八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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ことばのちから

2007年02月07日 | つれづれ
ご存知のかたも多いことと思いますが
あらゆる祝詞の冒頭に
「掛けまくも畏こき…」という一節があります。
これは一般に
「ことばにかける(出す)のも畏れ多い」
の意であると解釈されています。
「語る」あるいは「言葉を発声する」ことに対し、
神秘や「大いなる力」を感じてきたのだと思うと
すんなり腑に落ちます。

また
「目に物を言わす」「腹でものを言う」
なんていう表現などからも
昔から僕たち日本人は態度でものをいい、
また、態度をよみとりつつ
コミュニケーションをしてきたということが
垣間見られて興味深いですね。

つまるところ
口下手だけれども
いざ言葉をかけるときには
磨きに磨きぬいた言葉をさしのべる。
これが日本人の伝統的な
ものの考え方なのかもしれません。
これによって、
人の発言の深いところ(あるいは心)を
汲みとる精神もつちかわれていった、
といっても過言ではない、のではないでしょうか。
そうでなければ
万葉集をはじめ数々のすばらしい言語芸術が
生まれてきようはずがありませんもんねー。

極言すれば、日本の美風はここにある
とさえいえると思います。

もちろん、
国際社会においては
主張する技術が必須で
口下手であることは
国益を著しく害するもとになりかねない
知っています。

いま、国内において
同じ日本人に同士にもかかわらず
「ある言葉」をめぐって
議論になっている事例がありますが
言葉じりのみをつかまえて、やんやとはやしたて
深意を汲みとることなく
あたかも発言者の人格まで糾弾するのは
おかしいような気がするし、
なんだか、さみしい気がするのですが…。

皆さんは、どうでしょう。

初冠雪、あるいは白い世界。

2007年02月03日 | 奉務メモ
暖冬といわれている昨今ですが
やっぱり寒いもんは寒い!
しかし
だんだんと夜が明けるのが
早くなっているようですね。

今朝、目覚めて
こりゃまた格別の寒さだなあと思いつつ
外がいつもより明るく感じたので
「さすがは節分。季節の分かれ目か」
と窓をあけると
外は白い世界でした。
何だか妙にうれしくなって
急いで身支度をすませ、日供のため神社へ。
境内はぜんぜん積もってないけど
あらゆるものが白く美しく
神々しさもまたひとしおです。
そんななか
拝殿東側に望む伊那佐山から
いよいよお天道さまも昇ろうかという時間に
たったひとりで神さまと対面する・・・。
なんだか、もったいないなあ。

だからというわけではありませんが
日供のあと
ケータイで写真を撮ってみました。
ほんのわずかでも
雰囲気が伝わればなあ、と思います。