NHK子供ニュース '98/05/10 放送より一部抜粋。
EU、ヨーロッパ連合とは、国と国との境をなくして、全体がひとつの国のようになること。 EECとかECから、EUは、それがさらに発展したもの。
第二次大戦後、再び戦争で殺し合うことにならないように、ひとつの国になればいいじゃないか、という考え方が生まれた。
参加している国は15、人口は計3億7500万人 EUとは、どんなものか? 隣の国に入るのは、いつでも自由。外国人も、いったんEUの中のどこかの国に入れば、あとは、EUのどこの国に行くのも自由。
税関もなくなったから、EUの中で商品の売り買いも自由。そこで、安い品物を買いに、人々が国境を越えて買い出しに行くことある。こうなると、安くて良い品物でないと売れなくなるから、みんなが競争して良い品物を作ろうとして、結局はEUの人たちみんなが、安くて良い品物を買えるようになる、という考え方。
同じヨーロッパでも、イギリスはポンド、ドイツはマルク、フランスはフランというように、使っているお金が違っていた。せっかくEUの中を自由に行き来できるようになったのに、お金をそのたびに両替するのは面倒で、銀行や専門の店に手数料も必要となる。
そこで、‘99年から、EUの中のお金は「ユーロ」というお金にする、これを通貨統合と言う。 EUには15の国があるが、「とりあえず入るかどうか様子を見る」という国や、「経済の状態が良くないから、良くなってから入ってね」と言われた国もいて、結局11の国が来年から「ユーロ」を使うことが正式に決定。そのためのヨーロッパ中央銀行は、ドイツのフランクフルトにできている。
以上が、週間子供ニュースより抜粋・修正したものである。
現在はいたって順調なように見受けたが、統合直後の現地住民の混乱はいかばかりかと、拝察するのである。
壮大な実験が行われているのである。今後もこの統合が発展維持されることを祈るのである。
この極東アジアでも、いづれの日にか、この種の実験が始まることであろう。生きてこの目で見られるのであろうか。
補足:以下は、2007年3月の外務省のHPより抜粋した、EUの通貨統合に新規参入できる資格・条件の基準とでも言うべきものである。
(参考)経済収斂基準
1. 物価:過去1年間、消費者物価上昇率が、消費者物価上昇率の最も低い3か国の平均値を1.5%より多く上回らないこと。
2. 財政:過剰財政赤字状態でないこと。(財政赤字GDP比3%以下、債務残高GDP比60%以下)
3. 為替:2年間、独自に切り下げを行わずに、深刻な緊張状態を与えることなく欧州通貨制度の為替相場メカニズムの通常の変動幅を尊重すること。
4. 金利:過去1年間、長期金利が消費者物価上昇率の最も低い3か国の平均値を2%より多く上回らないこと。
健全な財政状態の国でなければ、この通貨統合に参加できないのである。
既に参加を認められた国々が、将来経済不振に陥るなどしたら、如何なことになるのであろうか。