今年からスウェーデンの鉄道の上下分離がさらに深化する。1990年代の鉄道自由化に伴い、もともと国の鉄道庁が管轄していた鉄道インフラと鉄道運行事業が分割された。鉄道インフラの整備・管理は鉄道庁(現・交通庁)が担う一方、鉄道運行事業を行う目的で設立されたのが「SJ AB」だ(ABは株式会社の意。SJの全株は今でもスウェーデン政府が所有しているため民営ではなく、あくまで国鉄。 乗っていた列車が遅れたりして腹をたてた乗客は、SJ ABを逆さに読んだりする・笑)。
その後、鉄道運行事業にはSJ以外の民間事業者の参入も徐々に緩和された。例えば、ルレオやキルナへ行く夜行列車の運行をSJと他の事業者との間で入札にかけ、一時期は Tågkompaniet や Connex といった事業者が列車を走らせたこともあった。
また、ストックホルム-ヨーテボリ間やストックホルム-マルメ間の幹線では、Intercity(長距離各駅停車)列車の一部が Blå Tåget や Connex などの民間事業者によって運行されるようにもなった。ただ、現時点ではまだ1日にせいぜい1往復という頻度であるし、特急列車としての参入ではないため、SJの地位を脅かす存在ではない。私もストックホルム-ヨーテボリ間は鉄道で頻繁に行き来するが、そもそもSJのIntercityすら滅多に乗らないので、わざわざ民間のIntercityを選ぼうとは思わない。
ただ、そんなSJの独占状態も今年の秋から変化する。ストックホルム-ヨーテボリ間において、民間事業者が特急列車部門にも参入するためだ。実は、首都と第二の都市を結ぶこの西部幹線は国内でもっとも収益性の高い路線であり、SJの収益の6割を生み出している(うち大部分は特急列車による)。そんな高収益路線の特急列車に、民間事業者が参入してくるわけで、激しい競争が予想される。現在、参入を決めているのは Citytåg と MTR の2社だ。
MTRは言わずと知れた香港資本であり、既にストックホルム地下鉄の運行事業を担っている。ストックホルム-ヨーテボリ間では新型特急車両を投入し、1日最大7往復ほど運行する予定とのことだ。使用する車両は、スイスの鉄道メーカーStadlerの製造するFlirt Nordicというモデルで、6編成の購入を決めている(同モデルは既にノルウェー国鉄が使用している)。
ノルウェー国鉄の所有するFlirt Nordic
一方、Citytågはスウェーデン資本であり、費用を抑えて低価格をウリにし、乗客の獲得を目指すという。使用する車両は1970年代に製造され、ドイツで使用されてきた中古で、1日3往復ほど走らせる予定だ。
おそらくCitytågのほうは特急列車とはいえ停車駅の少ないIntercityという感じだが、MTRのほうは車両も新しくスピードも出るので魅力的で、私も興味がある。
【 この2社を迎え撃つ老舗の国鉄SJ 】
では、これら新規参入企業に対して、老舗のSJはどのように対抗するつもりなのだろうか? 既存の特急車両X2000(現在の名称はSJ2000)は1989年から製造が始まり、1990年代前半から使用が開始されたモデルであるため古い。新型車両の購入が急がれる。メディアの注目を集めたSJの対抗案は、先日1月16日に大々的に発表された。記者会見は「国鉄SJの150年の歴史の中で最も規模の大きな投資プロジェクトだ」という威勢のよい言葉で始まった。うわぁ、きた! どんな新型車両を購入するのだろう、と大きな期待をした。
しかし・・・、その中身はというと
「35億クローナを投じて、既存のX2000(SJ2000)全車両のアップグレードする」
な、な、なんと、新型特急車両の購入ではなく、既に使用が開始してから20年あまりが経っている旧モデルの刷新なのだ。記者会見をラジオで聞きながら肩からどっと力が抜ける気がした。
具体的には、
・アップグレードの対象となるのは、SJが現在保有する36編成すべて。
・車体はそのまま
・ただ、電気系統、駆動・制御システムやITシステムなどはすべて最新鋭の技術を導入する。
・また、外装および内装を新しくする。
・アップグレードの結果、10%の省エネが期待され、スピードが少しアップする(現在は最高200km/h)。また、乗り心地が今より良くなる。
・アップグレード作業は徐々に進めていく。刷新された最初のSJ2000が路線に投入されるのは2016年であり、2018年までにすべての刷新を終える。
