母の展覧会にはお別れ式の時と同じくらいの方が
見にきてくださって感謝だった。
こじんまりした素敵なギャラリーに
作品は並べてあり初めて見るものも
たくさんあった。
驚いたことに母は子供の時からの
習字の作品はもちろん、日記、作文
など虫除けを入れて風呂敷で保管して
あったのだ。また絵画も素晴らしい物が
残っていて、みんなをうならせた。
母の子供の頃の作品など一度も見せて
貰ったことはない。話にも出なかった。
我々子供たちが一番驚いた。
今頃どこかで
うふふ、本当はこうだったのよ~えへへ
とお茶目に首をすくめているだろう。
あまりの驚きにこれが本当の最後の
展覧会とおセンチになっていたのは
払拭され爽やかな気分になり
力をもらった気がした。母は不思議な
ひとである。