杉浦日向子さんの「江戸塾」なる本の「江戸文化を代表する浮世絵」のお話を読んで、目からうろこ。
「ありていに描きては興無きものなり」すなわち写実は面白くないという。ではどうするかというと、一枚の絵に「時の流れ」を描いたりするというのである。
すなわち、一枚の絵に春から冬にかけての景色の移り変わりが描写されているものがあるという。これは、科学主義を超えた未来主義だという。
西洋絵画は一瞬を描写した写真だ、浮世絵はビデオだ、一枚の絵の中に一連の時間の移り変わりを表現する手法を芸術の域まで極めているという。
一例として引き合いに出されたのが、枕絵(春画)である。
この絵のあるものは、手足の部位がいろいろな方向を向いている、一連の動作を一枚の絵に収め、しかも一瞬の姿ではなく、数十分間の時間の経過が表現されているという。
以前何度かこの種の絵を見た記憶があるが、不思議に思う以外に、こんなことを全く考えもしなかった。
やはり、杉浦日向子さんは偉かったのである。
参考:
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春画サイトを改めて覗いてみた。
言われるが如く、想像をたくましくして手足を見るが・・・、なかなかビデオを見る境地に至らず・・・、あらぬことに思いがいってしまう・・・。
http://homepage3.nifty.com/itoti/index.html