スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

アイスホッケー決勝

2006-02-27 03:18:07 | コラム
オリンピック最終日を飾るのは、アイスホッケー決勝戦。
なんと、フィンランドvsスウェーデン、隣国同士の対決となった。待ちに待った北欧対決だ。(一部の日本の新聞には「スカンディナヴィア対決」とあったけれど、フィンランドはスカンディナヴィアに入るのだろうか・・・?)

第1、第2ピリオドは自宅のテレビで見ていた。2-2、互角の戦いだった。第3ピリオドは、連絡船のカフェに座りながら、ラジオで聞いていた。第3ピリオドが始まって10秒、スウェーデンのロングシュートが決まった。これが決勝ゴールとなり、94年のリレハンメル以来の金メダルとなった。試合終了で、金メダル獲得が決まったときには、乗客も拍手喝采。ラジオで聞いていた連絡船の船長も、思いっきり汽笛を鳴らしていた。

GULD, GULD, GULD!!

私はスポーツにはぜんぜん詳しくないのだけれど、サッカーにしろアイスホッケーにしろ、スウェーデンには独特の強みがありそうな気がする。個人プレーでやたらと目立つ選手がいるわけではないが、チーム全体として押さえる所をしっかり押さえていて、しっかりとした安定性があるのだろう。日本の新聞には「古豪」とあったが、スウェーデンのイメージにぴったりなのかもしれない。さすが、頑丈な車VOLVOの国。

さて、これでスウェーデンのメダル獲得数は、金7、銀2、銅5と、計14個も獲得することになった。過去2回の冬季五輪では金が全くなかったから、今回の活躍ぶりは、この国のスポーツ史に残りそうだ。(ラジオのニュースでは、"Den största svenska medaljskörden i ett olympiskt spel i modern tid"、つまり、"近代オリンピック史上でスウェーデンにとって最大のメダル獲得数になった"と伝えていたが、“近代オリンピック”ってわざわざ言わなくても、と思った。まさか、古代オリンピックにバイキングが参加していたわけでもあるまいし・・・。)

五輪での自己記録を塗り替えたスウェーデン

逆に、お隣の国ノルウェーにとっては、史上最悪の冬季五輪になった。金メダルが期待されていた選手が、次々に脱落していき、メダルまで逃す事態になった。結局、金2、銀8、銅9と、小粒の多くて大粒が少ない結果となった。金メダルの数ではいつもスウェーデンに大幅に勝っていたので、今回、大きく差をつけられたことにショックは大きい。

今回、国別のメダル獲得数は、1位ドイツ、2位アメリカ、3位オーストリアだった。韓国がメダルを11個(金6個)と、奮闘している。スウェーデン人の友達に言わせれば「スウェーデンは人口あたりにしたら1番かもね」だって。日本だって、今回は別としても、国土1平米あたりで比べたら、かなり上位に来るかも。

それにしても、応援できる国が2つもあるのは羨ましいと同僚に言われた。確かに。今回のオリンピックは2倍の楽しみがあった。