伝統ある英国の10吋ユニットで、いい音で音楽を聴きたい・・・・・

音楽好きの、古いオーディオ機器10吋TANNOYを改良して聴くダメオヤジの金ちゃんです。

タイトルは少し長いがJ.S.バッハの「六つの独立した協奏曲からなる、種々の楽器のための六曲の協奏曲」ブランデンブルク協奏曲を考察。

2023年04月02日 | J.S.バッハ関係


この肖像画がブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒと言われる方、ブランデンブルク協奏曲依頼者だそうです。
J.S.バッハ:1721年、ブランデンブルク辺境伯に献呈されたことによる名称で。千変万化に鮮やかに!バッハが生んだ感動協奏曲集、この方の名前から名付けられた、(ブランデンブルク協奏曲)は古くても、常に新しい魅力いっぱい協奏曲です。(Six Concerts Avec plusieurs Instruments )バッハが作曲した六曲からなる協奏曲集(BWV1046~51)である。
ケーテン時代に1721年ブランデンブルク辺境伯クリスチャン・ルートウィヒに献呈されたことからこの名称が生まれた。しかし、この曲集は最初から辺境伯のために作曲されたものではなく、それ以前に作曲された協奏曲のなかから6曲を選んで浄書・献呈したものとみられている。

解説では以下のように掲載されたいます。
「これらの協奏曲の楽器編成と内容が、当時わずか6名のメンバーしかいなかった辺境伯の宮廷楽団にふさわしくないためで、むしろ、当時バッハが楽長を務めていたケーテンの宮廷楽団のために作曲されたとみるのが妥当であろう。ただ個々の曲の作曲年代については異論が多く、現在のところ決定的な結論は出ていない。6曲はそれぞれ異なった楽器編成で書かれているが、各楽器が同等に扱われる協奏曲(第1番ヘ長調、第3番ト長調、第6番変ロ長調)と、独奏楽器群が弦楽合奏に対抗するいわゆる「合奏協奏曲」(第2番ヘ長調、第4番ト長調、第5番ニ長調)とに大別される。いずれの曲も愉悦に満ちた楽想で、バッハの作品のなかでもとりわけ人気がある協奏曲集である。この協奏曲は全部で6曲からなります。1721年にフランス語による献呈文とともに北ドイツのブランデンブルク伯に捧げられたために、その名があるわけです。ケーテン宮廷楽長をしていたバッハが、この宮廷のために作った作品を6曲選びだして、ブランデンブルク伯に献呈したものでしょう。」



簡単に曲を説明すれば、1.晴れ渡る、空(第1番)2.高らかに歌うトランペット(第2番)3.スカッと明るい旋律(第3番)4.印象的な可愛らしさ(第4番).明るくおおらか(第5番)6.落ち着いた中にも躍動感(第6番) と言う様な曲である。当時西洋は12個を1セットで思考するまとめ方が自然でダース単位が纏め方の概念があり程々の単位は半ダース即ち6個が具合の良い単位とされ、贈り物として使用するには誠に具合も良かったのであろう。

ブランデンブルク辺境伯クリスチャン・ルートウィヒに献呈する曲は六つの素敵な種類の違った宝石楽曲箱を献上するかのように、曲は独奏楽器と合唱楽器を交互に演ずる素敵な協奏曲の方式を取り入れ、協奏曲第1番 へ長調 BWV1046は第一楽章:急・第二楽章:緩・第三楽章:急・第四楽章:メヌエット形式を採用し比類なき美し派の味わえる曲に仕上がっている、この後のオーケーストラ展開の橋渡しをしている様にも感じる、オーケストラは第三楽章にメヌエットを入れる場合が多い様ではある。この辺りはバッハのバッハたる所以にも感じる思わず六曲を一気に聴き込んでしまった。



他の曲は合唱曲風で三楽章で纏められた協奏曲であるがBWV1048等の第二楽章は演奏に違いはあるが30秒ほどで終わりにする演奏もあるようで、特に有名なバッハ《ブランデンブルク協奏曲第5番》のこんな解説があります。 
一番有名な第5番(中略)フルート、ヴァイオリン、チェンバロが独奏楽器群にまわって、弦楽合奏と時には対立し、時には協力して動いてゆきます。この時代まで、チェンバロは合奏部の通奏低音をひきうけ、和声を補充するという裏方の役割をはたしていたのですが、この作品でバッハはチェンバロを主役に登用し、長い独奏楽句さえ受けもたせています。

