八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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伊那佐山と山麓のお宮の祭り

2011年04月11日 | お祭り
4月10日は、よく晴れました。
この日、伊那佐山の山頂に鎮座する
都賀那岐神社の春の例祭がありました。

山の麓の遥拝所で氏子の皆さん方と合流して
一路、山頂を目指しました。

伊那佐山の麓集落は、
かつて伊那佐村といわれていました。
奈良県宇陀郡伊那佐村は、
昭和29年まであった村で
昭和の大合併に伴い、榛原町の一部となり
その後、宇陀市榛原の一部となりました。

資料を紐解きますと
1889年4月、町村制施行に伴って
比布村、高塚村、福西村、池上村、
栗谷村、石田村、山路村、大貝村、
沢村、三宮寺村、母里村
の11ヵ村が合併して
宇陀郡伊那佐村が成立したといいます。

それぞれの村には
それぞれに祀る氏神さんがおられましたが
明治の合祀令によって
おおむね、山に隣接する村の氏神は伊那佐山に。
里の村の氏神は八咫烏神社にと合祀されました。

戦後、合祀された氏神さんたちは
次々に元のお社にお戻りになりましたが
この4月10日の春の例祭には
かつて合祀されていた村の役員さんたちも
一緒に参列されます。

それは「慣例だから」というよりも
「田畑に豊穣をもたらす神様は山からおりてくる」
という信仰が現在の人たちの心のどこかにも
生きているからではないだろうか、と感じます。

…というわけで
山頂でのお祭りは氏子さんを始め
各大字の役員さんも含めて厳かに行いました。

その後、本殿前にゴザを広げて直会です。
みんな和やかに御神酒をすすめあいます。
晴れやかな空の下、
お祭りの後、神さまと一緒になって
円座でお酒を酌み交わす。
とても正しい神祭りの姿がここにあります。


この後、石田の村の氏神さん(石田六柱神社)で
お祭りがあるため、
石田の村の役員さんと一緒に
直会は中座しましたが
本当に山頂での祭りは清々しいの一言でした。

そのおかげもあってか
後につづく石田のお宮のお祭りも
滞りなくゆかしく和やかに
斎行することができました。



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