・5社の競争入札の結果、技術部分のアップグレードはABBが14億クローナを掛けて行うことが決まった。(X2000は1980年代にSJとASEA(ABBの前身)が共同開発。ABBの鉄道部門はBombardierに買収されたため、ABBは今は鉄道を作ってはいないが、鉄道関連の技術開発は今も続けている)
当然ながら「なぜ新型車両を新たに購入しないのか?」という疑問の声も聞かれよう。国鉄SJは、「新型車両の購入も考慮して候補をいくつか見てみたが、スウェーデンの鉄道条件に既存のSJ2000以上に合うものが見つからなかった」と答えている。スウェーデンの鉄道条件、というのは、おそらくまず、カーブが多いことを指しているだろう。SJ2000は振り子列車であるため、スピードを落とさずにカーブを通過できる(乗車中、振り子機能が作動しなることが稀にあるが、それを経験すると振り子の有り難さがよく分かる。安全性の問題はなく、あくまで乗り心地の問題)。また、寒冷な気候も指しているだろう。冬場は線路の切り替えが故障したりして列車ダイヤに大幅な遅れが発生しがちだが、先頭車両にびっしりと氷が張り、停車駅でドアがガチガチに凍りついて開かなくなるくらいの寒さの中でも、線路さえしっかりしていればSJ2000はちゃんと走ってくれる。この頑強さ(robustness)はこれまでの運用から実証済みだ。
以上が、国鉄SJによる説明だが、理由は他にもあると思う。ストックホルム-ヨーテボリ間は既に述べたように、競争が激化する。線路は今の時点で既にかなりの過密状態なのに、運行本数がさらに増えるので、おそらくスピードは今以上にあげることが難しくなるだろう。だから、新型車両の導入による高速化にお金を掛けるべきではないと判断したと考えられる。また、ちょうど今、SJは大きなコストカットの必要性に直面してもいる(年間60億クローナの経常費用を50億クローナへカット)ので、新規購入は見送ったのではないだろうか。
ちなみに、SJは数年前にBombardier製の新型車両SJ3000の導入を決め、すでに路線にも投入されているが、これは主にストックホルム以北(Sundsvall線, Borlänge線)で使用されており、ストックホルム-ヨーテボリ間での運行は考えられていないようだ(私は少なくともこのSJ3000を追加注文して、ヨーテボリ線に投入してくれることを期待していた)。
【 SJ2000(X2000)のこれまで 】
振り返ってみると、SJ2000のアップグレードは今回が初めてではない。1990年代前半の運行開始から10年ほど経った頃、第1回のアップグレードが行われた。乗客である私にとっての大きな変化は、各座席にコンセントが取り付けられ、また、車内無線LANが装備されたことだった。ただ、この時のアップグレードも3年ほど掛けて徐々に進められたため、ノートパソコンのバッテリーが空のときに乗ろうとした列車が、アップグレード前の物だった時は、大いに困ったものだった。
一番初めの外装
2000年代にアップグレードされた後の外装
既に書いたように、SJ2000(少し前までX2000と呼ばれていた)を開発したのは、スウェーデン国鉄SJと、重工業メーカーABBの前身であるASEAであり、1989年から98年にかけて全部で44編成製造された(モデル名はX2であり、それぞれの編成には作られた順にX2 2001、X2 2002、・・・と番号が振られた)。
その後の話はWikipediaが詳しいが、SJやASEA(ABB)は、自国開発のこの高速鉄道技術の輸出も考えていたようで、アメリカのAmtrakなどにも一時期貸し出されたほか、中国の高速鉄道にも参入を目論んだようだ。しかし、実際に輸出されたのは中国への1編成だけだった。この編成は全44編成の中で一番最後に製造されたものであり、型番がX2 2044だったが、4という数字は不吉なので末広がりの8が良いと中国が言うので、X2 2088という型番に変えた上で輸出されたとか。おまけに、中国が1編成だけ購入した目的は、実際に運行することではなく、むしろ技術を学ぶためだったらしい(笑)。