さて、ピアノが主流になる前には、鍵盤楽器と言えば「チェンバロ」でした。
ピアノがハンマーで弦を「叩いて」音を出す楽器であるの対して、チェンバロは弦を「弾いて」音を出すという構造の違いがあります。
なんとも上品で雅(みやび)やかな音を発しながら歌うのがチェンバロという鍵盤楽器です。解説にありますように、この時代、チェンバロの役割は通奏低音を受け持つ言わば脇役でした。しかしバッハは、このチェンバロを主役に大抜擢し、ブランデンブルク協奏曲第5番の中にはチェンバロの長いソロ演奏(カデンツァ)まで入れています。

バッハの6つの独立した協奏曲の演奏を聴きこの曲の奥深さを改めて感じる曲であると思い引き続け聴き出してみることにしました。
この頃の時代は美しい宮廷建築が流行りでもあり、これがフランス革命まで続く時代で音楽もこの後日に雅に次の世代に変わっていったのであろうと思い、昔良くきいたブランデンブルク協奏曲を楽しんでみました。



演奏者の筆者のおすすめは
カール・リヒター:指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団 
この重厚さや荘厳さはリヒターの指揮する名盤以外ではなかなか引き出せないかもしれません。ある意味バッハ演奏家としての気迫を感じます。
バッハの音楽をこの世に生み出すために、ただただ心を透明に保ちながら無の境地から最大限にバッハを奏でてゆく様に感動します。古楽器による演奏の名盤が次々と出てきても決して色褪せない素晴らしい名盤です。
収録内容
構成数/2枚
合計収録時間 | 01:39:45
『J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)』
聴き応え十分な安心して聴けるカール・リヒター指揮の作品である。



本命は、今回取り寄せたCDではあるが、勿論少し古い演奏なのですが実に気に入ってます・・・
Adolf Busch (アドルフ・ブッシュ)。20世紀前半のドイツを代表する名ヴァイオリニスト、アドルフ・ブッシュ率いる《ブッシュ四重奏団》としても有名であり、1891年8月8日生まれ。1952年6月9日没。ドイツ系スイス人のヴァイオリニスト、指揮者、作曲家。ドイツのヴェストファーレン州のシーゲンに生まれ。ケルン音楽院でヴィリー・ヘス、ブラム・エルダリングに師事した。作曲ではフリッツ・シュタインバッハに師事し、ボンで後に義父となるフーゴ・グリューターズからも多くを学んだ。
初めて聴くには少しゆったりしすぎ共思えるが、聴き慣れると納得出来るリズムの中で安心して聴く気分の良さはこの上ないのある。

Johann Sebastian Bach:Six Concerts Avec plusieurs Instruments
CD1
 1.ブランデンブルク協奏曲第 1 番ヘ長調 BWV1046
 2.ブランデンブルク協奏曲第 2 番ヘ長調 BWV1047
 3.ブランデンブルク協奏曲第 3 番ト長調 BWV1048
 4.ブランデンブルク協奏曲第 4 番ト長調 BWV1049
CD2
 5.ブランデンブルク協奏曲第 5 番ニ 長調BWV1050
ルドルフ・ゼルキンがその通奏低音を「ピアノ」で演奏している是非聴きたい協奏曲であろう。
 6.ブランデンブルク協奏曲第 6 番変ロ長調 BWV1051

