夫の大切な蔵書を全て処分させてもらった。
彼が必死に蒐集したものだが、難しすぎて、専門
的過ぎて手にとっても読もうという気にならな
い。
これを大事に置いておいても私がいなくなったら
結局子供達が処分するのだ。
私が生きている限り手にとって見るのならこのま
まおいておくが、、、、。
沢山の付箋が付いているものが多いので出来る限
りそれらをはずした。
雪の中古書店のご主人は作業する人を二人連れて
神田から現れた。
舌癌をして、手術を三回されたというのに
若い者に任せておけないと査定に現れたのだ。
紹介を受けて筑摩書房に勤めていたと聞きもっと
良い物があるだろうと期待されていたようだが、
15年前ほとんど売ってしまって、、、というと
「そうでしょう、すぐわかります」とお見通し!
「それにしても失礼ながら、筑摩書房の給料で
マンションを買い、よくこれだけの蔵書をあつめ
られましたね」と言われてしまった。
これに加え、ワイン収集、レコード収集、派手な
お酒の飲みっぷり、、、だったのだから
我が家はどうなっていたのだろう?
今回は前回の十分の一程の査定。
空っぽになった本棚に寂寥を感じる。
断捨離の一歩。
これでよいのだ。