スウェーデンでは、残りの43編成が国内の各路線で使用されたが、時おり事故が起きて、車両が大破したりすると、1編成、また1編成と数が減っていき、しまいには車両不足が生じる事態にもなった。特に2000年代後半からは気候変動・温暖化の議論などもあり、鉄道を利用する乗客の数が大幅に増えたために、SJは2編成を連結して14両にして走らせることもあり、車両不足に拍車をかけた(3編成連結も行われたという噂も聞いた)。そのため、中国に輸出され、技術をがっぽりと持って行かれた後はそのまま放置されていたX2 2088を、SJは2012年に買い戻しているから面白い。スウェーデン国内に存在するSJ2000は、現在全部で36編成。この調子だと、2030年になってもまだ使われていそうだ(笑)。
その後、鉄道運行事業にはSJ以外の民間事業者の参入も徐々に緩和された。例えば、ルレオやキルナへ行く夜行列車の運行をSJと他の事業者との間で入札にかけ、一時期は Tågkompaniet や Connex といった事業者が列車を走らせたこともあった。
また、ストックホルム-ヨーテボリ間やストックホルム-マルメ間の幹線では、Intercity(長距離各駅停車)列車の一部が Blå Tåget や Connex などの民間事業者によって運行されるようにもなった。ただ、現時点ではまだ1日にせいぜい1往復という頻度であるし、特急列車としての参入ではないため、SJの地位を脅かす存在ではない。私もストックホルム-ヨーテボリ間は鉄道で頻繁に行き来するが、そもそもSJのIntercityすら滅多に乗らないので、わざわざ民間のIntercityを選ぼうとは思わない。
ただ、そんなSJの独占状態も今年の秋から変化する。ストックホルム-ヨーテボリ間において、民間事業者が特急列車部門にも参入するためだ。実は、首都と第二の都市を結ぶこの西部幹線は国内でもっとも収益性の高い路線であり、SJの収益の6割を生み出している(うち大部分は特急列車による)。そんな高収益路線の特急列車に、民間事業者が参入してくるわけで、激しい競争が予想される。現在、参入を決めているのは Citytåg と MTR の2社だ。
MTRは言わずと知れた香港資本であり、既にストックホルム地下鉄の運行事業を担っている。ストックホルム-ヨーテボリ間では新型特急車両を投入し、1日最大7往復ほど運行する予定とのことだ。使用する車両は、スイスの鉄道メーカーStadlerの製造するFlirt Nordicというモデルで、6編成の購入を決めている(同モデルは既にノルウェー国鉄が使用している)。
ノルウェー国鉄の所有するFlirt Nordic
一方、Citytågはスウェーデン資本であり、費用を抑えて低価格をウリにし、乗客の獲得を目指すという。使用する車両は1970年代に製造され、ドイツで使用されてきた中古で、1日3往復ほど走らせる予定だ。
おそらくCitytågのほうは特急列車とはいえ停車駅の少ないIntercityという感じだが、MTRのほうは車両も新しくスピードも出るので魅力的で、私も興味がある。
【 この2社を迎え撃つ老舗の国鉄SJ 】
では、これら新規参入企業に対して、老舗のSJはどのように対抗するつもりなのだろうか? 既存の特急車両X2000(現在の名称はSJ2000)は1989年から製造が始まり、1990年代前半から使用が開始されたモデルであるため古い。新型車両の購入が急がれる。メディアの注目を集めたSJの対抗案は、先日1月16日に大々的に発表された。記者会見は「国鉄SJの150年の歴史の中で最も規模の大きな投資プロジェクトだ」という威勢のよい言葉で始まった。うわぁ、きた! どんな新型車両を購入するのだろう、と大きな期待をした。
しかし・・・、その中身はというと
「35億クローナを投じて、既存のX2000(SJ2000)全車両のアップグレードする」
な、な、なんと、新型特急車両の購入ではなく、既に使用が開始してから20年あまりが経っている旧モデルの刷新なのだ。記者会見をラジオで聞きながら肩からどっと力が抜ける気がした。
具体的には、
・アップグレードの対象となるのは、SJが現在保有する36編成すべて。
・車体はそのまま
・ただ、電気系統、駆動・制御システムやITシステムなどはすべて最新鋭の技術を導入する。
・また、外装および内装を新しくする。
・アップグレードの結果、10%の省エネが期待され、スピードが少しアップする(現在は最高200km/h)。また、乗り心地が今より良くなる。
