ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

鼻息は鼾鬼(イビキ)、太古の化石鬼(カセキ)、酔狂な物好鬼(モノズキ)なんてだめ?

2006-08-09 | ドラマ
このブログでは報告しなかったが、「響鬼」DVDの10巻は、結構前に見ていたのだ。

そして、DVDの11巻である。
第41話「目醒める師弟」~第44話「秘める禁断」。

前巻ラストで威吹鬼の危機に、ついに変身するあきら。この「目醒める師弟」では、そこから始まるが、いやー、あっけなくヤラれて失神、丸裸。(「秘める禁断」でうつ伏せでお尻見せの斬鬼さんとは違い、肩裸で暗示。随分前に轟鬼が気を集中できず、変身を解くと丸裸で斬鬼さんに諭されていたのを踏まえているのだろうが、小賢しいシナリオと思ってしまう自分が悲しい)。おざなりな展開だ。桐矢京介・明日夢の弟子入り話とのコントラストとしてあきらが「師匠に無断の変身」「京介・明日夢を“弟子”にしたこと」で威吹鬼に叱られる。うーん。この威吹鬼も、彼らしくないのだよな、どうにも。この41話の最後で「あきらの出した答えがそれならいい」とかいうところは、そんなものかなとは思えたが。

前巻の朱鬼編が、とにかく酷かったのだが、まあ、朱鬼との関係にきちんと終止符を打てたことで、「生きること」に整理がついたとでもいうのか、斬鬼がまさにラストスパートに入る。

「オロチ現象」というカタストロフ迫るに従い、魔化魍が異常活性化するという最終話に向かった「豪華展開」は、思えば「平成ライダー」の基本パターンのような気もするが、実際はもっと「おとなの事情」なのではないかと、今回も思った。

つまり、着ぐるみの総使い回しとCG(VFX)パターンの使い回し(色違いの同キャラ多数、なんてまるでテレビゲームじゃないか!)で一回ごとの特撮コストを落とす。それから、その回に不要ならば役者も出番を削る。轟鬼の致命的負傷と失意に対し、日菜佳があの状態なら、香須実が姉として気働きをしないわけがないのにそんなことは省いてしまう。しばらくぶりに持田〈もっちー〉ひとみが出てきたと思ったら、チア部ではない(もしかしたら、チア部員を揃える方がコスト高?)。それに彼女は轟鬼の従妹のはずだが、彼の見舞いさえしない。29話までに築いた「日常」がまるで機能しないのである。

井上脚本で日常とは「飯を喰う」ことなんだろうか。

「このラーメン屋のラーメン、おいしいなぁ」
「今日はボクが奢りますよ」
もっと細やかな日常の、感情生活をキミ達は持っていたはずじゃないか!

斬鬼のラストスパートも、「秘める禁断」、反魂だか返魂だかの禁呪法を用いた様子。轟鬼のため、朱鬼同様に「禁を犯す」というドラマなんだろうが、うーん、どうにも無理やりな展開だなぁ。次巻最初のエピソードで「散華する」そうだが。

文句を言いつつも、前2巻よりは面白かった。脳内補完にもわたくしの方が慣れてきたということかな。

それでも鼓も弦も管もなく、魔化魍との相性関係なくガムシャラに闘うのはやっぱり無様だな。あと強化響鬼が強すぎ。「とぉ」とかって、一撃で魔化魍5体とか倒しちゃいかんだろう。「夏のヤツ(とにかく増えるタイプ)」じゃあるまいに。それに、着ぐるみ使い回しでもいいけども、大鯰の胃袋まで混じっているのは意味不明じゃないか!

……ああ、やっぱり文句言ってしまった。

いよいよ未見はあと1巻。最終話「明日なる夢」を見て、「許せる」ことを、自分に期待したい。