12345・・・無限大  一粒の砂

「一粒の砂」の、たわごと。
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梅咲くころ

2007年06月19日 07時43分16秒 | Weblog

「三屋清左衛門 残日録」の続き。

今日火曜日は、BS2で午後7:45から、残日録の放送がある。
本日の題は、「花のなごり」である。
手持ちの単行本には、この題が見当たらないのである。
さてさて、いかなるものなりやと、楽しみにしているのである。

 以前放送された「梅咲くころ」の原作(小説)のあらすじは、次の如し。

“女遊びで名を売っている小姓組の若者にだまされた松江という奥方付女中が、懐剣でのどを突いて自害をはかった。

清左衛門が、この女中に「梅の一枝」を与えることで、ようやくに立ち直らせるのであった。

十数年後、この松枝が、嫁に行くと清左衛門に挨拶に来た。

ところが、その嫁ぎ先は、400両あまりの松江の持参金が目当てであることに、清左衛門が気付き、縁談を断らせた。

 四十くらいの安西という鉄砲の名手がおり、余命いくばくもない彼の老母に辛い仕打ちをしたとして妻を離縁していた。

誠実な人物と見た清左衛門は、松江を安西に嫁がせようとするのであった。

“ 先日の蔵出しTVでは、本論の「松枝の自害未遂」に関することと、「松枝の持参金事件、但し、縁談を断るところまで」は、そっくり原作通りに扱われたが、次の三箇所が、原作と大きく変わっていた。

その1;
大きな目玉の竹馬の友、佐伯熊太は、現役奉行職である。

この熊太に「奥方が風邪で臥せっているので、今夜は一本だけでやめ、看病に帰る」と言わせ、また「年を取ると、女房がいとしい」とも言わせている。

その2;
この出だしに始まって、清左衛門に四年前他界した妻からの手紙を読ませ、仕事にかまけて何一つやさしい言葉もかけず、妻の手紙にも返事も書かなかったと、振り返らせている。

その3;
「白い顔」という作品で、剣の達人平松与五郎27歳(数年前に妻が病死)と多美という21歳の出戻り(酒狂いの夫から逃げ帰り離縁)を、清左衛門は熊太と協力して縁付けていたのだが、この両名を登場させている。

好き合っていながら、言葉足らずでギクシャクしているこの再婚夫婦を、熊太と二人して、気心の通い合う夫婦にと変貌させたのであった。

この場面で、重要な小道具となったのが、「一枝の梅」であった。

原作と大きく異なったのは、「連れ合い大切運動」とでも言うべき「夫婦間の感謝の言葉・意思疎通」を声高に、表現した点である。

 蔵出しであるから、十数年前のTVドラマである。

 時代は、はるかに進み、この種の「連れ合い大切運動」などは、とっくに習得・実行済みで、いまさらやかましく言わなくても判っていると、言われるような気もするのであるが・・・。

小生は、とてもうまく創りかえられていたと高く評価したのだが、

さてさて、作者藤沢周平氏は、あの世で、このドラマをいかように受け止めておられるのであろうか。