持ってますか?

用事があって役場に行ってきました。
書類が出来るまで時間があったので福祉関係のパンフレットを読んでいました。

棚の端に黄色いカードが見えました。臓器提供意思表示カードです。


私の財布の中にも入っています。１番と２番に丸印がつけられ、私と主人の署名がしてあります。
実母が亡くなったとき、医師から献体を進められました。もちろん強制ではありません。姉二人と答えをだすのに３分とかかりませんでした。

「お願いします。」

私が霊安室に行ったとき、そこにもう母の姿はありませんでした。

病院から帰ってきた母の顔は安らかでした。生前、手術はしたことがなく姉が「体に傷をつけてしまって....」とつぶやいていました。献体したことを後悔してたんでしょうか？私に後悔はありませんでした。

二度目の脳梗塞が酷かったのでしょう、頭の中は物凄い血だったそうです。
火葬して骨を拾った時に姪が持っていた母の頭蓋骨がぱっくり、ふたつに割れて献体の後を偲ばせていました。


臓器提供意思表示カードを持って５年,主人にも子供達にもカードのことは話してあります。反対者なし。

でも、亡くなった後のことはわかりません。私はもう、口、出せませんから。
どんな形でも良い、人助けになれたらいいと思ってます。