・アップグレード作業は徐々に進めていく。刷新された最初のSJ2000が路線に投入されるのは2016年であり、2018年までにすべての刷新を終える。
・5社の競争入札の結果、技術部分のアップグレードはABBが14億クローナを掛けて行うことが決まった。(X2000は1980年代にSJとASEA(ABBの前身)が共同開発。ABBの鉄道部門はBombardierに買収されたため、ABBは今は鉄道を作ってはいないが、鉄道関連の技術開発は今も続けている)
当然ながら「なぜ新型車両を新たに購入しないのか?」という疑問の声も聞かれよう。国鉄SJは、「新型車両の購入も考慮して候補をいくつか見てみたが、スウェーデンの鉄道条件に既存のSJ2000以上に合うものが見つからなかった」と答えている。スウェーデンの鉄道条件、というのは、おそらくまず、カーブが多いことを指しているだろう。SJ2000は振り子列車であるため、スピードを落とさずにカーブを通過できる(乗車中、振り子機能が作動しなることが稀にあるが、それを経験すると振り子の有り難さがよく分かる。安全性の問題はなく、あくまで乗り心地の問題)。また、寒冷な気候も指しているだろう。冬場は線路の切り替えが故障したりして列車ダイヤに大幅な遅れが発生しがちだが、先頭車両にびっしりと氷が張り、停車駅でドアがガチガチに凍りついて開かなくなるくらいの寒さの中でも、線路さえしっかりしていればSJ2000はちゃんと走ってくれる。この頑強さ(robustness)はこれまでの運用から実証済みだ。
以上が、国鉄SJによる説明だが、理由は他にもあると思う。ストックホルム-ヨーテボリ間は既に述べたように、競争が激化する。線路は今の時点で既にかなりの過密状態なのに、運行本数がさらに増えるので、おそらくスピードは今以上にあげることが難しくなるだろう。だから、新型車両の導入による高速化にお金を掛けるべきではないと判断したと考えられる。また、ちょうど今、SJは大きなコストカットの必要性に直面してもいる(年間60億クローナの経常費用を50億クローナへカット)ので、新規購入は見送ったのではないだろうか。
ちなみに、SJは数年前にBombardier製の新型車両SJ3000の導入を決め、すでに路線にも投入されているが、これは主にストックホルム以北(Sundsvall線, Borlänge線)で使用されており、ストックホルム-ヨーテボリ間での運行は考えられていないようだ(私は少なくともこのSJ3000を追加注文して、ヨーテボリ線に投入してくれることを期待していた)。
【 SJ2000(X2000)のこれまで 】
振り返ってみると、SJ2000のアップグレードは今回が初めてではない。1990年代前半の運行開始から10年ほど経った頃、第1回のアップグレードが行われた。乗客である私にとっての大きな変化は、各座席にコンセントが取り付けられ、また、車内無線LANが装備されたことだった。ただ、この時のアップグレードも3年ほど掛けて徐々に進められたため、ノートパソコンのバッテリーが空のときに乗ろうとした列車が、アップグレード前の物だった時は、大いに困ったものだった。
一番初めの外装
2000年代にアップグレードされた後の外装
既に書いたように、SJ2000(少し前までX2000と呼ばれていた)を開発したのは、スウェーデン国鉄SJと、重工業メーカーABBの前身であるASEAであり、1989年から98年にかけて全部で44編成製造された(モデル名はX2であり、それぞれの編成には作られた順にX2 2001、X2 2002、・・・と番号が振られた)。
その後の話はWikipediaが詳しいが、SJやASEA(ABB)は、自国開発のこの高速鉄道技術の輸出も考えていたようで、アメリカのAmtrakなどにも一時期貸し出されたほか、中国の高速鉄道にも参入を目論んだようだ。しかし、実際に輸出されたのは中国への1編成だけだった。この編成は全44編成の中で一番最後に製造されたものであり、型番がX2 2044だったが、4という数字は不吉なので末広がりの8が良いと中国が言うので、X2 2088という型番に変えた上で輸出されたとか。おまけに、中国が1編成だけ購入した目的は、実際に運行することではなく、むしろ技術を学ぶためだったらしい(笑)。
