然と足を踏み出して行くことにしたのだった……。

母の名はフロール。ゴージャスな肢体にラテンの激情と優しくも沈着な情感の持ち主。家政婦として務めることになったのは、真の味わいよりもカタログ的評価が店の喧騒に直結しているというニューヨークのレストラン事情から逃れてロスに小さな自分の店を構えることにした天才料理長(シェフ)ジョン・クランスキーと、デボラ夫妻の家。ふたりには娘と息子がおり、また、デボラの母が同居している。

ジョンの思いをよそに、ある日NYタイムズの料理記者が彼の店を訪れ、四つ星を与えてしまい、そのため苛烈な忙しさが訪れる。急に流行り出したこの店で、彼を支えていた右腕スタッフが独立をほのめかせたため、彼には20パーセントの共同経営権を与えることによって遺留を願うよりなかった。そのため、デボラの不服は募っていく。

その夏、クランスキー一家は市街地からはかなり離れた海岸沿いの別荘で過ごすことにしたが、フロールは泊まりの仕事を娘のために断ったのだった。娘がいると知らされながら、かえって、娘ごと泊まりこむように説得され、フロールはこれを受け入れる。

これが過ちの始まりだった。折も折、なべて変化なしと他愛なく信じる夫への不満もあってか、デボラは夜出歩くようになる。デボラの母は、娘の不貞を見抜くのだったが……。

うーん。荒筋を書こうとすると、なんだか妙に深刻な話に見えてしまうが、深刻な要素とは裏腹に、腹を抱えて笑うのではないけれど、くすぐったいような笑みがこみ上げてくる、いくつもの場面に見惚れながらも、懸命に生き抜く人の美しさが胸に染みる、と、まあ、そんな感じの作品だ。

*たまには、こんな映画だって見るんだよ、わたしだって。*

*この作品を検索したら、幾人かの方が、母役のパズ・ヴェガが「バニラ・スカイ」のペネロペ・クルスに似ていると感想を述べていたが……。うん、黒髪がと整った顔が……似ているかも。*

1987年 バブル華やかな頃 レンタル・ビデオ初期のオリジナル(アダ花)ビデオ

2007-04-22 | 映画
代官山《ワンダーランド》HORROR~悪魔の棲む街~

邪願霊」の石井てるよし監督作品。



小中千昭の「ホラー映画の魅力~ファンダメンタル・ホラー宣言~」(岩波アクティブ新書)には、彼自身が関わった作品のことが紹介されているが、「代官山HORROR」(別題「代官山ワンダーランド」と紹介されている。今回購入のDVDはその両方をあわせて題名にしている模様)には特殊メイクで参加、「邪願霊」をきっかけに脚本家になったというようなことを書いている。それらのビデオ作品がリリースされた当時、確かに店頭でそのタイトルを眼にした覚えがあったのだが、残念、実際には見ていなかったので、本を読んで以来、値段に納得がいけば見たい、手に入れたいと思っていたのである。

「邪願霊」は既にレビューしたとおり、フェイク・ドキュメントという手法は、成功している方だと思う。で、今回「代官山ワンダーランドHORROR」を入手し、見ましたよ。

ダメだ、こりゃあ。

代官山に所在するタレント・スクール。たくさんの若い女性、少女が通ってきて、タレントとしてデビューする日を夢見ている。その中から知的な女子大生風、元気なバイト娘風、カマトトそうな女子高生の三人が学校長に呼ばれる。卒業=デビューを賭け、深夜の代官山をオリエンテーリングして、目的地「イートゥン・ハウス」を目指すことになる。通行人に道を尋ねてもいいが、訊いてもいいのは「危なそうな人、怪しい人」に限るという……。

危なそうな人・怪しい人は当然の如く魔物なのである!

設定からしていかにもダメダメに感じることと思う。お察しのとおりだ。そのうえ、血糊や特殊メイクの良し悪し以前なのは、肝心の三人の娘があまり可愛くなく、しかも演技がなっていないのである。

20年前、AVとの端境にあったオリジナル・ビデオ。アニメ作品だって、なんでこんなのを借りちゃったんだろうと、泣きたくなる作品があったが、当時これを見なくてよかったと思う。

購入価格は1,300円ほどだったので、まあ、我慢できるかな。わたしくらいに「心が広い」人間以外は絶対に見ちゃダメ!

誰か、この作品の大フアンはいないのか? いたら、是非「愛」を語って欲しい。

本日レンタルしてきたのは……

2007-04-21 | Weblog
「桜蘭高校ホスト部」6・7巻
クラブ活動のホスト部(クラブ)っていう、発想だけで乗り切っちゃうのは凄いですね!

「NHKにようこそ!」2・3巻
日本引きこもり協会!

「日本沈没」

「スパングリッシュ」

明日も半額セールなので、これ返して別のを借りねば、と思っております。

で、せめて明日は「代官山ワンダーランドHORROR」が如何に酷いか、ダメダメかを、書きたいなぁ。