苦しみの奥にあるもの

私はかつて
あることに苦しんでいたが、
そのことに苦しんだから、
その結果、
別の
素晴らしいことが
可能となった。
つまり
その可能となった素晴らしいことは、
私が当時苦しむということがなければ
存在しなかったのである。
どうも考えてみると、
私にとって悩みであり、苦しめたもののすべてに
私を生かす働きが
その奥に
存在しているみたいなのだ。

私を困らせたことが、私を生かす働きであった

私の過去の人生で
もっともこたえたことが
二つほどある。

それは
ここでそれが何かを
書くことは
もちろんできないのではあるが、
今考えると
当時はそれが悩みだったものだが、
人生の大局から考えて
もっとも
自分にとって大事であり、
実は
自分を生かす働きであったことなのだと、
今は気付いている。
自分を困らすことは、
自分にとって必要だから、
起こっていたのだ。
こんなことを書くと
不幸礼賛だなどと
私を誤解して言う人がいるかもしれないが、
これは
不幸礼賛ではなく、
私は自分の迷いの所産を
賛美しているわけではない。
ただ私は
自分の経験から、
自分を困らすことは
実は自分を生かすことに
つながっていた、
という主観的事実を
と言っているにすぎない。