神登山という海抜189mの山が自宅の西側にある。頂上とは別の小山の頂上にある自宅との直線距離は五百m程度しかない。
庭に出ると終日盛んに鶯の鳴き声が聞こえる。かなり上達した泣き声になっている。
5月頃の陽気といわれる暖かいある日、録音機とカメラを持参して鶯の声収集に裏山に登った。
幾つかの峰の間の谷に集中して生息しているらしく、十羽くらいの鳴き声を聴くことができ、また頂上付近では雉の一声も聴くことができた。
誰も気にとめぬうぐひす鳴いてゐる 明石洋子
わらび採りの人と何度がすれ違ったが、まさにこの句の通り、わらび採りに懸命で、うぐいすの声に関心をしめす人はいなかった。
<!-- 春の声 -->