ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

逃れえぬ罠、そこから這い出せない穴。

2006-08-01 | 映画
「穴 」(THE HOLE)を見た。

ぼろぼろの格好で、フラフラになって歩く少女。「Missing(失踪者)4名」のポスターのうち、左隅の一名はアングル的に隠れて見えない。
次の一枚のポスターにはリズ(ゾーラ・バーチ)の顔が! たどり付いた学校の、広い廊下に設置された公衆電話で、彼女は電話を架ける。警察の電話への問いかけに、彼女は金切り声で応えた……。

4人の失踪の真相を巡り、精神科の女医フィリパがリズをカウンセリングする。ビデオカメラの前で、訥々とリズは語り始める。

真面目でお勉強家のリズは、超然とした態度を装いながら、実は学園の人気者マイクに夢中だ。お勉強家仲間のマーティンの協力を仰ぎ、マイクの相棒ジェフとそのガールフレンドのフランキーともども「防空壕跡」で、つまらない研修旅行期間をやり過ごす計画を実行する。鍵を掛けて立ち去ったマーティンが……しかし、そのまま戻らなかったのだという。

この話を受け、警察はマーティンを拘束し、尋問するが、彼は頑としてこれを否定。もしもマーティンが嘘を吐いていないとしたら、嘘つきはリズになる……。

……と、まあ、リズの回想とか、再三の告白を通して、なるほどな真相が明らかになっていくという筋立て。

とにかくゾーラ・バーチの可愛いんだか、ヤバいんだか、怪しいんだか、可哀相なんだかわからないキャラクターの立ち方がとてもよい。

まあ、必見というほどでもないが、見て損はない作品かな。

*読書の方は「殺人の追憶」を読み進めている。映画のバックボーンをきちんとフォローできるノベライズの良作。読み終わったら映画を見直そうと思う。*