八咫烏神社 ときどき社務の備忘録

旧大和國宇陀郡伊那佐村鎮座・八咫烏神社から発信。
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紫陽花が咲き始めました。

2013年06月21日 | つれづれ
カラ梅雨が心配されていましたが
今になって全国各地に
まとまった雨が注がれている今日この頃。

いま現在の雨は
「シトシト」という梅雨の情緒というよりは
「ザーザー」と少しあばれんぼうな感じですが
何はともあれ、農作物には恵みの雨です。
願わくば、急激な雨によって
事故や災害のないことを祈るばかりです。



さて、当社の紫陽花(アジサイ)が咲き始めています。
境内の西奥にずらりと並ぶ当社の紫陽花は、
ちょっと背が高いです。

恵みの雨とはいえ、雨も連日つづけば鬱陶しいはず。
そんななかで紫陽花が雨の中に「彩り」をもたらすこと。
これもまた神さまの御恵みのひとつなのかもしれません。



ところで、当社の紫陽花の奥に石碑があります。
「橿原神宮遥拝所」の石碑です。



これは、古事記・日本書紀の神武東遷の段において、
「熊野山中で迷われた神武天皇の皇軍を
 天照大御神と高木神の命により使わされた八咫烏が
 道先案内として導き、大和の平定に貢献した」
…という故事から、
神武天皇を祀る橿原神宮を遥拝する石碑が
「昭和の大造営」と同時期に建てられたました。

よろしければ、お参りの際にでも
紫陽花をお楽しみいただきながら
遥拝碑もお参りしてみてくださいませ。






サツキに想ふ、あるいは歴史認識について。

2013年06月07日 | 雑感
カラ梅雨の様相を呈してきた、この6月ですが
梅雨時期の雨のことをよく「五月雨」といいます。

↓詳しくはこちら↓
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【五月雨(さみだれ、さつきあめ)】
「さみだれ」の「さ」は田植えの古語で、
古来の田植えの時期(現代の農法よりやや遅く6月ごろ)を意味し、
「早苗(さなえ)」「五月(さつき)」の「さ」と同語源。
「みだれ」は「水垂れ」で雨の意。
~フリー百科事典『ウィキペディア』より~
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昔からの表現ですから、さらっと流してしまいそうですが
ちょっと立ち止まって考えてみれば
至って当たり前のことであることに気づきます。

そりゃそうです。昔は旧暦で暮らしていたんだから。

それ故、
当社境内のサツキが今(6月)咲いているように
「五月雨」は梅雨時期の雨のことなんですね。

こんな事実ひとつをとってみても
歴史を学ぶとき、当時の事情や常識・慣習などなど、
よくよく知る必要があることに気づきます。

現代の感覚のみでは、歴史は読み解けないのでしょう。

「五月雨を集めてはやし最上川」

松尾芭蕉の超有名なこの句も
現代の感覚で解釈するだけは、味わいが全然かわってしまいます。

それって、とても勿体ないことですよねー。










サツキが咲きました。

2013年06月06日 | つれづれ
梅雨入りしました。
梅雨入り早々に景気良く降りつづいた雨でしたが
ここ数日、降雨がないとちょっと心配になってしまいます。
なかなか「塩梅よく」というふうにはいきませんね。

今では、あまり行われていませんが
昔は祈雨祭というものが行われていました。

これは年間の恒例祭ではなく、
雨がすくない年に行われる臨時の御祈祷のようです。

当社に残されている古い祝詞や
ベテランの氏子さんたちから聞くところによると
昭和の初めくらいまでは行われていたのだとか。

その際には、提灯や松明をもって
伊那佐山に上って山頂でも祈願したのだとか。
(山頂の都賀那岐神社は祈雨の神さまも祀っています)



そんななか、いよいよ境内のサツキが咲きはじめました。
たくさんの方に見ていただきたいと思う反面、
サツキの根元から笹や竹など雑草のたぐいが繁茂してしまい、
ちょっと残念なことになっており困っていました。

  

それで、苦肉の策。
植え込みから飛び出している部分だけを鎌で刈る!

一応、体裁よくはなっていますが…。
また伸びてくるんでしょうねー。