スウェーデンでは、残りの43編成が国内の各路線で使用されたが、時おり事故が起きて、車両が大破したりすると、1編成、また1編成と数が減っていき、しまいには車両不足が生じる事態にもなった。特に2000年代後半からは気候変動・温暖化の議論などもあり、鉄道を利用する乗客の数が大幅に増えたために、SJは2編成を連結して14両にして走らせることもあり、車両不足に拍車をかけた(3編成連結も行われたという噂も聞いた)。そのため、中国に輸出され、技術をがっぽりと持って行かれた後はそのまま放置されていたX2 2088を、SJは2012年に買い戻しているから面白い。スウェーデン国内に存在するSJ2000は、現在全部で36編成。この調子だと、2030年になってもまだ使われていそうだ(笑)。
1.大都市間輸送について
経営力のある旧国鉄が隣国に進出したり、資本参加してきております。
例.OBB-Italia、NTV Italo(SNCF)、Westbahn(SNCF)
今回のケースはイタリアの高速列車"NTV Italo"に近いかもしれません。Fsも現状の車両を改装して対抗しています。SJ2000は新しい車両ではないので時機を見て新車が入るのではないでしょうか。
2.運営者について
この10年間で数々の会社が設立され、改名されたりしております。もともとは英国国鉄民営化で設立された会社が強かったですが、海外撤退し、英国内中心の運営になっています、海外でも展開しているのは"Arriva"だけとなっています。今、力があるのはフランス資本"Transdev(旧Connex、Veolia)"だと思います。最近の潮流は大都市圏輸送で公団民営化会社が台頭しています。パリ交通公団(RATP)とか、香港地鉄(MTR)とか。今回MTRが長距離参入した点は注目したいですね。
しかし、日本勢はなぜ進出できないのでしょうか。上下一体の技能伝承システムになっているからなのでしょうか。大阪市交通局民営化の話がありますが、解体するのではなく、是非海外進出してほしいものです。東京メトロも。JR北海道は今、日本では非難の的ですが、会社発展のためには、海外進出はありだと思います。寒冷地のノウハウもありますし。一方、海外の運営者が参入し、日本へ刺激を与えてほしいと思います(鉄道はダメでも公営バスなら可能性はあるでしょう)。
そもそも儲からないからEUは市場原理を導入しているのですが、本当に儲かるのかに注目しております。安全性と長期安定の信頼性に注目しております。官はそんなに不合理か。民営化市場原理導入論は何が正しいか注目しております。
また、リストラも大規模にやっているような。
JR北海道をほうふつさせます。
>SJ2000は新しい車両ではないので時機を見て新車が入るのではないでしょうか。
いや、それを期待していたのに、今回の発表があったので、少なくとも今後5年はこの路線における新規車両の投入はないでしょう。
>しかし、日本勢はなぜ進出できないのでしょうか。
確かにそうですね。日本では上下一体ですが、オペレーターのみの上の事業を海外で展開することがなぜできないのでしょうかね。
>官はそんなに不合理か
日本では、とかく官か民か、と考えがちですが、スウェーデン国鉄の場合は、株式会社化されたものの、全株を政府が所有していますが、一方で、株主である政府からは自己資本に対して一定規模の利潤を上げるように要求されており、経営自体は民間とあまり変わらないようです。ですから、官と民の中間であり、イギリスの鉄道民営化とは状況が異なります。
トラブルが発生した時に、それが上下分離の「上」のせいなのか、「下」のせいなのか、を区別することは重要です。
SJが列車のメンテナンスを怠って、車両トラブルが多発し、批判を浴びた時期もありましたが、最近の評価によると、近年のダイヤの乱れの大部分は、「下」、つまり鉄道インフラを管理している交通庁のせいだと考えられます。
最新の投稿の記事にて、鉄道経営の事情がよくわかりました。
福祉分野も含めて、規制緩和の影響の判断は難しそうですね。
新しい職場に移られて、ますますご活躍されることを期待しております。
こちらこそ遅くなりました。
返事をしようと思っていたら、次回作が完成してしまいましたね。
民営化の上下分離に関して、"The Navigators"というKen Loach作のイギリス映画は問題のポイントを押さえております。余裕があれば見てみてください。