 ブッシュ・チェンバー奏者
 アドルフ・ブッシュ、指揮



この事はCD解説書より引用。
これらの録音は、1935 年(ブランデンブルク協奏曲) と 1936 年(組曲) にアビー ロード スタジオのコロンビア レーベルのために行われました。タリー・ポッター(「アドルフ・ブッシュ The Life of an Honest Musician」の著者としても有名なタリー・ポッターのコレクションである78回転のアナログ盤)彼の特徴的な権威ある有益なエッセイで、1935 年のバーゼルとロンドンのクイーンズ ホールでのコンサートで、ブッシュ チェンバー プレイヤーズ (アドルフ ブッシュの指揮ではなくヴァイオリンで指揮された)がセンセーションを巻き起こし、批評家の称賛を集めたと述べています。彼らのバッハ演奏の生命力と輝きが増します。
彼は続けて次のように述べています。「『小規模な』バッハの戦いに勝利して久しい今日でも、これらの 1935 ~ 1936 年の録音での演奏は、その活力、リズミカルな快活さ、自発性に驚くべき力を持っています。」トスカニーニは、ブッシュ・チェンバー・プレーヤーズのリハーサルやコンサートに参加するのが好きで、録音に最高の賞賛を与えました。1938年、ワインガルトナーは、ブッシュのコンサートを聞いた後、ロンドンのプログラムの1つからブランデンブルクを打ちました。この様に解説されていた。



1935 年と 1936 年に録音された - Abbey Road 78s の専門家であるアンドリュー・ウォルターによる新しい最先端のリマスタリングにより、EMI リファレンスに掲載された以前の録音が大幅に改善されています。このCDを聴き驚くは古い演奏なのに特に弦楽器の生々しい音には驚きである、確かにインシュレーターの置き方を改良したが、ここまで変わるとは思わなかった。
最先端のリマスタリングの効果もある様だがこの辺りの音楽再生には正にオールドタンノイの威力が発揮出来る様に思う。LS3/5Aに替えて聴くが原音の鳴り方には違いを感じる、IIILZ Monitor Goldのユニットの弦楽器の怪しげな響きの凄さを痛感させられた。

曲が終わり最後に管弦楽組曲第3番(アリア,他)BWV1068(J.S.バッハ)俗に言う「G線上のアリア」を聴く、非常にゆったりしたテンポで始まるヴァイオリンアリアはまるで違う曲を聴く様に感じるが、暫くするうちに此のテンポに慣れると此の演奏は正に絶品中の絶品であった。確かに音質は現在のものと比べれば落ちる事は言うまでもないが、演奏の素晴らしさは筆者が聴く演奏者の中でもトップクラスであろう。
聴き終わりスピーカーをLS3/5aに変え試聴するが、飾りのない音も良いが、たっぷり豊かな低音をハーモニーの美しさはタンノイに軍配があがる。オールド系統所謂78回転のアナログをCDに再プレスされた古い録音の再生は適度なボリュームでタンノイでひっそり聴くことが実に楽しくなる。



最近思う筆者の愛用の音響機器は、少人数の演奏等、やっと良いバランスの音が聴こえる様になった、意外と古い演奏にも共感を覚えているように思う。
兎に角筆者の居間に置くTANNOY IIILZユニットも発売から50年以上過ぎた製品のせいか当時の演奏がより良く聴こえるとも思うが聴こえる音は実に良く鳴る。

筆者が前々から不満を感じたいた事は、古い作品特にモノーラル録音に付いてはどうも低音が籠り気味に聴こえる今回エンクロージャーの下にインシュレーター等により色々工夫して試聴するが、今は随分音の抜けが良くなり試聴には耐えられる様には改良されたが未だ不満の全ては至ってない様に思う、今後もこの改良は工夫して調整していきたいと思う。

今回アドルフ・ブッシュ、指揮のバッハの音楽は実にゆったりと品よく音質も派手さは無いがしっとり落ち着いた味わい深い演奏は類を見ない。元々アドルフ・ブッシュはヴァイオリン演奏者でバッハの演奏と何か共通する演奏にも想像する、1935 年と 1936 年録音とあるが意外と可成りクリヤーな音が聴ける。確かに最新の録音と比べれば音質は落ちるが、音楽としては超一流の実に良い演奏である、音を聴くこと以外の音楽を楽しむこの様なJ.S.バッハを楽しむ世界はやはり一味違った喜びを感じます。

勿論音響機器もバランスは大切であるが、演奏もバランスは実に大切で音楽を活かすも殺すも紙一重の世界に思えた。ブラボー!