八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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伊那佐山レポート 其の参

2007年04月30日 | 伊那佐山
山中の鳥居をくぐり
すこしきつめの坂を上っていくと
岩肌もあらわになっている場所があります。
こういうものを目の当たりにすると
「ああ、山ってチリが積もったものじゃないんだ!」
などと妙な納得をしてしまいます。
素のままの自然の姿。
でも、この崖を見て
僕は何故か「お城の石垣」を連想してしまいました。

ここ伊那佐山は
古事記のなかで
神武天皇が東征の際、
在地の「まつろはぬ」者たちとの
戦いに疲れ、一時休止し
味方の援護を待った所、とされています。
(※↑上記には若干、
   個人的な「意訳」が混じっています)

日本書紀にあらわされているところの
「菟田の高城(タカギ)」は
神武さんが大和入りの攻略のため
宇陀の地に築いたとされる基地で
宇陀市菟田野区の桜実神社が
そのひとつとして有名ですが
ここにもそれに近いものが作られていたのかも?

・・・などと勝手ながら想像してしまいました。

伊那佐山レポート 其の弐

2007年04月22日 | 伊那佐山
まずひとつ、ご報告。
前々回の内容で
「道標の立てられた年代」の件
がありましたが、
実は今日また上って見てきました。
結果、「慶應2年」。
「慶應」といったら江戸時代後期
といったところでしょうか。

さて、話のつづきですが
集落の道から、山の地道にはいると
まず急な上りになります。
道すがら、「十三丁」だの「十丁」だの
彫りのある小さな石碑があって
頂上までのカウントダウンをしてくれます。
それらには
ムラの人々に氏名もいっしょに刻まれていて
土地の方々の施行の心が偲ばれます。
道の辻には
おおむね石の道標が安置されているのですが
それを見るにつけ
頂のお宮さんの
呼び名の変遷も垣間見られ
興味深いものがあります。

頂のお宮さんの名称は
都賀那岐神社(ツガナキ ジンジャ)といいます。
延喜式にも記載されているという
いわゆる「式内社」のひとつで
たいへん由緒正しいお宮さんです。
しかし
山の頂上にあるという性質から
「嶽大明神」と呼ばれていた時代もあったようですね。

山の中の鳥居前の
辻の道標が、それを教えてくれました。

ここが参道の
ちょうど半分くらいのところです。
そら、もうひとがんばり。

お供え

2007年04月21日 | 奉務メモ
今朝、毎朝の日供のとき
おもしろい?ものを
見つけてしまいました。

パンです。
拝殿の案(お供えの台)のうえに
パンがお供えされていました。

熱心な参拝者の方で
朝早くお参りしていただく方は
ときどき
お酒や缶コーヒーなどを
お供えをしていただくことは
あったのですが
パンは、はじめて!

「お供え」だからといって
へんに肩肘張らない
自然体なかんじが
なんだか妙にうれしくなってしまいました。

でも、さすがに
案の上に、じかに置いておくのは
神さんに申し訳ないなあと思い
応急措置として
お皿に半紙をしいて
その上に山積みしておきました。

どうか、今日一日
お供えしてくださった方に
幸がありますように。

伊那佐山レポート 其の壱

2007年04月20日 | 伊那佐山
八咫烏神社から
伊那佐山のお宮さんに
いたるまでの道すがら
栗谷春日神社と石田六柱神社が
鎮座されていますので
順番にご挨拶してまわりました。

どちらも土地の人々が大事にされている
ムラの氏神さんです。
不肖ながら
僕も年に数回のお祭りに
斎主としてご奉仕させていただいています。
でも、そのお話はまた別の機会に・・・。

さて、
道は集落のなかを通っているのですが
要所要所にある道標のおかげで
まず迷うことはありません。
道標は、
近年つくられたとおぼしき
あたらしいものが多いなか
ときどき写真のような
古くて味わい深いものがあるんです。
たぶん、
石の側面に年代とかが
彫られているんだろうけど
残念ながら、登山当日は
そこまで思いがいたりませんでした。

うーん、ぬかった。
今度来るときはメモ持参だな。

伊那佐山レポート 序

2007年04月18日 | 伊那佐山
海と山どっちがいい?
と聞かれたら
僕は、やっぱり山と答えます。
生まれ故郷の群馬も
今、縁あって住まいする奈良も
海なし県ですからねー。

桜井から宇陀に越してきて
うれしかったことのひとつに
端正な山のすがたを
毎朝拝めるということがありました。

考えてみたら
群馬の実家にいたころも
赤城山の長い裾野を
毎朝見ていたんだったなあ。

僕にとって
山のある風景は
ある種の原風景というか
心のよりどころというか
なくてはならないものだったんだなあ
と、思いの至るこの頃です。

さて、
話があちこちいきますが
今の住まいからの眺望の美しい、かの山
伊那佐山(イナサヤマ)の山頂のお宮さんで
先日、春の大祭がありました。

実はそれに先立つ1週間前に
下見の登山をしてきました。

そんなに高くない山ですが
なかなか、いい感じの山だったので
これから何回かにわけてレポートしてみます。